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ただいま
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「ただいま!」
充が屋敷に駆け込むと…ガバッ!と毛玉が顔に飛び込んできた。
「うわっ!」
その勢いにそのままひっくり返ってしまう!
頭を打つ…とギュッと目を瞑り飛び込んできた毛玉を抱きしめた。
ぽさっ!
するとふわふわの物がクッションになって痛くない。
恐る恐る目を開くと案の定毛玉はふくとまるで耳をペタンと伏せて上目遣いに顔を見ていた。
「危ないなぁ」
そうは思いながらも飛び込んで来るほど帰りを喜んでくれた事に嬉しくもなり怒れなかった。
「おい、そろそろ退いてくれないか?」
倒れ込んだ地面から声がする、慌てて立ち上がるとゼンさんが地面に座り込んでいた。
どうやら倒れる充をゼンさんが下敷きになって受け止めてくれたようだ。
「ゼンさんありがとうございます」
充は手を差し出してゼンさんを起き上がらせた。
「充が帰ってきてくれてよかった、もうふく達の世話は大変で…」
「え?だってこの時間ならお昼寝しててもおかしくないのに」
充は時間を確認する。
「それがなかなか寝てくれなくてな」
ふく達は興奮した様子で充の服の匂いをクンクン嗅ぎながらウロウロと周りを回っていた。
「なんか、寝そうにありませんね。ご飯は食べましたか?」
「それが少し食欲なかった、全然食べない訳じゃないけどな」
充は早速食堂へと移動するのにふく達を抱き上げた。
腕の中でまだクンクンと服に鼻を埋めている。
「なんか臭いのかな?」
充は自分の匂いを嗅いでみるがそんな変な匂いはしなかった。
食堂に行くと二人に用意したご飯が少し残っている。
「美味しくなかったのかな?」
充は残念そうに残ったご飯を手に取っていると…「「にゃー!」」二人がおろせと腕の中で暴れだした。
「わっ!危ないぞ」
お皿を置いて二人を下ろすとすぐに変化した。
「たべる!」
「おなかへった!」
二人は残りを今食べると席に座る。
「え?お腹いっぱいで残したんじゃないのか?」
「たべるのー」
早くと二人に急かされて温め直して置いてやるとすごい勢いで食べだした。
「なんだ?」
充がわけが分からないと首を傾げてご飯を食べる二人を見ていた。
「きっと充がいないから食欲もなかったんだろ。帰ってきてほっとしてお腹が空いたんだろ」
ゼンさんもやっと一息つけるとテーブルに座ると自分も腹が減ったという。
面倒を見てて貰ったので充は自分の分と一緒にゼンさんのご飯も用意した。
ゼンさんと話ながらご飯を食べてるとガシャンとスプーンが地面に落ちる音がした。
音の方を見ればふくとまるがご飯を少しだけ残してコクリコクリと頭を揺らしていた。
眠くなり手元が緩んでスプーンを落としたようだ。
充はスプーンを拾うと二人に寝るように促した。
「さぁご飯も食べたし昼寝をしよう、部屋まで行けるか?」
二人は返事ともならない声をあげだと思うと猫の姿に戻ってしまった。
椅子の上で丸くなってしまった。
充は二人を抱いて部屋へと連れていくことにした。
「ここは片付けておくから一緒に寝てやりな」
ゼンさんの厚意に充は礼を言って部屋を出ていった。
充が屋敷に駆け込むと…ガバッ!と毛玉が顔に飛び込んできた。
「うわっ!」
その勢いにそのままひっくり返ってしまう!
頭を打つ…とギュッと目を瞑り飛び込んできた毛玉を抱きしめた。
ぽさっ!
するとふわふわの物がクッションになって痛くない。
恐る恐る目を開くと案の定毛玉はふくとまるで耳をペタンと伏せて上目遣いに顔を見ていた。
「危ないなぁ」
そうは思いながらも飛び込んで来るほど帰りを喜んでくれた事に嬉しくもなり怒れなかった。
「おい、そろそろ退いてくれないか?」
倒れ込んだ地面から声がする、慌てて立ち上がるとゼンさんが地面に座り込んでいた。
どうやら倒れる充をゼンさんが下敷きになって受け止めてくれたようだ。
「ゼンさんありがとうございます」
充は手を差し出してゼンさんを起き上がらせた。
「充が帰ってきてくれてよかった、もうふく達の世話は大変で…」
「え?だってこの時間ならお昼寝しててもおかしくないのに」
充は時間を確認する。
「それがなかなか寝てくれなくてな」
ふく達は興奮した様子で充の服の匂いをクンクン嗅ぎながらウロウロと周りを回っていた。
「なんか、寝そうにありませんね。ご飯は食べましたか?」
「それが少し食欲なかった、全然食べない訳じゃないけどな」
充は早速食堂へと移動するのにふく達を抱き上げた。
腕の中でまだクンクンと服に鼻を埋めている。
「なんか臭いのかな?」
充は自分の匂いを嗅いでみるがそんな変な匂いはしなかった。
食堂に行くと二人に用意したご飯が少し残っている。
「美味しくなかったのかな?」
充は残念そうに残ったご飯を手に取っていると…「「にゃー!」」二人がおろせと腕の中で暴れだした。
「わっ!危ないぞ」
お皿を置いて二人を下ろすとすぐに変化した。
「たべる!」
「おなかへった!」
二人は残りを今食べると席に座る。
「え?お腹いっぱいで残したんじゃないのか?」
「たべるのー」
早くと二人に急かされて温め直して置いてやるとすごい勢いで食べだした。
「なんだ?」
充がわけが分からないと首を傾げてご飯を食べる二人を見ていた。
「きっと充がいないから食欲もなかったんだろ。帰ってきてほっとしてお腹が空いたんだろ」
ゼンさんもやっと一息つけるとテーブルに座ると自分も腹が減ったという。
面倒を見てて貰ったので充は自分の分と一緒にゼンさんのご飯も用意した。
ゼンさんと話ながらご飯を食べてるとガシャンとスプーンが地面に落ちる音がした。
音の方を見ればふくとまるがご飯を少しだけ残してコクリコクリと頭を揺らしていた。
眠くなり手元が緩んでスプーンを落としたようだ。
充はスプーンを拾うと二人に寝るように促した。
「さぁご飯も食べたし昼寝をしよう、部屋まで行けるか?」
二人は返事ともならない声をあげだと思うと猫の姿に戻ってしまった。
椅子の上で丸くなってしまった。
充は二人を抱いて部屋へと連れていくことにした。
「ここは片付けておくから一緒に寝てやりな」
ゼンさんの厚意に充は礼を言って部屋を出ていった。
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