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6章

297.真相

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少しさかのぼって…

【お前らはなんだ?】

リバイアサンがミヅキとシードの行く手を阻むと…

【かっこいい…】

ミヅキがリバイアサンに見とれる…

【…なんだ?あの人間は…何故か引き寄せられる…】

リバイアサンがミヅキに近づこうとすると…

(うおりゃあぁぁー!)

ベイカーが駆けつけ剣を振り切った!

水刃がリバイアサンを襲うが難なくよけられる、しかしその隙にシードがミヅキを連れて逃げようとするが…

【その娘を置いていけ!】

リバイアサンがシードに咆哮を放った!

【危ない!】

ミヅキがシードの前に防壁を張る!

直撃は免れたが…シードが吹き飛ばされるとベイカーが受け止めた!

【こら!危ないじゃない!】

ミヅキがリバイアサンに怒ると

【ん?もしかして…俺に言ってるのか?】

リバイアサンがミヅキを見つめる…

【それ以外に誰がいるの!急に攻撃するなんて卑怯だよ!ドラゴンともあろう子が!】

ミヅキがプンプンしていると…

【お前…俺の言葉がわかるのか?】

【えっ?わかるけど…】

【なんだ…この胸の高鳴りは…何故かわからんが…お前に従いたくなる…】
  
リバイアサンが葛藤していると…

【どうしたの?大丈夫?】

急に苦しそうにしだしたリバイアサンに近づこうとすると…

(ミヅキ!)

ベイカーがミヅキを助けようとそばに行こうとする、それに気がついたリバイアサンが…

【寄るな…】

波を立てベイカーを遠ざけた…

【わぁっ!】

急に起きた波にミヅキも流されそうになると、リバイアサンが身体で受け止める。

【あ、ありがとう…】

ミヅキがリバイアサンにしがみつくと…

【お前…この海の国の者か…】

【私?ううんここには頼まれて来たんだよ、いつもは陸上の国に住んでるよ】

【そうか…】

リバイアサンはそう言うとミヅキを連れてベイカー達から離れて行く…

【えっ?何?どこいくの?】

【お前は海が似合う…ここに住め。俺が世話してやるから】

【えー!?困るよー私やらなきゃ行けない事あるし!勝手に行ったらみんなに怒られちゃうよ】

【みんな?みんなとは何だ…】

リバイアサンはどんどん海の国から遠ざかる。

【えっ?さっきのベイカーさんに、セバスさんにシルバとかシンクとか…デボットさんにレアルさん】

【えっ?】

【コハクにプルシアにムーに…】

(ちょっと待て…確か、青龍様が…プルシアと呼ばれていたような…それにそのご主人様もセバス様と…)

リバイアサンはピタッと止まると…

【もしかして…プルシア…様とはドラゴンか?】

【あっ!もしかして知ってるの?ドラゴン同士だから友達かな?】

【何色のドラゴンですか?】

【ん?なんで敬語?プルシアは綺麗な蒼色だよ!】

【ヒィ!やばい!もしかして、おま…あなたは彼らの連れか?】

【彼ら?彼らってプルシア達?】

リバイアサンがうんうんと頷く。

【うん!みんなと一緒にきたよ!】

【お名前をお聞きしても…】

【私?ミヅキだよ】

ミヅキはニコッとリバイアサンに笑いかけた。



「ど、どうしましょう、ベイカーさん!ミヅキさんが…」

リバイアサンに連れ去られたミヅキにシードが慌ててベイカーを見ると…

(何処のどいつか知らんが…)

目の前で攫われた事に怒りがわく…その姿にシードは寒気がした…。

(ちょっと行ってくる…)

ベイカーがクイクイとシードに合図を出すと

「追いかけるんですね、私も手伝います!海の移動なら任せて下さい!」

ベイカーが頷くと

ドンッ!

何かが背中にタックルしてきた!

グボッ!

ベイカーが衝撃で息を吐き膜が潰れた。

ゴボッゴボッ…

溺れかけると…急にでかい空気の膜に覆われる…

「はぁ…はぁ…死ぬかと…思った…」

突進してきた犯人を睨むと…

「ブサけんな…死ぬとこだぞ…このスライム野郎…」

ムーが不機嫌そうに揺れている。

「この膜…このスライムが?」

シードが突然出来た膜に驚いていると…

「ムー…お前俺の膜作れ…そうすれば戦いに集中出来る…移動はシードさん任せる…」

「はい!」

ブルブル!

