ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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8章

387.闇ギルド

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「お、おい…俺達が闘うのって…あの男なのか?」

冒険者の一人が商人に確認すると

「いや、必要なら全員仕留めてもらう…問題無いよな?」

確認すると…

「他の奴らはどうにかなるが…あの男は不味い…俺達では敵わないかもしれん…」

「はぁ?今更何を言ってるんだ!お前達に前金でいくら払ってると思ってるんだ!」

「金なら…返す」

冒険者が苦虫を噛み潰したよう顔で答えると…

「お前…元A級だって言ったよな?どういうつもりだ?」

「A級とは言っていない…あと少しでA級になれるって所で問題が…だが実力はほぼA級だ!」

「なら問題ないだろ?こいつらにA級の冒険者が雇える金が払えるとは思えん。しかもB級以上の実力者を他にも数名雇ってるんだぞ!ちゃんとそれなりの働きをしろ!」

「くっそ…」

そこまで言われて冒険者達は引くに引けなくなった…

ジリッと前に出ると…

「あれ?殺気を飛ばしてやったのに…実力差はわかったと思ったのになぁ…」

ベイカーがブツブツと文句を言うと…

「ベイカーさん、ここは俺達が行きますから」

コジローがベイカーを止めて前に出ると…

「私も行くわ!コジロー様をお守りします!」

ユキさんがコジローの横にピッタリとつくと…

「俺じゃなくて里を守ってくれ」

コジローが苦笑すると…

「そうだな、ここで俺が手を出して収めてもこれからもこういう輩が来るだろうからな…それならここでお前らの実力を見せておく方がいいかもな」

ベイカーが剣に触れていた手を離すとミヅキのそばに下がって行った…

その様子に冒険者達が顔を緩めた…

「あいつが出るわけじゃなさそうだな…」

「この隙にできるだけ戦力を削ろう…」

冒険者達が目で合図すると…頷きあった。

「べ、ベイカーさん…」

ミヅキがコジロー達を見ると…

「心配するなどう見てもアイツらよりコジロー達の方が強いから」

ベイカーが安心させるように言うと…

「それはわかってる、だってあの人達の事鑑定してみたらみんなC級以下の冒険者だったもん」

「へっ?」

「いや…闇ギルドってどんなものか気になって…そしたら元何級って表示されてた」

「なんだそりゃ…それでよくもA級だがB級だかって言えたもんだな…」

ベイカーが呆れると

「だからコジローさん達の心配はしてないよ…でもあの人達ってピースの国の人だよね?」

「まぁ…そうだな…」

「じゃあ闇ギルドとかってピース達に影響が?」

「うーん…奴らの場所を見つけるのは難し、ああいうやつらは特定の場所を作らないからな…」

「そっか…あそこの一人がその闇ギルドの人みたいだけど…やっぱり捕まえても無駄なのかな?」

ミヅキがガクックリと肩を落とすと…

「なんだって?今なんて言ったんだ?」

ベイカーが耳を疑った…

「えっ?やっぱり捕まえても無駄なのかな?って…」

「その前だ!」

「闇ギルドの人がいる?」

「それだ!どいつだ!」

ベイカーが真剣な顔をするので…

「えっと…あの後ろの方にいる右から三番目の人、頭にフード被ってる」

ベイカーが目で追うと…

「あいつか…」

ベイカーはコジローのそばに行くと何やらコソコソと話している…。

話が終わるとミヅキの元に戻って来て…

「ミヅキ、ちょっとコハクを貸してくれ」

「コハク?私はいいけど聞いてみるね」

【コハクいいかな?】

【ぼく?いいよ~人になったほうがいいの?】

「ベイカーさんコハクがいいって人型がいいの?」

「ああ、人型で頼む」

【りょうかい!】

コハクがくるんと回って人型になると…それを見ていた人達がザワついた…

特に闇ギルドの男の目がギラついた。

「コハク…いいか、あの男が必ずお前を襲ってくる…だから油断した隙を見せて木魔法で捕獲出来るか?」

「かんたん!あいつぼくのことジロジロみてきもちわるい!」

「ちょっと!ベイカーさんコハクを囮にしてない?」

ミヅキが怒ると

【コハクはそんなに弱くない、大丈夫だ】

シルバが言うと、コハクが嬉しそうに

「ぼくできるよ、ミヅキみてて!」

コハクが嬉しそうに笑った!

