ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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6章

285.サメ

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ベイカーがサメを受け止めたがそのまま後ろへとどんどんおしながされる。

(踏ん張れねぇ…)

足場が無いので押し出すことも出来ずにいると…サメの様子がおかしくなった…

ベイカーを今か今かと食らいつこうとしていたのに急に苦しそうにもがき始めた。

(なんだ?)

ベイカーはチャンスとばかりに離れると足場がないか探す。

ちょうどいい岩場を見つけると急いで泳いで向かった!

サメは腹の中から黒い血を吐くと…身体が黒く染まる…

(コイツらもかよ…)

サメはジロっとベイカーを見ると凄まじい速さで向かってきた。

(足場があればこっちのもんだ!)

ベイカーは構えると横一文字に剣を振った…

海の中を斬撃波がはしった!

ザン…

サメは綺麗に真っ二つに別れるがそのままベイカー目掛けて突進して来た。

(めんどくせぇ奴らだなぁ)

ベイカーが剣を構えるとそのまま剣を滑らせサメを更に捌いていく。

(おっ!マグロ切る時こうすればよかったのか!)

しかし…切られたはずのサメがボコボコと蠢きながらもう一度くっ付き合おうとしていた…

(ベイカーさん!)

ミヅキがベイカーに向かって泳いでいると…後ろからミヅキ目掛けてサメが近づいていた…

(ミヅキ!)

ベイカーが剣を振るおうとすると

ガキン!

何かに刃を止められる。

見ると先程のサメが身体をボロボロにしながら剣に噛み付いていた…

(このクソ共が!)

ベイカーはサメの頭に手を突っ込む、頭蓋を掴むと引っこ抜いた。

サメが剣から歯を離したが…

(ミヅキ…)

急いでミヅキの方を見ると…

トン…

ミヅキがベイカーに抱きついた。

(あれ?)

ミヅキの空気の膜が大きくなると後ろからムーが顔を覗かせる。

ベイカーの空気と合わせると…

「ミヅキ!何やってんだ!危ないだろ!」

ベイカーがミヅキに怒鳴ると

「だって!あの黒い痣…ベイカーさんさっき触れたよね!見せて!」

サメを掴んでいた手を掴むと

汚いからと手を引っ込めようとするがミヅキが掴んで離さない。

そのまま浄化すると…

「さっき後ろにサメがいただろ…どうしたんだ?」

ベイカーが周りを見ると…

ベイカーが捌いたサメを他のサメが共食いをしていた…。

「あっちの臭いに釣られたのか?」

「サメ?来てたの?」

ミヅキがベイカーの手を離してポカンとする。

「やっぱり、気がついて無かったのか…じゃ何処に行ったんだ?」

周りを警戒しながらミヅキを抱き上げると…ミヅキにくっついていたムーがニュルと動くと…

「えっ…」

「はっ?」

サメの頭を身体から出した…

「もしかして…ムー食べちゃったの?」

ムーがプルプルと揺れる…

「お前…まぁまぁ出来るじゃねぇか!」

ベイカーさんがムーをガシガシと撫でると…

ペシッ!

