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告白
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「とりあえず座りましょう。話が長くなると思いますから」
ルフナ様に手を引かれてソファーへと座ると…ルフナ様がまたピッタリと隣に座った。
「ル、ルフナ嬢…ちょっと近くないかい?」
「そうですか?私達は婚約者ですよ、このくらいの距離は将来の練習と思えばいいと思います」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!君は婚約破棄に来たのではないのか?」
「婚約破棄!?王子様…私と婚約破棄したいのですか…ど、どうしよう…何か嫌われることしましたか!」
ルフナ様が見るからに慌てだした。
「そんな展開は想定してなかった…どうしましょ…今からどうにか好感度あげられないかしら…」
何かブツブツと言い出すと…
「王子様!私に至らないところがあるならおっしゃってください!なんでも直します、もしこの髪型が嫌なら切りますし色が嫌なら染めます!この顔が駄目なら…どうにか整形します!」
「いや!君の髪も顔も素敵だ!変える必要なんてない!」
思わず本音で叫んでしまった。
「まぁ!それ本当ですか!?私の顔…王子様にとって嫌ではないんですね!?」
嬉しそうに頬を赤らめて顔を触っている、その仕草さえ可愛く見えてしまった…
「ならなんの問題もありませんね!王子様これからも婚約者としてよろしくお願い致します。今日はどうしても確認をしたい事があったので来たのです。あーよかった…」
ルフナ様が安心したように胸を撫で下ろすと、もう一度私の顔をじっと見つめて納得するように微笑んだ。
これで円満?
いや、だが…やはりこの人を騙したままではいけない。
俺は王子ではないのだから…好きになった人をずっと偽り続け、愛する事など出来そうになかった。
「ルフナ様…大切なお話があります。聞いてくれますか?」
俺はルフナ様を見つめ返してその手をそっと掴んだ。
すると話していたルフナ様の口が止まり、俺の顔をじっと見つめる。
「もし…可能ならこの話はここだけに留めて頂きたい」
「はい!王子様の願いならなんでも!」
ルフナ様の素直な返しにズキっと胸が痛む…
「その王子なのだが…俺は本当の王子では無いんだ…いわゆる影武者と言う者だ…」
ニルギルすまない…これでルフナ様に騒がれたらこの国は終わってしまうかも…でも私はこのルフナ様がそんなことはしない方だと信じている。
震えそうになる手を必死に堪えてルフナ様の小さくて柔らかい手を握りしめた。
どんな言葉が返ってくるか…今どんな顔をしているか…
怖くて顔を上げられずにいると…
「はい!わかってますよ」
「え!?」
「ずっとわかってました!だって全然あの王子と私の王子様の顔違いますから!」
「気づいて……」
「もちろんです!愛する人の顔を間違えたり致しませんわ!でもよかった~あっちに王子は本当に嫌いで…どうにかあなたと一緒になりたかった…」
ルフナ様は目を潤ませながら私の手を包み込む。
「はじめてお会いした時からお慕いしております。私の王子様…」
彼女はわかっていたのか…それなら王子と私との対応の違いも納得出来る。
「他に何かお話ありますか?」
ルフナ様が可愛い首を傾げてこちらを見た…
「いや…」
俺は首を振ると…
「俺も君がずっと好きだった…」
ルフナ様の頬に手を添えて軽くその頬にキスをした。
「はああああ!!」
するとルフナ様が突然キスした頬を触って叫び出した!
「ど、どうした!?」
「推しにキス…死ねる…」
そして謎の言葉を残して気を失った。
ルフナ様に手を引かれてソファーへと座ると…ルフナ様がまたピッタリと隣に座った。
「ル、ルフナ嬢…ちょっと近くないかい?」
「そうですか?私達は婚約者ですよ、このくらいの距離は将来の練習と思えばいいと思います」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!君は婚約破棄に来たのではないのか?」
「婚約破棄!?王子様…私と婚約破棄したいのですか…ど、どうしよう…何か嫌われることしましたか!」
ルフナ様が見るからに慌てだした。
「そんな展開は想定してなかった…どうしましょ…今からどうにか好感度あげられないかしら…」
何かブツブツと言い出すと…
「王子様!私に至らないところがあるならおっしゃってください!なんでも直します、もしこの髪型が嫌なら切りますし色が嫌なら染めます!この顔が駄目なら…どうにか整形します!」
「いや!君の髪も顔も素敵だ!変える必要なんてない!」
思わず本音で叫んでしまった。
「まぁ!それ本当ですか!?私の顔…王子様にとって嫌ではないんですね!?」
嬉しそうに頬を赤らめて顔を触っている、その仕草さえ可愛く見えてしまった…
「ならなんの問題もありませんね!王子様これからも婚約者としてよろしくお願い致します。今日はどうしても確認をしたい事があったので来たのです。あーよかった…」
ルフナ様が安心したように胸を撫で下ろすと、もう一度私の顔をじっと見つめて納得するように微笑んだ。
これで円満?
いや、だが…やはりこの人を騙したままではいけない。
俺は王子ではないのだから…好きになった人をずっと偽り続け、愛する事など出来そうになかった。
「ルフナ様…大切なお話があります。聞いてくれますか?」
俺はルフナ様を見つめ返してその手をそっと掴んだ。
すると話していたルフナ様の口が止まり、俺の顔をじっと見つめる。
「もし…可能ならこの話はここだけに留めて頂きたい」
「はい!王子様の願いならなんでも!」
ルフナ様の素直な返しにズキっと胸が痛む…
「その王子なのだが…俺は本当の王子では無いんだ…いわゆる影武者と言う者だ…」
ニルギルすまない…これでルフナ様に騒がれたらこの国は終わってしまうかも…でも私はこのルフナ様がそんなことはしない方だと信じている。
震えそうになる手を必死に堪えてルフナ様の小さくて柔らかい手を握りしめた。
どんな言葉が返ってくるか…今どんな顔をしているか…
怖くて顔を上げられずにいると…
「はい!わかってますよ」
「え!?」
「ずっとわかってました!だって全然あの王子と私の王子様の顔違いますから!」
「気づいて……」
「もちろんです!愛する人の顔を間違えたり致しませんわ!でもよかった~あっちに王子は本当に嫌いで…どうにかあなたと一緒になりたかった…」
ルフナ様は目を潤ませながら私の手を包み込む。
「はじめてお会いした時からお慕いしております。私の王子様…」
彼女はわかっていたのか…それなら王子と私との対応の違いも納得出来る。
「他に何かお話ありますか?」
ルフナ様が可愛い首を傾げてこちらを見た…
「いや…」
俺は首を振ると…
「俺も君がずっと好きだった…」
ルフナ様の頬に手を添えて軽くその頬にキスをした。
「はああああ!!」
するとルフナ様が突然キスした頬を触って叫び出した!
「ど、どうした!?」
「推しにキス…死ねる…」
そして謎の言葉を残して気を失った。
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