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28.スキル

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この日からイブさん達によるメイドの勉強が始まった。

「いついかなる時もリムド様のおそばにいてください。何か要求されたらノーとは言わずに可能な限りお答えして下さい」

私は携帯アプリのnanazonで取り寄せたノートとボールペンを持ってイブさんの言う事をノートに書き写した。

「アヤカ様…それはなんですか?」

ローさんとランさんが興味深そうにノートとペンを見つめる。

「ん?これ?ノートとペンだよ」

「ノート…紙を束ねた物ですね…しかし綺麗ですね。そのペンも不思議な形をしています」

「欲しいならあげるよ。何冊か束で取り寄せたからまだまだあるし」

アヤカはノートをイブさん達に一冊ずつあげるとボールペンも一本渡す。

「この上の部分を押すと芯が出てくるよ、も一度押すと芯が引っ込むから書けなくなるの」

カチャカチャと見本をみせる。

「凄い書きやすいです!この紙サラサラのツルツルです!」

ローさんがノートに頬擦りしている、なんか気に入ってくれたみたいで良かった。

「アヤカ様…これはどこで手に入れたのですか?人の国とはこの様な物を売っているのですか?」

「あっ…と、これは…ごめんなさいなんて言えばいいのか…」

アヤカが言い淀むと

「申し訳ございません、言い難いことを聞いてしまいましたね。しかしこれはとても貴重な商品のようです。あまり人前に出さない方がよろしいかと…」

「えっ…そうか…うんわかった」

アヤカは素直に頷くとノートをアプリに閉まった。

「「「えっ!」」」

突然消えたノートに三人が固まる。

「あれ?これも不味かったか…な?」

三人を見ると

「アヤカ様はもしかして魔法が使えるのですか?人間なのに?」

「あっ!そっか魔法は魔族しか使えないんだっけ?」

「はい…人は使えないものと思っていました…」

「私のは魔法じゃないんだよね~チート機能?スキルって感じかな」

「よくわかりませんが…やはりあまり人前で見せない方がよろしいですね…クランプ様などにバレたらいいように使われてしまいますよ」

「リムド様に言えば大丈夫じゃないですか?」

「そうですね…この事は早めにリムド様には伝えておいた方がよろしいかと…リムド様ならアヤカ様が困る様な事はしないと思いますから…勉強はまた後ほどにしてリムド様の元に向かいましょう」

「えっ…この格好で?」

アヤカはイブさん達と同じメイドの格好に着替えていた。

「なんか恥ずかしいな…」

「大丈夫です。大変お似合いですからリムド様もお喜びになりますよ」

「別にリムドの為に着たわけじゃないけど…」

気はずかしくなり行くのを躊躇っているとイブさん達が引っ張りながらリムドの部屋へと向かった。
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