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しおりを挟む「リリアナ~」
ファイが休憩時間に食堂に飛び込んで来た。
「ファイ?どうしたの?」
「実は…ハク様が全然ご飯食べてくれなくて…なんか食べやすい料理作ってくんない?」
ファイが眉を下げて困った顔を見せると…
「ハク様が?うーん…何か好きな物とかあるのかな?」
「ハク様の好きな物?いや…知らない」
「えー!一緒にいるのに好きな物わからないの?」
リリアナがびっくりすると
「そんな人の好きな物なんてわからないよーリリアナはわかるの?」
「食べてる時の顔とかで好きな物わかりますよね?先輩?」
ちょうど隣にいたガルムに聞くと
「はっ?知らねーし」
「えっ?」
「じゃ!僕の好きな物は?」
ファイが自分を指さすと…
「ファイ?ファイはパン料理が好きだよね」
「えっ…」
ファイがピタッと固まると
「ファイ、どうした!」
ガルムが声をかけると…
「なんでわかるの?」
ファイがびっくりしたけど嬉しいそうに聞く
「パン料理出すといつもより嬉しそうにぴょんぴょん跳ねてるから…好きなのかなぁ…って」
「そ、そっかぁー」
自分を見ててくれた事になんだか嬉しくなっていると…
「じゃ!俺は?」
ガルムが今度は自分もと聞くと
「ガルム先輩は肉ですよね?」
リリアナがクスッと笑いながら言うと
「おっ!当たりだ!」
ガルムが驚きの顔を見せると…
「だって…ことある事に肉食いたい…って言ってますよ…」
ふふ…と笑いをこらえる。
「よし!じゃリリアナハク様の側にいてちょっと好物調べてよ!それでハク様がちゃんと食べるようなもの作ってあげてよ」
お願い!とファイが両手を合わせてリリアナに懇願すると…
「わかった!じゃお昼休憩の時にハク様の所に行ってみるよ!」
「助かるよー僕も一緒に行くからね!」
「うん、よろしくね」
ファイは手を振ると食堂を出ていった。
「リリアナ、大丈夫か?ハク様お前に当たりきついからな…」
リードが心配そうに言うと…
「あれくらい何ともないよ!それにファイのお願いを聞いてあげたいし…」
リリアナが嬉しそうに答えると
「ファイの?」
「はい、ファイ達にはずっと助けてもらってたから…少しでも役に立てるなら嬉しい…です」
そう言って嬉しいそうに笑うリリアナに…
「お前…人の事ばっかり考えてないで、自分の事も考えろよ…」
「ルーダさん…?」
ルーダはリリアナの顔も見ずに仕事へと戻って行った…。
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