ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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8章

409.頓死

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バイコーンは周りの仲間を殺されて頭にきていた。

自分は特別他のものとは違うと思っていた、だからその時も刃向かってきたものを返り討ちにしてやろうと考えていた、いつものように

がそれは間違いだった…

しかしそれに気がついた時にはバイコーンの命は儚く散っていた…


【全く、喧嘩を売る相手はよく選べ!】

シルバはこと切れたバイコーンを足蹴にして三本の角に噛み付くとゴキンッ!と砕いた…

【シルバ!それ毒が!】

ミヅキが上から声をかける!

【大丈夫だこの程度の毒などなんて事は無い!】

シルバが平然とバイコーンの角を投げ捨てる、周りにはバイコーンの死体の山が出来ていた…。

【凄いね…一瞬でみんなやつけちゃった。私数頭しかやつけてないよ…】

ミヅキが上から眺めるとバイコーンの死体の山がもぞっと動き出した。

【あっ!あそこが動いてる!】

ミヅキが指をさすとシルバ達が警戒して動き出した場所を見つめた、すると…

「お前ら…俺の事忘れてただろ!」

ベイカーがバイコーンの死体を持ち上げながら這い上がってきた。

【ベ、ベイカーさん!】

【【【あっ…】】】

シルバ達がしまったと口を開ける。

「見ろよ!バイコーン達もボロボロだし!食べられる所が少しじゃねぇか!」

シルバ達の攻撃にバイコーンは切り刻まれ、黒焦げや串刺しになっているものがほとんどだった…

「俺の防具が…肉が…」

ベイカーがガックリと膝を着くと…

【ま、まぁ…こいつは比較的綺麗じゃないか?】

さすがに不味かったとシルバが一番大きなバイコーンを引きずってベイカーの前に落とした。

「ん?こいつは…デカくて皮もまぁまぁ残ってる。肉も…無事そうだな!」

ベイカーの顔が明るくなると…

「ベイカーさん!大丈夫!?」

ミヅキがプルシアと地面に降り立つとベイカーに駆け寄った!

「ああ、体は問題ないしこいつがいるから…まぁ今回は良しとしよう」

そう言って一際でかいバイコーンをバシッと叩く。

「ちょっとこいつを捌いて来るから待っててくれ」

そう言うとミヅキからは見えないところにベイカーはバイコーンを持って行ってしまった。

【それにしても凄い数だったね…この死体の山どうする?このままだと邪魔だよね】

【燃やそっか?灰にしちゃえば無くなるよ】

シンクがミヅキに聞く

【そうだね~比較的綺麗なものだけ持って帰って残りは燃やそっか…】

ミヅキがバイコーンの山に向かおうとすると…

「ミヅキ!」

「ミヅキ、大丈夫だった?」

リュカとテオが遠くから駆け寄ってきた!

