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「チッ…」
充がふくとまると部屋で寝ていると隣の屋根から屋敷を見下ろす視線があった。
鋭い視線は充をじっと見つめる…
苦々しげに舌打ちするとスっと屋根から降りてどこかへと消えていった。
そんな視線に気づくことなく充達は楽しそうに遊んでいた。
数日後充は朝からお弁当を作っていた。
「よし!じゃあお弁当も出来たし藤野さん家に行こうぜ、可愛い子猫が居るんだよ」
「「にゃー」」
二人が少し不満そうに鳴くが充は子猫の様子が気になりそれどころではなかった。
「あっでも子猫が家に慣れるまであんまりふく達は行かない方がいいかな?」
「いや、大丈夫だろ。ふく達は普通の猫とは違うからな。ふく達やその子猫にもいい勉強になるんじゃないか?」
ゼンさんが嬉しそうに充の作ったお弁当を受け取って教えてくれる。
今日は出かけるのでみんなのご飯もお弁当にしておいた。
人数分のお弁当を作るのはそれはそれで楽しかった。
色んなおかずを作ってお弁当箱へ詰める。
ゼンさんは中身が気になるのかクンクンと匂いを嗅いでいた。
「これは…卵焼きにウインナー…それに肉団子か?」
ブツブツと中身の予想をたてているがそれがほとんどあっていることにびっくりした。
お弁当に夢中になってしまったゼンさんはほっといてふく達に話をしようと屈んだ。
「ふく達子猫に色々教えてやってくれるか?お前達の方がお姉ちゃんなんだからな」
充が聞くと二人は顔を見合わせると「「にゃー!!」」元気に声をあげた。
「お姉ちゃん」と言う言葉に気分が上がったようだ。
充はふく達にハーネスを付ける。
猫で出かける日の為に買っておいたのだ、寅吉さんには許可をとりふく達にもつけていいか聞いたら二人がいいなら大丈夫との事だった。
「どうだ?気持ち悪いかな?」
ふく達は少し違和感があるのかカリカリと後ろ足でハーネスをかいていた。
「でも可愛いぞーすごく似合う!」
充は可愛い二人を目一杯褒めた。
「にゃ?」
「にゃー」
すると二人も満更ではなさそうにピンと背筋を伸ばしている。
「外に行く時は危ないから少しだけ我慢してくれな」
「「にゃー!」」
仕方ないと言う様子で鳴きながらもピンっと尻尾を立てて二人は先を歩きだす。
軽い足取りに気に入ってくれたみたいだと充は口を隠してクスクスと笑って紐を持っていた。
ハーネスの付いた二人はフラフラするものの遠くに行けずにいた。
その代わり何事もなく藤野さんの家に到着する。
「じゃあ二人とも行儀よくしてくれよ」
「「にゃっー!」」
それよりも早く入りたいとばかりに玄関の扉をカリカリとしている。
慌ててやめさせて充は呼び鈴を鳴らした。
「充くん、いらっしゃい。あっふくちゃんにまるちゃんも来てくれたのね」
藤野さんが嬉しそうにふく達の頭をつんつんと優しく撫でる。
「「にゃ!」」
二人はスルッと中へと入ってしまった。
「あっ、すみません!」
充がハーネスの紐を引っ張るがスルッとそれを抜け出してしまった。
「大丈夫よ、子猫はゲージに入ってるから」
藤野さんこ言葉に充はほっとした。
中へと入れてもらうとふく達は子猫の入っているゲージの前でウロウロとしている。
ゲージの中には元気に子猫が動き回っていた。
充がふくとまると部屋で寝ていると隣の屋根から屋敷を見下ろす視線があった。
鋭い視線は充をじっと見つめる…
苦々しげに舌打ちするとスっと屋根から降りてどこかへと消えていった。
そんな視線に気づくことなく充達は楽しそうに遊んでいた。
数日後充は朝からお弁当を作っていた。
「よし!じゃあお弁当も出来たし藤野さん家に行こうぜ、可愛い子猫が居るんだよ」
「「にゃー」」
二人が少し不満そうに鳴くが充は子猫の様子が気になりそれどころではなかった。
「あっでも子猫が家に慣れるまであんまりふく達は行かない方がいいかな?」
「いや、大丈夫だろ。ふく達は普通の猫とは違うからな。ふく達やその子猫にもいい勉強になるんじゃないか?」
ゼンさんが嬉しそうに充の作ったお弁当を受け取って教えてくれる。
今日は出かけるのでみんなのご飯もお弁当にしておいた。
人数分のお弁当を作るのはそれはそれで楽しかった。
色んなおかずを作ってお弁当箱へ詰める。
ゼンさんは中身が気になるのかクンクンと匂いを嗅いでいた。
「これは…卵焼きにウインナー…それに肉団子か?」
ブツブツと中身の予想をたてているがそれがほとんどあっていることにびっくりした。
お弁当に夢中になってしまったゼンさんはほっといてふく達に話をしようと屈んだ。
「ふく達子猫に色々教えてやってくれるか?お前達の方がお姉ちゃんなんだからな」
充が聞くと二人は顔を見合わせると「「にゃー!!」」元気に声をあげた。
「お姉ちゃん」と言う言葉に気分が上がったようだ。
充はふく達にハーネスを付ける。
猫で出かける日の為に買っておいたのだ、寅吉さんには許可をとりふく達にもつけていいか聞いたら二人がいいなら大丈夫との事だった。
「どうだ?気持ち悪いかな?」
ふく達は少し違和感があるのかカリカリと後ろ足でハーネスをかいていた。
「でも可愛いぞーすごく似合う!」
充は可愛い二人を目一杯褒めた。
「にゃ?」
「にゃー」
すると二人も満更ではなさそうにピンと背筋を伸ばしている。
「外に行く時は危ないから少しだけ我慢してくれな」
「「にゃー!」」
仕方ないと言う様子で鳴きながらもピンっと尻尾を立てて二人は先を歩きだす。
軽い足取りに気に入ってくれたみたいだと充は口を隠してクスクスと笑って紐を持っていた。
ハーネスの付いた二人はフラフラするものの遠くに行けずにいた。
その代わり何事もなく藤野さんの家に到着する。
「じゃあ二人とも行儀よくしてくれよ」
「「にゃっー!」」
それよりも早く入りたいとばかりに玄関の扉をカリカリとしている。
慌ててやめさせて充は呼び鈴を鳴らした。
「充くん、いらっしゃい。あっふくちゃんにまるちゃんも来てくれたのね」
藤野さんが嬉しそうにふく達の頭をつんつんと優しく撫でる。
「「にゃ!」」
二人はスルッと中へと入ってしまった。
「あっ、すみません!」
充がハーネスの紐を引っ張るがスルッとそれを抜け出してしまった。
「大丈夫よ、子猫はゲージに入ってるから」
藤野さんこ言葉に充はほっとした。
中へと入れてもらうとふく達は子猫の入っているゲージの前でウロウロとしている。
ゲージの中には元気に子猫が動き回っていた。
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