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トントン…部屋をノックすると…

「はい?」

ハク様が顔を出した…

「リリアナ?どうしました?」

ハクが驚きリリアナを見ると…

「今日食堂のみんなでお出かけに行ってきたんです…」

「ええ…ファイから聞いてます」

ハク様が廊下に出ると

「それで…これ…お世話になっているので、お土産です!」

そういうとリリアナは袋を差し出した。

「なんでしょう?見ても?」

リリアナが頷くと、ハクは受け取り袋を開けた…すると中から…

「湯のみ?」

「はい!ハク様にピッタリだと思って…あとこれ…お昼にみんなで食べた残りで申し訳ないのですが小腹が空いたら食べて下さい」

そう言うとサンドイッチを渡す…

「ありがとう…楽しかったですか?」

ハクが笑いながら聞くと

「はい!とっても!」

リリアナは笑顔で答えると、それでは…とハクの元を去っていった…。

ハクは微笑みながら貰ったプレゼントを見ると…部屋に戻る。

そこにはニヤニヤと笑うファイが立っていた…。

「ハク様、顔がヤバいですよ」

ファイがからかうと…

「そんな事はありません…それで話の続きを…」

「だから…あんなに優しいリリアナを馬鹿にして傷つけた輩がいたんですよ!あの店…なんて店だっけなぁ…」

ファイがうーんと思い出そうとするも…一向に出てくる気配がない…

「そうですか…それは厳重に注意しないといけませんね」

「でしょ!一応制裁は加えておいたけどちゃんとした罰もよろしくお願いします!」

ファイの言葉に頷くとファイは満足そうに部屋を出ていった…

部屋に誰も居なくなると…早速湯呑みを使ってお茶を入れる。

いつもよりお茶が美味しく感じられた…

そしてリリアナが持ってきたサンドイッチを取り出すと…

「ん?これは…辛子…」

ピリッと辛い辛子に懐かしい感覚がよみがえる…

「美味い…」

ハクはファイが持ってきた書類を見ると…

「確かに…罰が必要ですね…」

そう言うとファイの書類に判を押した。


リリアナはブラッドにもお土産を渡そうと探しに行こうとするが…

「そう言えば…ブラッドって何処にいるんだろ?」

ブラッドの部屋を知らないリリアナが戸惑っていると…

「リリアナ!僕達が案内しようか?」

ナッツが飛び出して来た…続いてリードも出てくると…

「ブラッド様の部屋にか?不味くないか?」

リードの顔が曇る。

「やっぱり行くと迷惑かな?」

リリアナが迷っていると…

「そんな事無いよ!」

ナッツが必死でフォローする

「そ、そうですね!リリアナならブラッド様泣いて喜びますよ!」

リードも思わず頷く。

「じゃリリアナ…僕らと手を繋いで」

ナッツとリードが手を差し出す。

「いい?絶対に手を離しちゃ駄目だよ?闇の中で迷子にでもなったら大変だからね」

「う、うん」

リリアナが頷くと…三人は闇の中へと飛び込んで行った。
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