「うん!私は大丈夫だよ!リュカとテオも大丈夫?」

「ああ!念の為に遠くに避難しておいて正解だったぜ」

「そうだね、あのままもう少しそばにいたらベイカーさんみたいになってたよ」

「ご、ごめんね。シルバ達がやりすぎて…」

ミヅキが謝るとリュカ達は笑って

「やりすぎて謝るなんてやっぱりミヅキ達は凄いな」

「僕らは全然大丈夫だよ、レムが避難をすすめてくれてムーが細かな破片からも守ってくれたからね」

リュカ達がレムとムーをミヅキに返すように前に抱き上げる。

【二人ともありがとね、リュカ達を守ってくれて】

ミヅキはリュカとテオからレムとムーを抱き上げると抱きしめてお礼をいった。

「それで?このバイコーン達はどうするの?」

「比較的外傷が無さそうなのは持って帰って皮と肉にするみたい…だけどシルバ達がやりすぎてあんまり期待できないね」

ミヅキがため息をつくと

「なら、僕らが倒したのがあっちにいるからそれを持っていこうよ、僕らは頭を落としたから皮も肉も綺麗に残ってるよ」

リュカ達が自慢げに言う。

「本当!さすがリュカとテオ!じゃあ持てるだけ持って行ってポルクスさんやテリーさん達にもお裾分けしよう」

リュカとテオはミヅキはバイコーンの処理に向かった。

【じゃあシンクはこっちのバイコーンは燃やして灰にしておいてくれる?】

【わかった】

ミヅキ達が離れるとシンクは飛び上がってバイコーンの死体を炎で包んだ。

【シルバ!威力を出すから風送ってくれる】

シンクがシルバに手を貸して貰う。

【わかった】

シルバはシンクの炎の威力を高める様に風を送った。


「待たせたな!でかいから解体に手こずっちまった」

ベイカーがバイコーンの解体を済ませて戻ってくると…

「あれ?バイコーンは?」

目の前にあったはずのバイコーンの山が無くなり目の前には灰色の地面が広がっていた…

「ベイカーさんバイコーンじゃまだから燃やしておいたよ」

ミヅキが戻ってきたベイカーにの声をかける。

「あの数全部燃やしたのか?ほかの肉は…」

ベイカーが唖然とすると

「あっ比較的綺麗なのは数十体収納に入れて置いたから大丈夫!あと角も何本か回収しておいたよ」

「そ、そうか…よくやったな」

ベイカーが気まずそうに頷くと…

「じゃあ大丈夫そうだし帰るか!」

「そうだね!これでこの周りの村の人達は安心できるね」

ミヅキ達は来た時と同じようにプルシアの籠に乗って帰って行った。


「ただいま~」

ベイカー達がギルドの扉を開くと…

「あれ?忘れ物ですか?」

何時間も経たずに帰ってきたベイカー達に受付けのお姉さんが声をかけてきた。

「いや、討伐完了だ。証拠のバイコーンの角を数本とボスと見られる個体の角と皮と肉。あと数十頭のバイコーンを持って帰ってきた…残りは損傷が酷かったので全て燃やしてきたぞ」

そう言って依頼書を出すと

「えっ?…あっ!し、失礼いたしました!か、解体はどうされますか?」

お姉さんが慌ててたちあがると

「ボスのバイコーンはあっちで解体してきた。残り数十頭は持って帰ってきたがこちらで引き取るつもりだが証拠を出した方がいいか?」

ベイカーが聞くと…ギルマスが知らせを受けて部屋から飛び出してきた。

「ベイカーさん!早かったですね!少し話も聞きたいのでどうぞ部屋に…」

【【【えー!】】】

【またかよ…】

シルバ達が項垂れる。

【少しだから外で待っててよ】

ミヅキはシルバ達の頭を撫でるとベイカー達とギルマスの部屋へと向かった。

「じゃあとりあえずこれがボスだ、他の奴らよりひとまわり大きく角が三本生えていたぞ」

そう言って解体した皮を取り出す。

「角はシルバが砕いちまったが一応使えるかと何本か取ってきた」

角を布に包んで渡すと

「角は要らんからギルドに落とすよ」

「すまないな…それにしてもおおきな個体だなバイコーンも成長するとこんなになるんだな…」

ギルマスがバイコーンの皮をしげしげと見つめる。

「確かにあそこまでなるとB級では少し手こずるかもな1対1ならどうにかなりそうだが…あいつらは群れるから難しいか…」

「なるほど…では次からは討伐ランクを変えておきましょう…それと…バイコーンはあと何体お持ちですか?もしよければ数頭わけていただく訳には行きませんか?」

「い、いや…あんまり取れなかったから…」

ベイカーが言い淀むと

「ベイカーさん、別にわけてあげればいいよ。あんなに持ってても食べきれないよ?」

ミヅキが言うと

「ありがとうございます!いや!助かりました!バイコーンの肉の依頼もきてましてそちらの報酬もお渡ししますので!」

ギルマスはベイカーの返事も待たずに報酬を取りに部屋を出ていってしまった。

「あー俺の肉が減っちまった…」

ベイカーがガックリと肩を落とす。

「他の肉食べればいいじゃん!」

ミヅキはポンポンとベイカーの肩を慰めるように叩いた。

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