「よし!ミヅキ助けに行くぞ!」

ムーはベイカーの肩に乗ると膜を小さくした。




【すまなかった…まさかミヅキが本当の青龍様のご主人様で…しかもドラゴンの愛し子とは…】

リバイアサンがヨロヨロと力なく泳いでいると…

【いいよーまさかリバイアがプルシアと知り合いとはねー海は広いと思ってたけど、意外と狭いんだね】

ご機嫌でリバイアサンの背中に乗って移動している。

【この惹かれる想いはドラゴンの雫のせいだったんだな…】

ボソッとリバイアサンが呟くと…

【ん?何か来るな…】

リバイアサンが警戒して止まっていると

【うん?あれ…ベイカーさんかな?迎えに来てくれたのかな】

ミヅキが見ていると…

(このぉクソやろーが!!!)

ベイカーが斬撃に風を纏わせリバイアサン目掛けて放った!

【攻撃してきたぞ!】

リバイアサンが避けると

(逃がすか!)

リバイアサンの顔めがけて剣を振り下ろす!

【なんだ!】

リバイアサンが口で受け止め剣を牙で止めると

【べ、ベイカーさん?】

ミヅキが慌てて手を振る!

【やめて!大丈夫!仲間だよ!】

ミヅキがアワアワと慌てる様子に…

(ミヅキ!あんなに慌てて…今助けるからな!)

ベイカーはリバイアサンの口に咥えられた剣に火魔法を纏わせる。

(喰らえ!)

リバイアサンの口の中めがけて火弾を放つと…

【グッハ!】

リバイアサンが痛みに仰け反った。

【リバイアさん!】

悶えるリバイアサンの横っ腹にベイカーが剣を突き刺そうと突っ込むと…

【駄目ー!ベイカーさん止まってー!】

ミヅキがリバイアサンを庇ってベイカーの前に出る!

(ばっ!ミヅキ!)

ベイカーがミヅキに気がつくがシードに押して貰った水の勢いで止まれない…

(くっそ!)

ミヅキが目を閉じると…

【ミヅキー!】

ドンッ!

ベイカーがまた何かに吹っ飛ばされる…そのまま岩場に激突すると…

(危ねぇ…助かった…ミヅキは?)

ベイカーがミヅキを見ると…

【ミヅキ!大丈夫?なんでベイカーに攻撃されてるの?】

【シンク!?】

ミヅキの腕にシンクが抱かれている…

突進してきた正体はシンクのようだ。

【違うんだよ、ベイカーさんが何故かリバイアさんを攻撃してきて…それを止めさせようと思って…】

【もう!心配ばっかりさせて!】

シンクがプンプンと身体を沸騰させている。

【……!】

ムーがベイカーの肩でドンドンと跳ねると

(わかってるよ…)

ベイカーはヨロヨロっとミヅキの元へ向かう…

【ベイカーさん!】

ミヅキがベイカーに抱きつくと

(このやろ!)

ゴンっ!

とミヅキの頭に拳骨を落とす。

【痛い!】

その瞬間ベイカーの空気の膜が無くなる…

ゴボッ!

【べ、ベイカーさん!】

ミヅキが慌てて膜を作り直すと…

ムーがミヅキに飛びつく

【ムー…ベイカーさんが溺れちゃうよ、膜作ってあげてね】

【ミヅキのこと叩いたからじゃない?】

落ち着いたシンクが答えると

【そうだ!シンク、リバイアさん回復させてあげないと…】

【えー…そう言えばなんでコイツここにいるの?】

シンクが首を傾げた…

リバイアサンに回復魔法をかけるとみんなで一度国に戻る…その途中で…

「ミヅキー!」

アクアがジュウト隊長と駆けつけた!

「ミ、ミヅキ…なんでリバイアサンに乗ってるの?」

アクアがリバイアサンにびっくりして止まると…

「何故…リバイアサンがここに?」

ジュウト隊長も驚いている。

「隊長!」

シードがアクアとジュウトに気がつきそばに来た。

「「シード?」」

「お前…何故ここに?陸に行ったはずじゃ…」

「色々とありまして…」

怪我をした腕をさする…

「とりあえず…何処かで一度話そう…もう、何が何だか…」

ジュウトは頭を抱えた…。


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