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美味しい!
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パクパク!
私は朝から大好きな具だくさんサンドイッチを口の中に放り込んでいた。
「メリルお嬢様、まだお食べになりますか?」
料理長のジョルノさんが美味しそうに食べる姿にニコニコと笑顔で聞いてきた。
「はい!とても美味しいからいくらでも食べられるわ、どんどん作って下さる?」
「喜んで」
ジョルノさんが待ってましたとばかりに返事をすると厨房にいそいそと早足で向かった。
「メリルは本当に美味しそうにご飯を食べるなぁ」
「ええ、見てるこっちが幸せでお腹いっぱいになるわ」
お父様とお母様が微笑みながら私がサンドイッチを平らげていくのを眺めている。
私は侯爵家の父、デービス・アルフォンスと母のコリーヌ・アルフォンスの長女として生まれた。
小さい頃から愛情いっぱいに育てられ、二人は美味しそうにご飯をたくさん食べる姿を見るのが大好きだった。
こうしてメリルはそれはそれはふくよかに育っていくことになる。
メリルの食欲は止まることなく、周りも特に幸せそうに食べるメリルを止める理由が無かったので気がつけば標準の体型の二倍ほどに成長していた。
家にはお金もあるので、服も食事も困らない。
体型が大きくなり服が着れなくなるとすぐにメイドが服を同じような服を新調してメリルは自分が太っていると自覚しないまま大きくなっていった。
そんなメリルが10歳になった年、王都主催の恒例のお茶会が開かれた。
それは王子との顔合わせの場でもあり、10歳になる令嬢達は自分が婚約者候補に選ばれるかもしれないと自分磨きをする。
娘を持つ父親はその日の為に娘に最高の装いをさせるのに必死だった。
そんな中、メリルはというとお茶会の料理が何なのかに心踊らせていた。
「お父様!お茶会ではどんな料理が出るんですか?どうやって食べるのかしら…私、立食は好きじゃないのよね」
ドーナツを両手に持ちながら心配そうに聞いている。
「そうだね、例年の通りだとテーブルに料理が沢山並んで自分で取りに行くことになるかな。立食が嫌なら座って食べれるテーブルを用意するように言っておくよ」
デービスはウキウキする私に尋ねられニコニコと答えた。
「やった!お父様ありがとうございます!」
私は大好きで甘い父に抱きついた。
もちろん先程持っていたドーナツはお腹の中にきっちりと入っている。
「メリルの可愛いお願いだ、なんて事はないよ」
デービスは私の頭を優しく撫でた。
「そう言えば料理もいいけどその日はライアン王子への挨拶も忘れないでくれよ」
「ライアン王子?」
私は誰だっけと首を傾げるとお父様の顔がクシャと崩れた。
「か、可愛い…いや、そ、そうだよ。今回のお茶会は王子への顔合わせだからね。でも可愛いメリルがもし王子の婚約者になったら寂しいなぁ…」
お父様の形のいいまゆがグッと下がる。
「あなたったら気が早いわ、なるようになりますよ。別にライアン王子でも無くていいからメリルが気に入る方がいるといいわね」
今度はお母様が優しく私の頭を撫でて微笑んだ。
「私もそのお茶会の時に君を見つけたんだったな」
「そうね、私もあなたを一目見て目が離せなくなったの」
「すぐに帰って父に君が婚約者がいいと頼み込んだんだった」
父と母はどちらともなく近づいて行くと指を絡め合い見つめ合う。
私はお父様とお母様が見つめ合いながら微笑みあうのを首を傾げて見上げて、それよりも残りのドーナツが気になりかじりついた。
私は朝から大好きな具だくさんサンドイッチを口の中に放り込んでいた。
「メリルお嬢様、まだお食べになりますか?」
料理長のジョルノさんが美味しそうに食べる姿にニコニコと笑顔で聞いてきた。
「はい!とても美味しいからいくらでも食べられるわ、どんどん作って下さる?」
「喜んで」
ジョルノさんが待ってましたとばかりに返事をすると厨房にいそいそと早足で向かった。
「メリルは本当に美味しそうにご飯を食べるなぁ」
「ええ、見てるこっちが幸せでお腹いっぱいになるわ」
お父様とお母様が微笑みながら私がサンドイッチを平らげていくのを眺めている。
私は侯爵家の父、デービス・アルフォンスと母のコリーヌ・アルフォンスの長女として生まれた。
小さい頃から愛情いっぱいに育てられ、二人は美味しそうにご飯をたくさん食べる姿を見るのが大好きだった。
こうしてメリルはそれはそれはふくよかに育っていくことになる。
メリルの食欲は止まることなく、周りも特に幸せそうに食べるメリルを止める理由が無かったので気がつけば標準の体型の二倍ほどに成長していた。
家にはお金もあるので、服も食事も困らない。
体型が大きくなり服が着れなくなるとすぐにメイドが服を同じような服を新調してメリルは自分が太っていると自覚しないまま大きくなっていった。
そんなメリルが10歳になった年、王都主催の恒例のお茶会が開かれた。
それは王子との顔合わせの場でもあり、10歳になる令嬢達は自分が婚約者候補に選ばれるかもしれないと自分磨きをする。
娘を持つ父親はその日の為に娘に最高の装いをさせるのに必死だった。
そんな中、メリルはというとお茶会の料理が何なのかに心踊らせていた。
「お父様!お茶会ではどんな料理が出るんですか?どうやって食べるのかしら…私、立食は好きじゃないのよね」
ドーナツを両手に持ちながら心配そうに聞いている。
「そうだね、例年の通りだとテーブルに料理が沢山並んで自分で取りに行くことになるかな。立食が嫌なら座って食べれるテーブルを用意するように言っておくよ」
デービスはウキウキする私に尋ねられニコニコと答えた。
「やった!お父様ありがとうございます!」
私は大好きで甘い父に抱きついた。
もちろん先程持っていたドーナツはお腹の中にきっちりと入っている。
「メリルの可愛いお願いだ、なんて事はないよ」
デービスは私の頭を優しく撫でた。
「そう言えば料理もいいけどその日はライアン王子への挨拶も忘れないでくれよ」
「ライアン王子?」
私は誰だっけと首を傾げるとお父様の顔がクシャと崩れた。
「か、可愛い…いや、そ、そうだよ。今回のお茶会は王子への顔合わせだからね。でも可愛いメリルがもし王子の婚約者になったら寂しいなぁ…」
お父様の形のいいまゆがグッと下がる。
「あなたったら気が早いわ、なるようになりますよ。別にライアン王子でも無くていいからメリルが気に入る方がいるといいわね」
今度はお母様が優しく私の頭を撫でて微笑んだ。
「私もそのお茶会の時に君を見つけたんだったな」
「そうね、私もあなたを一目見て目が離せなくなったの」
「すぐに帰って父に君が婚約者がいいと頼み込んだんだった」
父と母はどちらともなく近づいて行くと指を絡め合い見つめ合う。
私はお父様とお母様が見つめ合いながら微笑みあうのを首を傾げて見上げて、それよりも残りのドーナツが気になりかじりついた。
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