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2.すれ違い
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「お食事をどうぞ」
「ありがとうございます」
果実酒を飲んでいると程なく料理が運ばれてきた。
一口で食べられるオードブルにこれまた軽く食べられるサンドイッチだった。
美味しそうな見た目に見た途端にお腹がさらに空いてくる。
じっと見ていると隣からクスッと笑い声がした。
ハッとして横を見るとアーサー様は微笑んでいる。
「食べていいぞ」
「い、いえ、アーサー様からどうぞ」
私は手をギュッと握って待てをした。
アーサー様は仕方ないと一つ手に取ると私の方へとわざわざ見せにくる。
目の前まで美味しそうな料理を見せられると…
「ほら、口を開けろ」
「へ?」
驚いて変な声で口が半開きになるとそこに料理を入れられた。
「ファヒイフォ!」
もぐもぐもぐ…
「美味しい!」
文句も忘れて美味しい味に驚いてしまう。
パーティ会場の料理も美味しかったがアーサー様の出してくれた料理の方が美味しく感じた。
「だろう、クロエもルークも料理が上手いんだ」
アーサー様は自分の事のように誇らしくした。
クロエさんとはメイドさん、ルークさんは従者の方の名前のようだ。
「本当に美味しいです。教えて貰いたいぐらい!」
あまりの美味しさに笑って二人の顔を見た。
「「ありがとうございます」」
二人は嬉しそうに頭を下げる。
「ソフィア様がアーサー様の伴侶になられたら何時でもお教えしますよ」
ルークさんが笑っていう。
「なっ!なっ!」
「あはは!ルークさんたら冗談を!」
なんかアーサー様が慌てていたが私はルークさんの冗談に笑ってしまった。
「冗談ではありませんが…では私達はこの辺で部屋に戻っております。アーサー様明日は何時頃にお迎えに参りましょうか?」
ルークさんがアーサー様と明日の事で話を始めたので私はこの隙に料理に手を伸ばした。
美味しー!
もう味わえないかもしれないので恥を捨てて黙々と食べだした。
「全く…」
アーサー様が戻ってくると…
「アーサー様!早く食べましょう!これすっごく美味しいです!」
頬を膨らませてアーサー様を呼んだ。
「ん?なんかソフィア嬢顔が赤くないか?」
「えー?お風呂上がりだからですかねー」
そう言ってごくごくと果実酒をなみなみ注いで飲み干した。
「待て!まさかそれで酔ったのか?」
「まさか、こんなので酔いませんよ」
ソフィアはクスクスと笑うとアーサー様の顔が今度は赤くなった。
「あれ?アーサー様も顔が赤いです~もしかして酔ったんですかー?」
近づいて顔を覗き込むとアーサー様の顔がさらに赤くなった。
「近い…」
グイッと後ろに体を離されると私はストンとソファーに腰掛けた。
「ほら、アーサー様も飲みましょう」
果実酒をアーサー様のグラスに注ぐとアーサー様がいい飲みっぷりでそれを空にした。
※※※※
しまった…
私は痛む頭を抱えた。
あの時の記憶が残っていた…
私は見事に果実酒で酔っていた。
美味しさに止まらなくなりその後二人で何本も果実酒を空けてしまっていた。
そして…
かぁー!
夜の事を思い出し顔が真っ赤になる。
酔っ払った私とアーサー様はそのまま色々な話をして意気投合して…そのまま…体も統合した。
ヒリヒリと痛むあそこにそれは夢で無かったと言われてる気かする。
「はっ!」
ゆっくりしてる場合じゃない!
