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しかし当然の如く私の体は光っていない。

しかし美琴ちゃんが言うには私の体はほんのりと光っていて面接をした時にもそれを感じ、ミーちゃんの存在にも気がついている感じだったので合格にしたらしい。

「だって前の人は私の事嘘つきって言ったりお父さんの事ばっかり聞いてきたり……それに臭いし」

「そうなの?」

「うん、お父さんってかっこいいでしょ?だからすごいモテるの。従業員の張り紙出した時も凄かったんだよ!みんな働きたいって……募集一人なのに十人くらい集まったの」

「すごっ……」

でもわかる気がする。
準一さんは優しくて素敵で料理も美味いし。

うんうんと納得する。

「みんなお父さんの気を引こうと色々するけど、お父さんってアレでしょ。みんなの気持ちに一切気が付かないでスルーするからそのうちみんなどんどんアピールがすごくなって……最後には私にどうにかしろって言ってくるの……」

「酷いね」

小学生にそんな事頼むなんてどうかしてる。

私は美琴ちゃんが可哀想になってしまった。

「でも私もお父さんには幸せになって欲しいから、だから私の事を受け入れてくれる優しい人ならいいかなって……それでミーちゃんが見えるか試したら……」

その後の美琴ちゃんの悲しそうな顔になんとなく想像できた。

「うん、もういいよ」

「だから結奈さんが来た時は驚いたの、お父さんがまた懲りずに女の人にお願いされて雇った人かと思って、でも結奈さん見た時になんかすごく安心する気がしたんだ」

「そうなんだ、でも自分が光ってるなんて知らなかったよ」

鏡で自分を見るがやはりいつも通り地味な自分が見えるだけだった。

「結奈さんは素敵だよ、仕事も一生懸命だし……結奈さんならお父さんあげる!」

美琴ちゃんの言葉に一瞬驚くがすぐに笑った。

「ありがとう、でも準一さんはこんな小娘相手にしないよ」

「でも……」

「大丈夫、準一に相手にされなくてもこのお店も美琴ちゃんも大好きだからここで働かせてください」

「うん!でもいつでも私お手伝いするからね」

「ありがとう」

私はこの時、美琴ちゃんのお手伝いはお店の事だと思っていた。



その日から美琴ちゃんは私にすごく懐くようになった。

可愛い美琴ちゃんに懐かれて私も悪い気はしない。
なんか可愛い妹が出来たようで嬉しかった。

しかも同じ幽霊が見える立場から何か見えても隠したりしないで本音で話せる。

そんな相手がいることが本当にありがたい存在なのだと感じていた。

「本当はお父さんにも信じて欲しいんだけど……」

美琴ちゃんはそんな事をポツリと漏らした。

「準一さんなら信じてくれるんじゃない?」

「でも結奈さんの親は信じてくれなかったんでしょ?」

「うーん……」

そう言われるとなんとも答えられなくなる。

「うちの親はそういうのを一切信じてなくてね……それに厳格な人達だったから」

準一さんなら信じてくれなくても頭ごなしに否定しようとはしない気がした。

私はそうであったら……と願っていた。
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