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お手伝い

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「どうした?」

変な顔をして立ち止まる二人に充は声をかけた。

いきなりスーパーなど行って疲れてしまったのかとしゃがんで顔を覗き込んだ。

「それもつ!」

「もつ!」

二人はリュックを指さす。

「え?荷物を持ちたいのか?でも重いからな…それにふく達はお菓子持ってるだろ?」

充が大丈夫だと断ろうとする。

「でもおてつだい」

「はやくかえる」

「ああ、なるほどな。俺が荷物を持ってるから急げないと思ったんだな」

充は二人の優しさに胸が温かくなる。

「おもい?」

「だいじょぶ?」

首を傾げて心配そうに顔を覗き込んできた。

「これくらい大丈夫だから」

しかし二人は手伝いたいと首を振っている。

そこで充は比較的軽い物をリュックから取り出した。

「じゃあこれを持ってくれるか?」

二人に一つずつ持たせると、お菓子と合わさり両手で抱え込んでいた。

軽い物を選んだつもりだったが横にヨロヨロ進みがさらに遅くなる。

充はハラハラしながら二人の後をついて行く。

「大丈夫か?やっぱり俺が持とうか?」

「だいじょぶ」

「ほらまるも無理しないで渡してくれよ」

ブンブン!

嫌だと首を振る。

二人は少し歩いては休み歩いては休みを繰り返す。

「だいじょぶなの!もつから」

「みつるかるい?」

大変なのは自分なのに充は大丈夫なのかと心配される。

「ああ、二人のおかげですごく軽いよ。あっそうだ!こうすればいいんじゃないか?」

充は二人を両手で抱っこした。

「だっこ?」

「そう、俺が二人を抱っこするから二人はその荷物をしっかりと持っててくれよ。それなら二人がちゃんと持ってるだろ?」

二人は腕の中の荷物を見つめる。
確かに自分達が持ってる…そう納得したのか顔を輝かせた!

「「うん!もってる!」」

「だな!いやぁ助かるな、二人が持ってるからすごく軽くて早く歩けるよ!」

充は二人を抱えて屋敷へと早足で歩き出した。

「「きゃあ~」」

二人は急に楽になり風を感じて楽しそうに充の腕の中で騒ぎ出す。

先程の疲れは何処へやら…

しかし楽しそうな姿に充は満足だった。
自分達が歩いていないと気がつく前に屋敷へと戻ってきた。

「ただいまー」

「「ただいま」」

充が挨拶をするとふく達も真似をしている。

二人を下ろすと早速厨房へと向かった。

二人から荷物を受け取り手を洗わせる。

「いいか、外から帰ってきたら手を洗うんだぞ」

「なめる」

「ねー」

二人は手をぺろぺろと舐めようとするので慌てて止めた。

「猫の時はいいけど人の時は舐めちゃダメだよ」

「「はーい」」

よく分からないけどとりあえず返事をしてる感じだったが言う通り手を洗ってくれた。

手を拭くとソワソワと充の周りをうかがうように動き回っている。

落ち着きのない感じに声をかけると恥ずかしそうにモジモジとしだした。

「あのね…」

小さい声で耳元でコソッと呟いた。

「おかしたべてもいい?」

「あっ…そうだな」

楽しみにしていたお菓子を二人に差し出した。
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