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狂う
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メリルはライアンが油断したところで足を思いっきりあげると踵をライアンの足に落とした。
「ぎゃ!」
ライアンが痛みに怯んだところで叫び声をあげた!
「誰かー!!」
そしてそのまま扉まで走り出す。
「この!」
ライアンは腕を伸ばしてメリルの腕を掴んだ!
「きゃっ!」
メリルはグンッと腕を引かれてバランスを崩して床に倒れ込むと足を床に打ち付けた。
「叫び声が、どうされましたか?」
しかしメリルの声に気がついた兵士が部屋へと飛び込んでくる。
「助けて!」
「動くなお前達!」
メリルが逃げ出そうとするとライアン王子は兵士達へと命令した。
「え?ライアン王子?」
兵士達は状況に混乱する。
メリル様の護衛にと声をかけられていたら部屋からの叫び声。
賊でも入ったのかと部屋に飛び込んで見れば中にはこの国の王子がいた。
「ライアン王子、なぜ女性の部屋に?それに何処から入ったのですか?」
「その人は窓から侵入してきたのよ!」
メリル様の声に窓を見れば半開きに空いた窓から風が吹き込みレースが揺れていた。
明らかに誰か侵入した形跡がある。
「一国の王子が侯爵家に侵入…お屋敷の方から約束は無いとうかがっていますが?」
兵士達はライアンに訝しげな顔を向ける。
「実は私とこの人は恋仲なんだよ…なぁ?」
ライアン王子は無理やりメリルを立たせた。
「はっ?何言ってるんですか…」
メリルはここまで自分勝手で傍若無人な態度に恐怖を通り越して怒りが湧いてくる。
王子だからと下手に出てれば一方的に自分の感情を押し付けてきて!
いくらなんでも約束も無しに侵入してきたんだから向こうが悪いに決まってる…もしそれでもこっちが罰を受けるならお父様達と絶縁してもらい家に迷惑がかからない形で逃げよう!
メリルは覚悟を決めた!
「私と恋仲ですって?なら私の名前は?歳は?好きな物は?」
メリルはライアンを睨みつけて質問を叩きつけた!
「えっと…名前は…アルフォンスで歳は一緒くらいで好きな物は…花とかだろ、所詮女は」
フンっと鼻で笑う。
「アルフォンスはファミリーネームです。名前は…お伝えしたくありません」
「な!」
「それに年齢も違いますし、花は好きですがもっと好きな物があります。ああ、あなたで無いことは確かですから」
「な、生意気な…もっと慎ましやかな女性かと…」
「勝手に人の印象押し付けないで下さい。それに先程からどれだけ失礼な事をしているかわかってますか?もしこれが国からの了承を得てやっているのであれば父に言って正式に謝罪してもらいます」
「国王は関係ない!」
ライアンは国と言われてたじろいだ。
大人しい女かと思えば急に態度が変わって強気になる。
だいたい女と言えば私の言葉に従い全てを肯定して大人しく隣にいるものでは無いのか?
ライアンは目の前で自分を睨みつける女性を見つめた。
よく見ればいつも嫌がりながら笑っている女とは違い心の底から嫌悪するような瞳に見える。
ライアンは言葉に詰まってしまった。
「ライアン!いい加減にするんだ!」
するとそこへジェノスが息を切らして追いついた。
隣には険しい顔のディーンもいる。
「お姉様!」
ディーンの顔を見てメリルはほっと胸を撫で下ろした。
「ぎゃ!」
ライアンが痛みに怯んだところで叫び声をあげた!
「誰かー!!」
そしてそのまま扉まで走り出す。
「この!」
ライアンは腕を伸ばしてメリルの腕を掴んだ!
「きゃっ!」
メリルはグンッと腕を引かれてバランスを崩して床に倒れ込むと足を床に打ち付けた。
「叫び声が、どうされましたか?」
しかしメリルの声に気がついた兵士が部屋へと飛び込んでくる。
「助けて!」
「動くなお前達!」
メリルが逃げ出そうとするとライアン王子は兵士達へと命令した。
「え?ライアン王子?」
兵士達は状況に混乱する。
メリル様の護衛にと声をかけられていたら部屋からの叫び声。
賊でも入ったのかと部屋に飛び込んで見れば中にはこの国の王子がいた。
「ライアン王子、なぜ女性の部屋に?それに何処から入ったのですか?」
「その人は窓から侵入してきたのよ!」
メリル様の声に窓を見れば半開きに空いた窓から風が吹き込みレースが揺れていた。
明らかに誰か侵入した形跡がある。
「一国の王子が侯爵家に侵入…お屋敷の方から約束は無いとうかがっていますが?」
兵士達はライアンに訝しげな顔を向ける。
「実は私とこの人は恋仲なんだよ…なぁ?」
ライアン王子は無理やりメリルを立たせた。
「はっ?何言ってるんですか…」
メリルはここまで自分勝手で傍若無人な態度に恐怖を通り越して怒りが湧いてくる。
王子だからと下手に出てれば一方的に自分の感情を押し付けてきて!
いくらなんでも約束も無しに侵入してきたんだから向こうが悪いに決まってる…もしそれでもこっちが罰を受けるならお父様達と絶縁してもらい家に迷惑がかからない形で逃げよう!
メリルは覚悟を決めた!
「私と恋仲ですって?なら私の名前は?歳は?好きな物は?」
メリルはライアンを睨みつけて質問を叩きつけた!
「えっと…名前は…アルフォンスで歳は一緒くらいで好きな物は…花とかだろ、所詮女は」
フンっと鼻で笑う。
「アルフォンスはファミリーネームです。名前は…お伝えしたくありません」
「な!」
「それに年齢も違いますし、花は好きですがもっと好きな物があります。ああ、あなたで無いことは確かですから」
「な、生意気な…もっと慎ましやかな女性かと…」
「勝手に人の印象押し付けないで下さい。それに先程からどれだけ失礼な事をしているかわかってますか?もしこれが国からの了承を得てやっているのであれば父に言って正式に謝罪してもらいます」
「国王は関係ない!」
ライアンは国と言われてたじろいだ。
大人しい女かと思えば急に態度が変わって強気になる。
だいたい女と言えば私の言葉に従い全てを肯定して大人しく隣にいるものでは無いのか?
ライアンは目の前で自分を睨みつける女性を見つめた。
よく見ればいつも嫌がりながら笑っている女とは違い心の底から嫌悪するような瞳に見える。
ライアンは言葉に詰まってしまった。
「ライアン!いい加減にするんだ!」
するとそこへジェノスが息を切らして追いついた。
隣には険しい顔のディーンもいる。
「お姉様!」
ディーンの顔を見てメリルはほっと胸を撫で下ろした。
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