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その夜はビクビク死ながらも賢人とイブはお互いにくっ付き合いながら眠った。
しかし少しの物音に飛び起きてしまう。
いつまた捕まるかとゆっくりと休まらなかった…
「ケント…ちゃんと寝ないと」
イブが心配するがもう二度と普通には寝れないかも知れない…
賢人はまたウトウトとしてくる…
「ごめん…イブ少し寝る」
「うん!私が見張っとくから休んで!」
賢人は棒を持って構えるイブをみて久しぶりにフッと笑った。
「ありがとな…これを持っててくれ」
賢人はイブに買い物で買ったスタンガンを渡す。
「いいか、ここは絶対に触るな…凄く痛くて怪我するからな」
スタンガンの先を指さすと持ち手を差し出して渡した。
「これは武器になる、誰か来て危害を加えるようなら躊躇うことなくこれを押し当てるんだ」
「わ、わかった…」
イブはしっかりと両手で受け取る。
「この突起がスイッチで使う時はここを上に動かすんだ。それ以外の時は下にしておけ」
「うん」
イブは言われた通りに下になってるのを確認する。
「こんなの使わせたくないが…イブに何かあるよりはいいからな…」
「わかってる。ケントは優しいから…私は大丈夫だから寝て」
イブに横にされると賢人はすぐに眠ってしまった。
ケントの寝息にイブはほっとするとケントが出した毛布をかけてやった。
しばらくはケントの寝息しか聞こえなかったが少しして人の声が遠くに聞こえた…
イブはビクッと反応して入り口で耳をすませる。
入り口は隠してあるからそう簡単に見つかることはないと思うが…もし人が入ってきたら…
イブは覚悟を決めてスタンガンを握りしめた。
「くそ!何処だ!」
「もうここら辺にはいないのかも…」
「見つけ出さないと私達もシルビオのようになるぞ」
やはり村の女達がケント達を探しに来たようだ。
イブはシルビオと聞いてハッとする。
女達の 話からシルビオは何か罰を受けたようだった。
「シルビオ…」
女達はここに気づかずに遠ざかっていく。
イブはホッとしてる震える手でスイッチを下に下ろした。
「どうしよう…」
自分達を助けてくれたシルビオのことを思って愕然とする。
「どうした?」
するとケントが起き上がってそばに近寄っていた。
「ケント!大丈夫なの?」
「ああ、少しは動けるようになった。あと一晩休んだらここから離れよう」
「う、うん…」
浮かない顔で答えるイブに賢人は顔を覗き込む。
「何かあったのか?これを持ってここにいたって事は…あいつらが来たのか?」
「でも気が付かないで遠くに行ったよ…」
「それで?なんか聞いたのか?」
「あのね…シルビオさんが…」
イブは女達が話してた言葉を伝えた。
「ふん、仲間もその仕打ちか…あいつらならやりそうだ」
賢人は関わりたくないと鼻で笑う。
「でも…シルビオさん…助けてくれたんだよ…」
「こうなったのもあの女のせいだろ」
「そうだね…私はケントについてく…」
「さぁ飯にしよう。ちゃんと食べないと明日動けなくなるぞ」
話は終わりだと料理を用意するケントにイブは何も言えずにいた。
しかし少しの物音に飛び起きてしまう。
いつまた捕まるかとゆっくりと休まらなかった…
「ケント…ちゃんと寝ないと」
イブが心配するがもう二度と普通には寝れないかも知れない…
賢人はまたウトウトとしてくる…
「ごめん…イブ少し寝る」
「うん!私が見張っとくから休んで!」
賢人は棒を持って構えるイブをみて久しぶりにフッと笑った。
「ありがとな…これを持っててくれ」
賢人はイブに買い物で買ったスタンガンを渡す。
「いいか、ここは絶対に触るな…凄く痛くて怪我するからな」
スタンガンの先を指さすと持ち手を差し出して渡した。
「これは武器になる、誰か来て危害を加えるようなら躊躇うことなくこれを押し当てるんだ」
「わ、わかった…」
イブはしっかりと両手で受け取る。
「この突起がスイッチで使う時はここを上に動かすんだ。それ以外の時は下にしておけ」
「うん」
イブは言われた通りに下になってるのを確認する。
「こんなの使わせたくないが…イブに何かあるよりはいいからな…」
「わかってる。ケントは優しいから…私は大丈夫だから寝て」
イブに横にされると賢人はすぐに眠ってしまった。
ケントの寝息にイブはほっとするとケントが出した毛布をかけてやった。
しばらくはケントの寝息しか聞こえなかったが少しして人の声が遠くに聞こえた…
イブはビクッと反応して入り口で耳をすませる。
入り口は隠してあるからそう簡単に見つかることはないと思うが…もし人が入ってきたら…
イブは覚悟を決めてスタンガンを握りしめた。
「くそ!何処だ!」
「もうここら辺にはいないのかも…」
「見つけ出さないと私達もシルビオのようになるぞ」
やはり村の女達がケント達を探しに来たようだ。
イブはシルビオと聞いてハッとする。
女達の 話からシルビオは何か罰を受けたようだった。
「シルビオ…」
女達はここに気づかずに遠ざかっていく。
イブはホッとしてる震える手でスイッチを下に下ろした。
「どうしよう…」
自分達を助けてくれたシルビオのことを思って愕然とする。
「どうした?」
するとケントが起き上がってそばに近寄っていた。
「ケント!大丈夫なの?」
「ああ、少しは動けるようになった。あと一晩休んだらここから離れよう」
「う、うん…」
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「何かあったのか?これを持ってここにいたって事は…あいつらが来たのか?」
「でも気が付かないで遠くに行ったよ…」
「それで?なんか聞いたのか?」
「あのね…シルビオさんが…」
イブは女達が話してた言葉を伝えた。
「ふん、仲間もその仕打ちか…あいつらならやりそうだ」
賢人は関わりたくないと鼻で笑う。
「でも…シルビオさん…助けてくれたんだよ…」
「こうなったのもあの女のせいだろ」
「そうだね…私はケントについてく…」
「さぁ飯にしよう。ちゃんと食べないと明日動けなくなるぞ」
話は終わりだと料理を用意するケントにイブは何も言えずにいた。
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