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安堵
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「ディーン!」
メリルは思わずディーンの元に駆け寄った。
ディーンは驚きながらもメリルをしっかりと受け止める。
「お姉様、大丈夫ですか?何かされたりしてませんか?」
心配そうに傷はついてないかと全身くまなく確認する。
「ええ、大丈夫よ。逆に私が足を踏んでやったわ!」
メリルが拳を握ってディーンに笑いかけた。
しかしその手は微かに震えていた。
「無理をしないで…後はこちらにお任せ下さい」
ジェノスはたまらずに震えるメリルの手をそっと包み込んだ。
「あ、あの…」
「あっ!すみません、震えていたので…女性にいきなり触ってしまい申し訳ないです」
ジェノスはすぐに手を離してシュンと肩を落とす。
「あれ?この方もどこかで…?」
メリルはどこだっけと眉間に皺を寄せて考える。
そしてその事で震えは止まっていた。
「ジェノス、こんなところまで…いい加減にほっといてくれ」
ライアンがジェノスに文句を言いながら睨みつけた。
「あの人と知り合いですか?」
メリルは警戒するようにジェノスから少し離れる。
「は、はい!申し遅れました。私王宮騎士のジェノスと申します…前に一度お会いしておりますが…」
ジェノスはメリルの前に膝をついてチラッと上目遣いに見つめた。
「ジェノス…様…」
メリルはライアン王子とジェノス様をみてあの日の事を思い出した。
「あっ!あのお茶会の…」
「はい!よかった…覚えててくださったんですね」
ジェノスは安堵の表情を見せる。
「でもジェノス様こそよく覚えてましたね、あの時はだいぶ違うと思いますが…」
「え、そうですか?メリル様はあの時と変わらずに可愛らしく…ってすみません!」
ジェノスはしまったと口と顔を隠した。
真っ赤になった顔を見られないように横を向いているとライアンがこのやり取りにイライラを募らせる。
「おい!なんでジェノスがその女の事を知ってるんだ!」
ライアンが一歩前に出るとジェノスはメリルの前に庇うように自分も前に出る。
「ディーン、メリル様と後ろに下がってくれ」
「ええ、そうします。お姉様行きますよ」
ディーンはメリルを大切に触れると後ろに下がらせた。
それを確認してジェノスはライアン王子に向き合った。
「ライアン、いい加減にするんだ。王宮に大人しく帰れ」
「このまま帰ったら父上に何を言われるか…もう俺は彼女を連れて帰るしかないんだよ!お前も友なら協力しろ!」
「友だと…よくもそんなことが言えるな…」
ジェノスはライアンを睨みつけた。
もう王子とは思えなかった。
「お前はもうだめだ、ちゃんと勉強し直して出直せ!誠意を見せろ!それでこそ王子だろ!すぐにここに他の兵士達がくる、素直に戻ってくれ…じゃなきゃもう本当に後戻り出来なくなるぞ」
ジェノスは友として最後の忠告をした。
「ジェノス…」
ライアンはジェノスを見つめると…キッ!と睨みつけた。
「お前なんて友じゃない!」
ライアンは近くにあった花瓶を掴むとジェノスに投げつけた。
「馬鹿野郎!」
ジェノスは剣を抜いて花瓶を切った!
すると水が飛び散って視界を一瞬奪われる。
そのすきにライアンは出口目掛けて走り出した!
そしてそこには部屋を出ようとしていたディーンとメリルがいた。
メリルは思わずディーンの元に駆け寄った。
ディーンは驚きながらもメリルをしっかりと受け止める。
「お姉様、大丈夫ですか?何かされたりしてませんか?」
心配そうに傷はついてないかと全身くまなく確認する。
「ええ、大丈夫よ。逆に私が足を踏んでやったわ!」
メリルが拳を握ってディーンに笑いかけた。
しかしその手は微かに震えていた。
「無理をしないで…後はこちらにお任せ下さい」
ジェノスはたまらずに震えるメリルの手をそっと包み込んだ。
「あ、あの…」
「あっ!すみません、震えていたので…女性にいきなり触ってしまい申し訳ないです」
ジェノスはすぐに手を離してシュンと肩を落とす。
「あれ?この方もどこかで…?」
メリルはどこだっけと眉間に皺を寄せて考える。
そしてその事で震えは止まっていた。
「ジェノス、こんなところまで…いい加減にほっといてくれ」
ライアンがジェノスに文句を言いながら睨みつけた。
「あの人と知り合いですか?」
メリルは警戒するようにジェノスから少し離れる。
「は、はい!申し遅れました。私王宮騎士のジェノスと申します…前に一度お会いしておりますが…」
ジェノスはメリルの前に膝をついてチラッと上目遣いに見つめた。
「ジェノス…様…」
メリルはライアン王子とジェノス様をみてあの日の事を思い出した。
「あっ!あのお茶会の…」
「はい!よかった…覚えててくださったんですね」
ジェノスは安堵の表情を見せる。
「でもジェノス様こそよく覚えてましたね、あの時はだいぶ違うと思いますが…」
「え、そうですか?メリル様はあの時と変わらずに可愛らしく…ってすみません!」
ジェノスはしまったと口と顔を隠した。
真っ赤になった顔を見られないように横を向いているとライアンがこのやり取りにイライラを募らせる。
「おい!なんでジェノスがその女の事を知ってるんだ!」
ライアンが一歩前に出るとジェノスはメリルの前に庇うように自分も前に出る。
「ディーン、メリル様と後ろに下がってくれ」
「ええ、そうします。お姉様行きますよ」
ディーンはメリルを大切に触れると後ろに下がらせた。
それを確認してジェノスはライアン王子に向き合った。
「ライアン、いい加減にするんだ。王宮に大人しく帰れ」
「このまま帰ったら父上に何を言われるか…もう俺は彼女を連れて帰るしかないんだよ!お前も友なら協力しろ!」
「友だと…よくもそんなことが言えるな…」
ジェノスはライアンを睨みつけた。
もう王子とは思えなかった。
「お前はもうだめだ、ちゃんと勉強し直して出直せ!誠意を見せろ!それでこそ王子だろ!すぐにここに他の兵士達がくる、素直に戻ってくれ…じゃなきゃもう本当に後戻り出来なくなるぞ」
ジェノスは友として最後の忠告をした。
「ジェノス…」
ライアンはジェノスを見つめると…キッ!と睨みつけた。
「お前なんて友じゃない!」
ライアンは近くにあった花瓶を掴むとジェノスに投げつけた。
「馬鹿野郎!」
ジェノスは剣を抜いて花瓶を切った!
すると水が飛び散って視界を一瞬奪われる。
そのすきにライアンは出口目掛けて走り出した!
そしてそこには部屋を出ようとしていたディーンとメリルがいた。
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