私はヨロヨロっと立ち上がると浴室を借りて汗を流し乾いていた自分のドレスに急いで着替えた。
そしてアーサー様に手紙を残す。
『今日の事は二人だけの秘密に』
アーサー様がお酒の力で下っ端令嬢を抱いたなど噂などたったら大変だ。
私など相手にしないなどわかっている。
昨日の飲み明かした瓶の下にそっと手紙を置いた。
よく寝ているアーサー様の近くにいき最後にその寝顔をじっと見つめる。
昨晩は頬を赤らめ熱っぽく自分を求めてくれた。でもそれは酒の力だ。
私は自分の中に芽生えた恋心をグッと押し込め「さよなら」と声をかけてそっと部屋を出ていった。
「ん…ソフィア…愛してる」
その後のアーサーの呟きをソフィアは聞くことはなかった。
「ありがとうございます」
果実酒を飲んでいると程なく料理が運ばれてきた。
一口で食べられるオードブルにこれまた軽く食べられるサンドイッチだった。
美味しそうな見た目に見た途端にお腹がさらに空いてくる。
じっと見ていると隣からクスッと笑い声がした。
ハッとして横を見るとアーサー様は微笑んでいる。
「食べていいぞ」
「い、いえ、アーサー様からどうぞ」
私は手をギュッと握って待てをした。
アーサー様は仕方ないと一つ手に取ると私の方へとわざわざ見せにくる。
目の前まで美味しそうな料理を見せられると…
「ほら、口を開けろ」
「へ?」
驚いて変な声で口が半開きになるとそこに料理を入れられた。
「ファヒイフォ!」
もぐもぐもぐ…
「美味しい!」
文句も忘れて美味しい味に驚いてしまう。
パーティ会場の料理も美味しかったがアーサー様の出してくれた料理の方が美味しく感じた。
「だろう、クロエもルークも料理が上手いんだ」
アーサー様は自分の事のように誇らしくした。
クロエさんとはメイドさん、ルークさんは従者の方の名前のようだ。
「本当に美味しいです。教えて貰いたいぐらい!」
あまりの美味しさに笑って二人の顔を見た。
「「ありがとうございます」」
二人は嬉しそうに頭を下げる。
「ソフィア様がアーサー様の伴侶になられたら何時でもお教えしますよ」
ルークさんが笑っていう。
「なっ!なっ!」
「あはは!ルークさんたら冗談を!」
なんかアーサー様が慌てていたが私はルークさんの冗談に笑ってしまった。
「冗談ではありませんが…では私達はこの辺で部屋に戻っております。アーサー様明日は何時頃にお迎えに参りましょうか?」
ルークさんがアーサー様と明日の事で話を始めたので私はこの隙に料理に手を伸ばした。
美味しー!
もう味わえないかもしれないので恥を捨てて黙々と食べだした。
「全く…」
アーサー様が戻ってくると…
「アーサー様!早く食べましょう!これすっごく美味しいです!」
頬を膨らませてアーサー様を呼んだ。
「ん?なんかソフィア嬢顔が赤くないか?」
「えー?お風呂上がりだからですかねー」
そう言ってごくごくと果実酒をなみなみ注いで飲み干した。
「待て!まさかそれで酔ったのか?」
「まさか、こんなので酔いませんよ」
ソフィアはクスクスと笑うとアーサー様の顔が今度は赤くなった。
「あれ?アーサー様も顔が赤いです~もしかして酔ったんですかー?」
近づいて顔を覗き込むとアーサー様の顔がさらに赤くなった。
「近い…」
グイッと後ろに体を離されると私はストンとソファーに腰掛けた。
「ほら、アーサー様も飲みましょう」
果実酒をアーサー様のグラスに注ぐとアーサー様がいい飲みっぷりでそれを空にした。
※※※※
しまった…
私は痛む頭を抱えた。
あの時の記憶が残っていた…
私は見事に果実酒で酔っていた。
美味しさに止まらなくなりその後二人で何本も果実酒を空けてしまっていた。
そして…
かぁー!
夜の事を思い出し顔が真っ赤になる。
酔っ払った私とアーサー様はそのまま色々な話をして意気投合して…そのまま…体も統合した。
ヒリヒリと痛むあそこにそれは夢で無かったと言われてる気かする。
「はっ!」
ゆっくりしてる場合じゃない!
私はヨロヨロっと立ち上がると浴室を借りて汗を流し乾いていた自分のドレスに急いで着替えた。
そしてアーサー様に手紙を残す。
『今日の事は二人だけの秘密に』
アーサー様がお酒の力で下っ端令嬢を抱いたなど噂などたったら大変だ。
私など相手にしないなどわかっている。
昨日の飲み明かした瓶の下にそっと手紙を置いた。
よく寝ているアーサー様の近くにいき最後にその寝顔をじっと見つめる。
昨晩は頬を赤らめ熱っぽく自分を求めてくれた。でもそれは酒の力だ。
私は自分の中に芽生えた恋心をグッと押し込め「さよなら」と声をかけてそっと部屋を出ていった。
「ん…ソフィア…愛してる」
その後のアーサーの呟きをソフィアは聞くことはなかった。
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