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王子
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ライアンは王の間を飛び出すと厩舎に戻りすぐにまた馬を用意させる。
「早くしろ、今すぐ彼女に会いに行くんだから」
ライアンの中では彼女との出会いをどうしようかと頭がいっぱいだった。
私が迎えに行けばどんな女も顔を真っ赤にして喜んで尻尾をふる。
目を潤ませて私の顔に見とれるのだ。
きっと彼女もそうだろう、そこで俺は婚約者にならないかと提案すれば二つ返事で了承するに違いない。
ライアンはその後の事を考えるとニヤつくのを止められなかった。
「おい、まだか!?」
早く行きたくて従者を急かすが従者達は困惑顔を浮かべていた。
「陛下は駄目だと仰っていました、やはりもう一度陛下にうかがってからの方がよろしいのでは…」
「うるさい!王子の私が言うんだから大丈夫だ!さっさと用意しろ」
王子に睨まれて従者は戸惑いながら馬を用意する。
自分達も馬を用意しようとしていると…
「遅い!私は先に行く!」
ライアンはさっさと馬に跨って行ってしまった。
「ま、待ってください!」
従者達が慌てるがライアンはお構い無しだった。
ライアンは愛しのメリルに会う為に馬を走らせた。
すると少し遅れてジョルノがその場に現れる。
「ライアン王子は!」
「ジョルノ様すみません、ライアン様はアルフォンス侯爵様のお屋敷に向かわれてしまいました」
従者達は泣きそうな顔で走り去った先を指さした。
「くそ、遅かった。わかった私もすぐに向かう!お前達はこの事を陛下にご報告してくれ」
ジョルノはそう言うライアン王子の後を追いかけた。
その事アルフォンス侯爵家では…
「はぁ、はぁ!」
メリルは全速力で逃げてきてさすがに息が切れていた。屋敷に入るなり水を貰ってがぶ飲みするとソファーに座って息を整える。
するとそこにメリルの様子を聞いたディーンが慌てた様子で駆けつけた。
「お姉様大丈夫ですか!」
「ああ、ディーン大丈夫よ。少し驚いただけだから」
メリルは笑って問題無いと答えた。
まさか口いっぱいに物を頬張っていたところを人に見られたなんて言いづらい。
あの人にも悪い事をしたかもしれないがあそこはうちの屋敷の領地だから問題ないだろう。
いきなり男性に声をかけられたらそりゃ逃げるよね。
メリルは自分で無理やり納得するように言い訳をする。
「変な男がお姉様に近付いて来たんですよね?」
「違う違う、それに私に近づいてくる男性なんていないから安心して」
メリルは心配するディーンに要らぬ心配だと笑い飛ばした。
「もう、お姉様はわかってないんだから…」
ディーンはソファーでくつろぐメリルを凝視する。
その姿は痩せてさらに美しくなっていた。
もちろん前もぽっちゃりとしてそれはそれで可愛かった、今では体は引き締まり、ディーンと同じような腹筋まである。
そして顔は肉がそげ落ち大きさが一回り小さくなっていた。
そして健康的な生活を送っていたので肌艶もよく髪もサラサラでまるでお姫様のようだとディーンは思っていた。
メリルはあまり外に出たがる事をしないのでこの美貌は屋敷の中だけで留めてあったが男に見られたとなると噂が広がってしまうかもしれない。
ディーンは姉さんの無事も確認したので父にその事を報告する事にした。
「早くしろ、今すぐ彼女に会いに行くんだから」
ライアンの中では彼女との出会いをどうしようかと頭がいっぱいだった。
私が迎えに行けばどんな女も顔を真っ赤にして喜んで尻尾をふる。
目を潤ませて私の顔に見とれるのだ。
きっと彼女もそうだろう、そこで俺は婚約者にならないかと提案すれば二つ返事で了承するに違いない。
ライアンはその後の事を考えるとニヤつくのを止められなかった。
「おい、まだか!?」
早く行きたくて従者を急かすが従者達は困惑顔を浮かべていた。
「陛下は駄目だと仰っていました、やはりもう一度陛下にうかがってからの方がよろしいのでは…」
「うるさい!王子の私が言うんだから大丈夫だ!さっさと用意しろ」
王子に睨まれて従者は戸惑いながら馬を用意する。
自分達も馬を用意しようとしていると…
「遅い!私は先に行く!」
ライアンはさっさと馬に跨って行ってしまった。
「ま、待ってください!」
従者達が慌てるがライアンはお構い無しだった。
ライアンは愛しのメリルに会う為に馬を走らせた。
すると少し遅れてジョルノがその場に現れる。
「ライアン王子は!」
「ジョルノ様すみません、ライアン様はアルフォンス侯爵様のお屋敷に向かわれてしまいました」
従者達は泣きそうな顔で走り去った先を指さした。
「くそ、遅かった。わかった私もすぐに向かう!お前達はこの事を陛下にご報告してくれ」
ジョルノはそう言うライアン王子の後を追いかけた。
その事アルフォンス侯爵家では…
「はぁ、はぁ!」
メリルは全速力で逃げてきてさすがに息が切れていた。屋敷に入るなり水を貰ってがぶ飲みするとソファーに座って息を整える。
するとそこにメリルの様子を聞いたディーンが慌てた様子で駆けつけた。
「お姉様大丈夫ですか!」
「ああ、ディーン大丈夫よ。少し驚いただけだから」
メリルは笑って問題無いと答えた。
まさか口いっぱいに物を頬張っていたところを人に見られたなんて言いづらい。
あの人にも悪い事をしたかもしれないがあそこはうちの屋敷の領地だから問題ないだろう。
いきなり男性に声をかけられたらそりゃ逃げるよね。
メリルは自分で無理やり納得するように言い訳をする。
「変な男がお姉様に近付いて来たんですよね?」
「違う違う、それに私に近づいてくる男性なんていないから安心して」
メリルは心配するディーンに要らぬ心配だと笑い飛ばした。
「もう、お姉様はわかってないんだから…」
ディーンはソファーでくつろぐメリルを凝視する。
その姿は痩せてさらに美しくなっていた。
もちろん前もぽっちゃりとしてそれはそれで可愛かった、今では体は引き締まり、ディーンと同じような腹筋まである。
そして顔は肉がそげ落ち大きさが一回り小さくなっていた。
そして健康的な生活を送っていたので肌艶もよく髪もサラサラでまるでお姫様のようだとディーンは思っていた。
メリルはあまり外に出たがる事をしないのでこの美貌は屋敷の中だけで留めてあったが男に見られたとなると噂が広がってしまうかもしれない。
ディーンは姉さんの無事も確認したので父にその事を報告する事にした。
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