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6章

299.反撃

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「さぁ!悪者はどいつだ!さっさっとやつけてみんなでイカパーティーだ!」

ミヅキが手をあげると

「クッ…リバイアサンだと…おい!化け物!さっさとあいつらを殺ってしまえ!こいつがどうなってもいいのか!」

ブラハが海熊の子供を剣で刺すと…

「ギャーン!!」

子供の悲鳴が響く…海熊は目を血走らせると、ミヅキ達に突っ込んできた。

「何あのおじさん!なんであんな可愛い子に酷いことするの!許せない!」

ミヅキが母熊を見ると

「大丈夫!あなたも子供も助けるよ!」

ミヅキが海熊に微笑むと…

【だからって突っ立ってたら危ないだろ!】

シルバが熊の攻撃を受け止める!

【だってシルバが来るってわかってたもーん】

ミヅキが熊を押さえつけるシルバと熊に触れると…癒しの魔法をかけた…熊の痣が消え綺麗な水色の毛並みが戻ると…

【はーい邪魔~】

シンクが上から小熊の檻を掻っ攫う。

「あっ!糞!あいつらを止めろ!」

ブラハが騒いでいるうちにシンクが檻を持ってミヅキの前で降ろす。

「ベイカーさん!」

「おう!」

ベイカーが兵士を相手にしながら斬撃を飛ばすと檻の上部分が切れる。

中で怯える小熊に

「おいで、怖くないよ」

ミヅキが手を出すと

「グウオォー」

母熊が叫んだ

【黙ってろ!】

シルバが抑え込むと…

【シルバ!女性には優しくしてよ!】

「ごめんね…傷を治したらママの所に帰してあげるからね」

ミヅキがブラハに刺された傷を治すと、小熊が自分の身体を舐めた、傷が無くなってることが不思議のようでペロペロと舐めている。

「ふふ良かったね~」

ミヅキが頭を撫でると…今度は大人しく撫でさせてくれた。
そのまま母熊の所に連れて行くと…

「はい、ママだよ。ここは危険だからママと海に帰りなね」

ミヅキが小熊を母熊に返すと母熊は小熊をひとしきり舐めて…首根っこを噛むと海へと帰って行った…。

「良かった…二匹とも大丈夫そうだね」

海熊が見えなくなると…

「さぁ…次はなに?全部治しちゃうんだからね!アクア!」

「うん!」

ミヅキとアクアは手を繋ぐと、ミヅキの周りにみんなが集まる!

「私達が兵士を止めます」

「その隙にミヅキ達が浄化だ」

「無理はするなよ」

「では行きましょう」

ベイカーを先頭に兵士達に突っ込んで行く!

「俺達も行くぞ!」

ジュウト隊長が声をかけると

「はっ!」

シードが続く!

「リップル!我らも戦うぞ!」

「はい!」

ミヅキ達が次々に兵士達を浄化していくと…

「何なんだ…あいつらは…」

ブラハの顔色が曇る…

「ここは一旦引いてまた出直しだ…お前たち!死んでも時間を稼げよ!」

ブラハが逃げようと後ろを向くと…

「何処に行かれるんですか?」

「へっ?」

バッチーン!

ブラハが吹き飛ぶ…

「ブッハッ!」

頬が赤黒く染まり、鼻は折れ血がドバドバと流れ落ちる…歯も数本折れているようだ…血が喉につまり咳き込んでいると…

「ここまで騒ぎを起こして一人で逃げるなんて虫が良すぎやしませんか?」

ブラハが上を向くと…ニコニコと機嫌よく笑う陸上の者が立っていた…。

ブラハが地面を見ると…兵士が落としたと思われる短剣が目に入る…気付かれぬ様にそっと手を伸ばすと…

ダンッ!