ムーから触覚が伸びてベイカーの手を払う。

「なんだコイツ!」

「ふふ…恥ずかしがってるんだよ~」

今度はミヅキが撫でると嬉しそうに身を預けていた…

「この態度の違い!腹立つなぁ!…まぁいい、ムーミヅキを守れよ」

言われるまでもないと言うようにムーがプイッと揺れた…

「コイツ…意外とわかりやすいな…」

ベイカーが苦笑すると…

「ねー可愛いよね!」

ミヅキがムーを突くと

「いや…可愛くはない。あっ…ほら来たぞ!あいつら共食いしたからみんな感染したな…どうする?ちょっと切ったくらいじゃ死なないぞ」

「うーん…浄化したいけど…触らせてくれなそうだよね」

「ムーに食わせるか?」

「駄目だよ!痣付きだよ、今度はどうなるか…どうにか動きを止められるといいんだけど…」

【なら…私が奴らの動きを止めよう】

ネーレ様の声が聞こえたと思うと…海草がスルスルと伸びてきてサメの身体に巻きついた。

サメ達が苦しそうにもがけばもがくほど海草が絡み付く。

【ミヅキ…助けられるなら…その子らも助けてあげてくれ…こんな事で死なせてしまうのはあまりにも可哀想だ…】

【ネーレ様…ありがとう!ちゃんと助けてあげるよ】

「ベイカーさんネーレ様が動きを止めてくれる間に浄化しちゃおう!」

「わかった!」

ベイカーが泳いでサメのそばに行くとミヅキがサメの身体に触る…次々に浄化していくとぐったりと動かなくなる。

「よし!みんなできたよ!」

「なら復活する前に退散しようぜ、また襲われたらたまんねぇよ」

「そうだね!折角助けたのにねぇ~」

【その状態でまだ襲ってくるようならその時は躊躇うことなく返り討ちにしていいからな…それは自然の摂理だ】

【おお…ネーレ様厳しいね!でも了解です!そしたら美味しく料理してあげるね】

ミヅキはサメをザラっと撫でるとベイカーさんに連れられネーレ様の元へと向かった…。

「ネーレ様!」

ミヅキがネーレ様がいる空気の膜に飛び込むと

「大丈夫だったか?」

「うん!誰も怪我してないよ!怪我はこの人だけだね…」

今だ目覚めない人魚を見つめると…

「とりあえずセバスさん達の所に戻ろうか?」

「そうだな」

ベイカーさんが人魚を掴むと肩に担ぐ…

「じゃ行くか!」

「…ベイカーさん…その持ち方どうなの?荷物みたいだよ」

「運んでやるだけありがたいだろ!それとも前で抱えろってか?」

ベイカーさんの顔が歪むと

「あっ!お姫様抱っこだね!」

ベイカーさんが背筋がゾクッと震える…

「気持ち悪い事言うなよ…俺も嫌だけど…こいつもそんな事されたって言われたら…かなり地獄だと思うぞ…」

「そうかなぁ~?私はいいと思うけどね!」

ミヅキがブツブツ言ってくるがベイカーは概ね無視して人魚を担ぎながら来た道をネーレ様の先導の元戻って行った…。

セバスさん達が待つ所に戻ると…

「あれ?」

「どうした?」

ベイカーがミヅキに続いて上がると…

「誰もいない…」

だだっ広い空間を見回すが、人がいる気配が無かった…。

「ここであってるよね?」

「ああ…ほら火をおこした跡がある」

ご飯を炊く時に使った竈の跡が残っていた…

「セバスさーん!シルバー!」

「おーい!みんな何処に隠れてるんだー!」

ミヅキとベイカーが大声をあげるが…返事が返ってくることは無かった…

「えっ…帰っちゃった?」

「ミヅキを置いてか?有り得ないな!俺だけなら置いてかれそうだが…」

「そ、そんなことないよー」

ミヅキが焦りながらフォローすると…

「それよりシルバ達に聞いて見ろよ、あいつらがミヅキからそんなに離れる事は無いだろ?」

「あっ!そうだね!」

【シルバ~!シンク~!コハク~!】

【ミヅキ!】

【ミヅキ~】

【キャン!キャン!】

【あっ!みんなどこ行ったの~?】

【それよりミヅキお前は大丈夫なのか?】

シルバが心配そうに聞いてくる

【うん!全然大丈夫だよ!ベイカーさんとムーとネーレ様が助けてくれたから】

【そうか…しかし…やっぱりなんかあったんだな…こんな奴ら蹴散らしてミヅキの所に行くか…】

シルバの真剣な様子に

【蹴散らすって!誰かといるの?】

ミヅキが驚くと

【ああ…でも別にすぐにでも行けるぞ。だがセバスが大人しくしてた方がいいって言うから…】

【駄目だよ!シルバ!ちゃんとセバスさんの言う事聞いておいた方がいいよ!】

【…ミヅキがそう言うなら…】

「ベイカーさん、シルバ達誰かにつれてかれちゃったって!」

「はっ?なんでそんな事になってるんだ?」

「わかんない?」

ミヅキは詳しい事を聞こうとシルバに語りかけた…。
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