コハク自身がそう言うならとしょうがなしに頷くと…

「ベイカーさん、コハクが危なそうだったら守ってあげてね…」

「当たり前だ…ほかの奴らが危なくなっても俺が見逃すわけないだろ」

「うん、信じてるよ」

ミヅキが頷くと…

「てことでミヅキは大人しくシルバの上にいろ、ここが一番安全だからな!」

ベイカーがミヅキを持ち上げるとシルバに乗せた。

【まあな!】

シルバが嬉しそうに尻尾を振るとミヅキの肩にシンクが止まる。

【僕もいるから大丈夫だよ~】

【なら私は後ろに居ようかな】

プルシアがミヅキの後ろのシルバの上にちょこんと座る。

【ムーとレムもおいで!】

ミヅキが影から見ていたムーに声をかけるとぴょんとミヅキの胸に飛び込んできた!

レムも戸惑っていたのでベイカーさんに抱っこしてもらい膝に乗せる。

ヒポも何処にいようかと迷いながら行ったり来たりしていると…

【ヒポはシルバの隣にいれば?】

ミヅキがくすくす笑って提案すると、落ち着いた場所を見つけたようにシルバの右手に立った。

「完璧な布陣だな!これなら俺でも攻略は出来ない」

ベイカーが納得する様にうなずいた。

「よし、コハク行くか!俺達は悪者退治と行こうぜ」

「いこうぜ!」

コハクが頷くとベイカーと行ってしまった。

「コハクがベイカーさんの言葉遣いを真似るなんて…後で直さないと…」

ミヅキはハラハラとしながらムーをギュッと抱きしめた。


「いいか、コハク。俺はここから動かないからお前は少し右にズレて警戒するように立ってるんだ。ほかの奴らは里のみんなが片ずける。でもあいつだけはきっとお前を横か後ろから狙って来るはずだ」

こくこくとコハクが頷くと…

「少しやられた振りをして森に逃げ込んで木魔法で拘束するんだ。その時に口と手を必ず動かないようにするんだぞ、死なれでもしたら面倒だからな」

「わかった!」

ベイカーはコハクの肩を掴むと

「いいか、無理はするなよ。危険だと思ったら相手を殺しても構わない」

「ころしたらだめなんだろ?」

コハクが首を傾げると

「確かに生きて捕まえたいがコハクを危険に晒してまで捕まえる必要は無い…だがお前なら捕まえられると確信してるから頼んだんだ」

コハクの頬が赤くなると

「うん!ぼくできるよ」

コハクはなんか褒められた気がして気分が高揚した!

【あれ…ベイカーさん何かコハクに言ったね、コハクの尻尾が膨らんでる】

【え?…あっ本当だ】

シンクも気がつくと

【なんか喜んでるね】

【喜んでいるのか?】

シルバが聞くと…

【うん、コハクは喜ぶと尻尾がぶわっ!って膨らむの】

【へーそうなんだ?】

シンクが何気に言うと

【シンクだって喜ぶと倍に膨れるよ?】

ミヅキがシンクを撫でながら笑って言うと

【えっ?僕が?】

【うん、気が付かなかった?】

【知らない…】

シンクが恥ずかしそうにミヅキの髪に顔を隠す。

【あはは!シンク丸わかりだな!】

シルバが笑うと

【シルバは尻尾がブンブンって凄い勢いで揺れる】

【シルバ…シンクの事は言えないな】

プルシアがクックックと顔を背けて笑っている。

【ミヅキ!プルシアはどうなんだ!】

【プルシア?プルシアは鱗が光る】

【へ?】

プルシアが自分の身体を確認すると…

【プルシアの鱗の具合がツヤツヤでいい状態になるんだよね~】

【ふん!お前だって全身でバレてるじゃ無いか!】

【ムーもプルプルと嬉しそうに揺れるし…最近少し元気無いのが気になるけど…大丈夫?】

ミヅキがムーを見つめると…

プルプル…

ムーは大丈夫…と言うように揺れていた。

【ヒポもシンクと似てるよね羽根が立つし頭を撫でられるのが好きなんだよね】

ヒポが撫でてと頭を突き出した。

ミヅキがワシワシと撫でると満足そうに喉を鳴らす。

【レムはどんな反応するのか楽しみだなぁ~】

ミヅキはレムの硬い身体を優しく撫でた…

【ん~レムもひんやりしてて暑い日には気持ちよさそうだね!】

[ひんやり…温かくも出来ます]

そう言うとレムの体がじんわりと温かくなった…

【レム…湯たんぽみたい…】

ミヅキはギュッとレムを抱きしめた。










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