「ギャー!」

手を踏まれる…

「い、いじゃい…」

手を引き戻すと、プラーンとどうにか手首で繋がっている状態だった…

「おや…すみません」

男が謝ると…

「あなたにはこの黒い痣について洗いざらい吐いてもらいます、ですから今は怪我が少ない方がいいですからね…」

「ううっううっ…」

ブラハが手を抑えると…

「聞いてますか?」

「じらん!じらん!おればなんにもじらん!」

ブラハが血と唾と涙と鼻水を撒き散らしながら抵抗すると…

「汚ぇなぁ…」

セバスさんの服に血が飛んだ…

やばれるぐらいだら殺られるくらいならじんでやる死んでやる!」

ブラハが剣を掴んで喉元に刺そうとすると…

バッシーン!

セバスさんの足蹴りが飛ぶ、剣を弾き飛ばすと…

「楽に死ねると思うなよ…」

唖然とするブラハに凍つくような視線を向けた…。


「終わりそうだね…」

ネーレがククノに話しかける

「良かったねぇ…これでネーレも安心だね」

「ああ…でも…私の穢れは取れそうに無いよ…」

「えっ…」

ククノがネーレを見ると…痣がまたじわじわと広がっていた…。

「ネーレ…」

ククノが悲しそうに見つめる。

「大丈夫…もう十分すぎるほど生きたからね…最後に美味しいものも食べれたし…」

ネーレが寿司を思い出して笑う。

「しかし…海の国はどうなる?」

「今はまだ空気が持つが…長くは無理だね…あと1ヶ月って所かな?」

「そうか…ではミヅキに伝えよう…」

ククノがミヅキを呼びに行った…。


「なんで!?ネーレ様!」

ミヅキがネーレの肩を掴むと

「いいんだ…とても楽しい木生だったからね…ただこの後、海の民に迷惑をかけることになるなぁ…」

「どうにもなんないの?私じゃ治せない?」

ミヅキがネーレとククノを見ると

「ネーレの身体は大き過ぎる…ミヅキの魔力が持たないよ…」

「そんな…」

【ミヅキ…諦めろ…それでミヅキが倒れでもしたら神木達だって嬉しくないぞ】

シルバがミヅキに寄り添うと…

「ミヅキ…どうしたの?」

アクアが今にも泣きそうなミヅキの手を掴み寄り添う…

「アクア…ネーレ…海の木が痣に侵されててあと1ヶ月も持たないって…」

「えっ!?」

「それは本当か?」

ジョルダンが驚いて近づいてくる…

「アクアのお父さん…私の…私達の力じゃ神木様を治すだけの魔力が足りないんだって…」

ミヅキが下を向くと…

「なら私の魔力を使って…」

美しく優しい声が上から降ってきた。

ミヅキが顔をあげると

「ミヅキさん…この度は助けて頂いてありがとう…そして私の大切な人達も全て救ってもらいました。今度は私達が助ける番です」

「お母さん…」

「アクアのお母さん…」

「エリアル」

「そうだ!みんなの力があれば助けられるかも!」

ミヅキがアクアのお母さんの腕を掴むと

「ええ…あなた達ならきっとできるわ…」

エリアルがミヅキとアクアの手を優しく包む。

「それは…私にも手伝えるのか?」

リップル王子が顔をそむけながら声をかける…

「是非とも私達の力も使って欲しいです」

ジュウト隊長とシードが並ぶ…

「王子様、隊長さんシードさん」

「しょうがありませんね…」

「セバスさん…服どうしたの?」

上着を脱いでいるセバスさんが気になる…

「ちょっと汚れてしまいましてね…」

「ミヅキ、私も手を貸すよ」

「エヴァさん!」

「もちろん私達もです!」

レアルさんとデボットさんが笑うと…

「みんな…ありがとう…」

【では…我々も手伝わないとですね】

【ミヅキの為だ、しょうがない】

【僕がちゃんとみんなの魔力を集めるよ!】

【キャーン】

【……】

【プルシア、シルバ…みんな…】

「ミヅキ!お願い!私達の海の木を守って…」

「もちろんだよ!」

アクアが手をギュッと握ると…ミヅキは力強く握り返した!


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