上 下
7 / 125

7

しおりを挟む
「素晴らしい料理ですね!」

ルシファーが料理を絶賛しながら美味しそうに食べている!

「こんな美味しい料理、初めて食べました…是非とも作った方を呼んで頂きたい」

「えっ?」

ビーズが顔を顰めると…

「素晴らしい料理のお礼が言いたいのです」

「…これは…私が作りましたの…」

「お母様!」

「ずるい!ルシファー様私も手伝いましたのよ!」

モスがここぞとばかりにアピールすると…

「素晴らしい…こんなに美しい方達が…料理も作れるとは…」

ルシファーが驚くと、ビーズ達は笑っている。

「これは…どのように作ったのですか?是非とも教えて頂きたいです」

「「「えっ?」」」

「このパイのミルヒィーユはどうやって作るのですか?」

「こ、これは…モスが作ったのよね?」

ビーズがモスを見ると…

「い、いえ…これはビルデよね?」

「わ、私?えっっと…これは…リリ…」

「ビルデ!」

ビーズが急に大きな声を出す。

「あっ…すみません…はしたない所を…」

「…いえ…私の方こそ失礼しました…あまりにも美味しくて…あなた達の料理も素晴らしいが…どうしてもこの料理を作った人に会いたいんだ…どうか連れてきてくれないかな?」

ビーズの手を取るとゆっくりと手の甲を親指で撫でる…

じっと目を見つめると…

「わ、わかりました…」

ふらっと立ち上がり部屋を出ていった…

「お母様…リリアナを連れて来るのかしら…」

「嫌だわ…お母様ったら何を考えてるの…」

娘達はボソボソと話していると…

「それにしても…お母様も美しいが…あなた達もとてもお綺麗ですね」

ルシファーが二人を見つめてニッコリと笑う。

「きっと…お声がもうかかっているのでしょう?」

「「いえ!」」

「確かにたまに声はかけられますが!ルシファー様に比べたら月とスッポン!いつでも切り捨てますわ!」

「そんなに相手いないくせに!私はルシファー様しか見ていません!そんな人いた事もありませんわ!」

「それは…嬉しいです」

ルシファーが笑っているのを二人は母親の事もリリアナの事も忘れてうっとりとしていた…。


ガッチャン!

リリアナの部屋の扉が開くと…ビーズが入ってくる…

「リリアナ…お客様が料理の事を聞きたいそうよ…支度をしなさい」

「えっ…支度?」

「これを着なさい!」

そう言って投げたのは汚い男性物の服だった…

「髪も切りなさい!短く、お前は男としてお客様の前に出るのよ!」

「男…」

「早くなさい!」

リリアナは言われるがまま…男の服に着替えると…

「あとは髪の毛ね…」

ビーズはリリアナの髪を掴むと雑にどんどん切っていく…

「あっ…」

リリアナは自分の髪を切られていくのを愕然と見ていた…。

「まぁ…この位でいいかしら…」

ざっくばらんに切られた髪が床に広がっている…

(リリアナの髪が…)

(あのふわふわでいい匂いがする髪が…)

二匹が唖然と見つめるその先には目に光を無くしたリリアナが立っていた…。

(リリアナ…)

「さあ行くわよ!いい!余計な事は何も喋らないのよ!もし…喋ったりでもしたら…この近くにいる動物達を殺すからね…」

「えっ…」

「知らないとでも思ったの?あなたがいつも餌をやってる汚い獣達の事よ!」

「そ、そんな…」

「嫌なら変な事はしないで頂戴ね!」

「わかりました!何も言いませんから!」

リリアナの様子に満足そうに頷くとリリアナを連れてルシファーの元に向う。

「お待たせ致しました…ルシファー様この者が今日料理を手伝った者ですの…ただこのように身なりも汚くて…直ぐに引っ込めますから」

そう言ってリリアナをシッシッと奥にやろうとすると…

「ちょっとお話を聞かせてもらえないかな?」

ルシファーがビーズに声をかける。

「見たところ…男性のようだね、別に話を聞いても構わないだろ?」

リリアナの事を女性と認識されていないことにホッとしたビーズは渋々了承する…。

ルシファーはニッコリと笑うと…目の前で怯えている男の子に声をかけた…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。

ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい えーー!! 転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!! ここって、もしかしたら??? 18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界 私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの??? カトリーヌって•••、あの、淫乱の••• マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!! 私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い•••• 異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず! だって[ラノベ]ではそれがお約束! 彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる! カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。 果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか? ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか? そして、彼氏の行方は••• 攻略対象別 オムニバスエロです。 完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。 (攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)   

淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語

瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。 長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH! 途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

R18、アブナイ異世界ライフ

くるくる
恋愛
 気が付けば異世界。しかもそこはハードな18禁乙女ゲームソックリなのだ。獣人と魔人ばかりの異世界にハーフとして転生した主人公。覚悟を決め、ここで幸せになってやる!と意気込む。そんな彼女の異世界ライフ。  主人公ご都合主義。主人公は誰にでも優しいイイ子ちゃんではありません。前向きだが少々気が強く、ドライな所もある女です。  もう1つの作品にちょいと行き詰まり、気の向くまま書いているのでおかしな箇所があるかと思いますがご容赦ください。  ※複数プレイ、過激な性描写あり、注意されたし。

【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。

三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。 それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。 頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。 短編恋愛になってます。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

気付いたら異世界の娼館に売られていたけど、なんだかんだ美男子に救われる話。

sorato
恋愛
20歳女、東京出身。親も彼氏もおらずブラック企業で働く日和は、ある日突然異世界へと転移していた。それも、気を失っている内に。 気付いたときには既に娼館に売られた後。娼館の店主にお薦め客候補の姿絵を見せられるが、どの客も生理的に受け付けない男ばかり。そんな中、日和が目をつけたのは絶世の美男子であるヨルクという男で――……。 ※男は太っていて脂ぎっている方がより素晴らしいとされ、女は細く印象の薄い方がより美しいとされる美醜逆転的な概念の異世界でのお話です。 !直接的な行為の描写はありませんが、そういうことを匂わす言葉はたくさん出てきますのでR15指定しています。苦手な方はバックしてください。 ※小説家になろうさんでも投稿しています。

【R18】魔法使いの弟子が師匠に魔法のオナホで疑似挿入されちゃう話

紅茶丸
恋愛
魔法のオナホは、リンクさせた女性に快感だけを伝えます♡ 超高価な素材を使った魔法薬作りに失敗してしまったお弟子さん。強面で大柄な師匠に怒られ、罰としてオナホを使った実験に付き合わされることに───。というコメディ系の短編です。 ※エロシーンでは「♡」、濁音喘ぎを使用しています。処女のまま快楽を教え込まれるというシチュエーションです。挿入はありませんがエロはおそらく濃いめです。 キャラクター名がないタイプの小説です。人物描写もあえて少なくしているので、好きな姿で想像してみてください。Ci-enにて先行公開したものを修正して投稿しています。(Ci-enでは縦書きで公開しています。) ムーンライトノベルズ・pixivでも掲載しています。

処理中です...