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おやすみ

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充は部屋に戻ると布団の上に二人を寝かせる。

小さく上下するお腹を優しくそっと撫でると感触が伝わったのか触れる度にゴロゴロと喉が小さく鳴る。

ふくとまるの気持ちよさそうに寝る姿に充も瞼が重くなってきた。

フカフカの布団の上で暖かい日差しに充はふく達を撫でながら一緒に眠りについてしまった。




「にゃー、にゃー」

何かを探すようなふく達の声に充は目を開けた。

しかしふく達はいない…いつも目の前にいるのにと不安になると自分があの部屋に居ないことに気がついた。

あれ?ここどこだ?

充は周りを見るとそこは前に住んでたアパートだった。

「ふく?まる?」

二人を呼ぶが何処にもいない…そうだまだここには二人はいないんだった。

というか今まで見てたのは夢?
だってこのアパートは燃えて無くなったはず…

なんか変な夢に不安になってきた。

今までの事が夢ならここにはふくとまるは居ないことになる。

充は自分のぺったんこの布団を触った。

ふく達と寝ていた布団はフカフカのお日様の香りがした。
あれが夢だったとは思えない。

毎日ふく達が部屋で暴れ回りそれを注意する…あの時はもう少し大人しくして欲しいなんて思っていたが今はその騒がしさが恋しかった。

「俺ってこんなにも寂しがりだったのか」

自分の変化に戸惑う。
前は一人でいることなんて全然平気だったのに…

自分がふく達を支えていたと思っていたが、逆にふくとまるにこんなにも支えられていたんだと気がついた。

「戻らないと…」

ふと立ち上がりあの屋敷に帰りたいと思う。
もうここは俺の家じゃない、あそこがふくとまるがまつあの家が俺の家になったんだ。

しかし部屋を出ようと思うのに動けない…

「ふく!まる!」

充は思わず二人の名前を叫んだ!

「「にゃー」」

はっ!

充は顔を舐められる感触に目を覚ました。

飛び起きるとふくとまるが心配そうに腕や足に擦り寄っている。

どうやら先に起きて眠っていた自分を起こしてくれたみたいだ。

「あれ…夢…だよな?」

充は全身に汗をかいていた。
心臓はドキドキと激しく脈打ちさっきまでの事がリアルに感じていた。


そんなボッーと一点を見つめる充に無邪気に膝に乗ったり背中に乗ったりする二人に何故かほっとする。

「気のせい…だよな」

二人の頭を撫でると「大丈夫?」と二人が首を傾げた。

可愛い仕草に笑みがこぼれる。

「まぁいいか」

二人がいることになんか安心して充はまたゴロンと寝転んだ。

すると二人が腹に乗って丸くなる。

二人の確かな温もりに充はそれを確かめるように何度も何度もその体を撫でていた。

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