25 / 125
25
しおりを挟む
リリアナがふっと目が覚めると…木の葉の間から優しい光がチラチラと見える…その奥には綺麗な青い空が広がっていた…。
(綺麗…)
思わず見とれて見つめていると…
【なるほど…リリアナは先程の奴にこき使われているんだな…】
横から聞こえる優しい声に先程自分を起こそうと呼びかけていた声がかぶる…。
首を少し動かして横を見ると…ネズミ達と真面目に話をする大きな黒い犬が目に入った…。
そのアンバランスな光景に…
「ぶっ!」
リリアナは吹き出してしまった。
リリアナの反応にブラッドがビクッとして固まっていると…リリアナがそっと起き上がる…
少しふらっとして手をつくと…心配そうにネズミと犬が寄ってきた…リリアナはネズミ達を撫でて
「心配させてごめんね…もう大丈夫だよ。君たちも大丈夫そうでよかった…犬さんが助けてくれたの?」
ネズミ達はそうだと言わんばかりに激しく上下する…その様子に笑っていると…目の前の犬に目を向ける…。
「犬さん…助けてくれてありがとう…この子達の分もお礼を言わせて…」
そう言って濡れた体を優しく撫でると…気持ちよさそうに目を細める…。
「犬さんはなんて名前なの?良けば名前を教えて?いつまでも犬さんじゃ…寂しいな…」
そう言って眉毛を下げると…
【…ブラッド…】
「えっ?」
【ブラッドだ…】
ブラッドはふいっと横を向く…。
「ブラッドか…ブラッドさんありがとう」
リリアナがニッコリと笑って礼を言うと…
【ブラッドでいい…】
「なら私はリリアナだよ。ブラッドよろしくね」
リリアナは、立ち上がると…家の中からタオルを取ってきて…ブラッドの体を拭き始めた。
【俺は大丈夫だ、それよりもお前が拭け】
「お前じゃなくてリリアナ!」
【…わかった…リリアナ、ちゃんと自分を拭くんだ】
「ふふ…ブラッドはやっぱり優しいね…思ってた通りだ…」
リリアナは嬉しそうにブラッドを拭くとそのままネズミ達も優しく拭く。
「君たちももう捕まらないようにね…出来ればこの家じゃない所に行きなね…」
寂しそうに笑って言うと…ネズミ達は顔を見合わせていた…。
【おま…リリアナは俺が喋ってる事を変だとは思わないのか?】
「えっ?…そうだね…でもずっとブラッドがおしゃべり出来たらいいなぁって思ってたからそれに絶対私の言ってる事わかってるって思ってた!ブラッドは顔に出過ぎだよ」
そう言って顔を覗き込まれる。
【フンっ】
「そうそう!そうやって恥ずかしがると横を向くところとかね」
リリアナに愛おしいそうに撫でられて居心地が悪くなる…
【…ほら…さっさと飯の用意を始めた方がいいんじゃないか?】
ブラッドに言われてハッと気がつくと…リリアナは慌てて家に走って行った…が途中で振り返り…
「ブラッド!またね~」
そう言って後ろを向いて走りながら手を振る…
【あ、危なっかしいなぁ…】
ブラッドは今にも転びそうなリリアナにハラハラしていると…
「きゃっ!」
案の定尻もちを着いた。
ブラッドが立ち上がるが…
「あははー大丈夫だよ!」
リリアナは直ぐに立ち上がり家の中に入っていってしまった。
【…助けてって一言言えばいいものを…】
ブラッドはまたいつもの位置に寝転ぶと…リリアナの気配を無意識に探っていた…。
(綺麗…)
思わず見とれて見つめていると…
【なるほど…リリアナは先程の奴にこき使われているんだな…】
横から聞こえる優しい声に先程自分を起こそうと呼びかけていた声がかぶる…。
首を少し動かして横を見ると…ネズミ達と真面目に話をする大きな黒い犬が目に入った…。
そのアンバランスな光景に…
「ぶっ!」
リリアナは吹き出してしまった。
リリアナの反応にブラッドがビクッとして固まっていると…リリアナがそっと起き上がる…
少しふらっとして手をつくと…心配そうにネズミと犬が寄ってきた…リリアナはネズミ達を撫でて
「心配させてごめんね…もう大丈夫だよ。君たちも大丈夫そうでよかった…犬さんが助けてくれたの?」
ネズミ達はそうだと言わんばかりに激しく上下する…その様子に笑っていると…目の前の犬に目を向ける…。
「犬さん…助けてくれてありがとう…この子達の分もお礼を言わせて…」
そう言って濡れた体を優しく撫でると…気持ちよさそうに目を細める…。
「犬さんはなんて名前なの?良けば名前を教えて?いつまでも犬さんじゃ…寂しいな…」
そう言って眉毛を下げると…
【…ブラッド…】
「えっ?」
【ブラッドだ…】
ブラッドはふいっと横を向く…。
「ブラッドか…ブラッドさんありがとう」
リリアナがニッコリと笑って礼を言うと…
【ブラッドでいい…】
「なら私はリリアナだよ。ブラッドよろしくね」
リリアナは、立ち上がると…家の中からタオルを取ってきて…ブラッドの体を拭き始めた。
【俺は大丈夫だ、それよりもお前が拭け】
「お前じゃなくてリリアナ!」
【…わかった…リリアナ、ちゃんと自分を拭くんだ】
「ふふ…ブラッドはやっぱり優しいね…思ってた通りだ…」
リリアナは嬉しそうにブラッドを拭くとそのままネズミ達も優しく拭く。
「君たちももう捕まらないようにね…出来ればこの家じゃない所に行きなね…」
寂しそうに笑って言うと…ネズミ達は顔を見合わせていた…。
【おま…リリアナは俺が喋ってる事を変だとは思わないのか?】
「えっ?…そうだね…でもずっとブラッドがおしゃべり出来たらいいなぁって思ってたからそれに絶対私の言ってる事わかってるって思ってた!ブラッドは顔に出過ぎだよ」
そう言って顔を覗き込まれる。
【フンっ】
「そうそう!そうやって恥ずかしがると横を向くところとかね」
リリアナに愛おしいそうに撫でられて居心地が悪くなる…
