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6章

307.尋問

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ミヅキやアクア子供組が寝ている隙に…

ジョルダン王は大臣、ジュウト隊長シード達数名の兵士、セバスさん達を引き連れブラハを閉じ込めている牢屋へと向かった…

牢屋の前で見張りをしていた兵士にジュウト隊長が声をかける。

「見張りご苦労だった交代するから広場で休んでいてくれ」

「「はい」」

見張りの二人が敬礼をすると

「中はどうだった?」

シードが聞く

「何かブツブツと言いながら…時折物がぶつかる音がしています…あれが本当にあのブラハ大臣なんでしょうか?」

兵士達が青い顔をする…

「もう…昔のブラハでは無いのかもな…」

ジョルダンが悲しそうに言った…。

兵士達を下がらせてジュウト隊長が先頭で部屋に入ると…壁は所々赤黒く汚れ部屋の隅にブラハが丸まっていた…

海の民達が声を出せずにいると…

「なんだありゃ?」

ベイカーが場違いなでかい声を出す。

「ベイカーさん静かに!」

セバスがたしなめると…

「ここでは手狭ですし、部屋を移動して話を聞いては?」

セバスが提案すると

「そ、そうですね…では起こして縄を付けて連れて行きます、王たちは尋問室に…」

「ああ、触るとき気をつけてくださいね。その方多分黒い痣に侵されてそうです」

セバスさんが兵士に注意すると

「えっ!?」

触ろうとして立ち止まる。

「ブラハは侵されていなかったはずだが…」

「ここまで追い詰められたら私なら痣の力でどうにかしようとしますね…まぁ彼がそうするかわかりませんが一応注意を…」

「そ、そうだな…ブラハには素手で触らないように!」

「は、はい」

兵士達が前を向かせようとすると

「ひ、ひい!」

兵士がブラハの顔を見て後ずさりする…

「どうした!」

皆が兵士に注目すると…

「か、顔が潰れて…酷い…これも痣のせいで…」

「あっ…すみませんそれは私のせいですね」

セバスがあっさりと言うと…ブラハが目を覚ました

「ぼ、ぼはぇばぁ!」

セバスさんを見ながら何か喚くが顔が潰れて歯もとれ何を言っているのかわからない…

「早く大人しくさせろ」

ジョルダンが言うと三人がかりで縄をかける。

「すみませんねぇ…やりすぎた様ですね、コレでは話を聞けませんね」

セバスがブラハに軽く回復魔法をかける

「ミヅキさんほど得意ではありませんが、喋れる程度にはなるでしょう」

「貴様!一体何なんだ!」

治った途端にブラハが叫ぶと

「あれ?治し過ぎましたかね?もう少し弱らせておきましょうか?」

セバスがにっこりと笑うと

「セバスさん俺がやろうか?」

ベイカーがボキボキと指を鳴らす。

「うるさいぞ!お前は誰だ!」

ブラハがベイカーを睨むと…

バシッ!

ベイカーが軽くブラハの頬を布で叩いた

「ぶっは!」

ブラハの顔がまた潰れると…

「ああ!せっかく治したのに!」

セバスさんが嘆くと

「あっ!悪い軽くしたつもりだけど…」

「まぁ…静かになりましたし…あんまりうるさいとさっきと同じ様にしますよ…」

「グフゥ」

ブラハが黙ると

「さ、さぁ…連れて行け!話はそっちで…」

ジョルダンがブラハを行かせる。

「ではお先に話を聞いてください、私達はその後でいいですから」

セバスはジョルダンに言うと部屋の外でベイカー達と待つことした。

ブラハを部屋にいれ前にジョルダン達が座り周りを兵士達が囲むと

「ブラハ…この度の仕業全部貴様のせいなんだな…」

ジョルダンが厳しい目を向けると

「ふん!あなたが何時までたってもちっとも陸上の侵略しようとしないから!私がきっかけを作ってやったんだ!」

「そんな事で…」

「いや!海の者達はみな思っている!陸上に出る事を!」

ジョルダンが周りを見ると、大臣達が気まずそうに目をそらす。

「みろ!こいつらだって話を振れば尻尾振って賛成してたんだぞ!」

「我らも陸上には憧れた…だがあんな事は望んでいない…全ては民達の為と…」

「綺麗事を!どうせ自分達の利益の為だろ!」

「それは…」

「だから私はそのきっかけを与えてやっただけだ!」

「だが…今回の事で尚更決意が固まった…我らは陸の者達と同盟を考えて行こうと思う…」

ジョルダンがハッキリと言うと

「お、王!?」

「今回我らが助かったのは彼らのおかげだ…我らは陸の者達を誤解していた…まぁブラハに誤解させられた所もあるがな…しかし…全ての陸の者達を信じる訳では無い、あくまで話し合い彼らを知っていかなくては…」

「そ、そうですね…我々も彼らに助けられ…陸の者の印象が変わりました…これからは偏見の目を捨てなければ…」

ブラハが王達の話を聞いていると…

「なら…いい人がいますよ…」

ニヤッと笑う

「黙ってろ!」

シードがブラハを押さえつけると…

「どういう事だ?」

ジョルダンが聞く…

「私にこの力を分けてくださった方がいるんだ…その方は陸の者だが大変素晴らしい方だ!私はその為にこの国を捧げようとした!今からでも遅くないお前達もあの方に会ってみろ!きっと気持ちが変わる!あんな奴らの言う事など聞く必要ない!」

「あんな奴らとは…セバスさんやミヅキさん達の事か?」

ジョルダンが睨みつけると…ジュウトや、シードも睨みつける。

「お前が彼らを悪く言うことは許さん…」

ジョルダンが冷たく言い放つ

「彼らが居なければ我らはお前に殺されていた、私だけならまだしも私の大切な者全てを…そんなお前もお前を騙した奴らも私は許しはしない…」

「くっ…」

「さっさとその黒幕の事を言え」

ブラハは口を噤んでしまった。

「話す気はないのか?なら話したくなるまでここにいてもらうだけだ…」

トントン

部屋をノックする音に扉を開けると、セバスさん達が顔を見せる。

「すみません…中の声が少し聞こえまして⋯」

セバスが中に入ると…

「我々はその黒幕に興味ありまして…話してくれるまで悠長に待つ気はありませんので…ここからは私達に変わって頂いてもよろしいでしょうか?」

セバスが笑ってジョルダンを見た。
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