【…ほら…さっさと飯の用意を始めた方がいいんじゃないか?】
ブラッドに言われてハッと気がつくと…リリアナは慌てて家に走って行った…が途中で振り返り…
「ブラッド!またね~」
そう言って後ろを向いて走りながら手を振る…
【あ、危なっかしいなぁ…】
ブラッドは今にも転びそうなリリアナにハラハラしていると…
「きゃっ!」
案の定尻もちを着いた。
ブラッドが立ち上がるが…
「あははー大丈夫だよ!」
リリアナは直ぐに立ち上がり家の中に入っていってしまった。
【…助けてって一言言えばいいものを…】
ブラッドはまたいつもの位置に寝転ぶと…リリアナの気配を無意識に探っていた…。
1
お気に入りに追加
3,751
あなたにおすすめの小説
[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。
ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい
えーー!!
転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!!
ここって、もしかしたら???
18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界
私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの???
カトリーヌって•••、あの、淫乱の•••
マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!!
私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い••••
異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず!
だって[ラノベ]ではそれがお約束!
彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる!
カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。
果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか?
ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか?
そして、彼氏の行方は•••
攻略対象別 オムニバスエロです。
完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。
(攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
R18、アブナイ異世界ライフ
くるくる
恋愛
気が付けば異世界。しかもそこはハードな18禁乙女ゲームソックリなのだ。獣人と魔人ばかりの異世界にハーフとして転生した主人公。覚悟を決め、ここで幸せになってやる!と意気込む。そんな彼女の異世界ライフ。
主人公ご都合主義。主人公は誰にでも優しいイイ子ちゃんではありません。前向きだが少々気が強く、ドライな所もある女です。
もう1つの作品にちょいと行き詰まり、気の向くまま書いているのでおかしな箇所があるかと思いますがご容赦ください。
※複数プレイ、過激な性描写あり、注意されたし。
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
気付いたら異世界の娼館に売られていたけど、なんだかんだ美男子に救われる話。
sorato
恋愛
20歳女、東京出身。親も彼氏もおらずブラック企業で働く日和は、ある日突然異世界へと転移していた。それも、気を失っている内に。
気付いたときには既に娼館に売られた後。娼館の店主にお薦め客候補の姿絵を見せられるが、どの客も生理的に受け付けない男ばかり。そんな中、日和が目をつけたのは絶世の美男子であるヨルクという男で――……。
※男は太っていて脂ぎっている方がより素晴らしいとされ、女は細く印象の薄い方がより美しいとされる美醜逆転的な概念の異世界でのお話です。
!直接的な行為の描写はありませんが、そういうことを匂わす言葉はたくさん出てきますのでR15指定しています。苦手な方はバックしてください。
※小説家になろうさんでも投稿しています。
【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件
百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。
そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。
いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。)
それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる!
いいんだけど触りすぎ。
お母様も呆れからの憎しみも・・・
溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。
デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。
アリサはの気持ちは・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる