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109.テオドール視点
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強引な王子達に仕方なくテオドールは屋敷へと向かう馬車に二人を乗せた。
だが納得出来ないテオドールは王子達を不服そうに見つめる。
「しかし、王子ともあろう方が黙って寮を出るなど良くないと思いますが…」
「大丈夫だ。ダンが護衛としてテオドールの屋敷に行くならと了承は貰っている」
王子はメイドに用意して貰った荷物をしっかりと従者に運ばせていた。
「僕も王子の護衛としてしっかりとついて行くように言われてるので大丈夫です」
まだ何も言っていないのにダンも問題ないと頷いていた、そんなダンは荷物が少なく手軽な感じだった。
「それにしては荷物が少ないけど大丈夫か?」
「僕は剣と練習着があれば大丈夫だから」
「はっ?着替えは?」
「またこれを着ればいいだろ?」
そう言って今来てる制服を掴む。
「は?寝る時はどうするつもりだ!?」
「王子の護衛だからな、寝ないでするつもりだ」
「屋敷にはちゃんと護衛の騎士達もいます…服は私のを貸しますから…」
テオドールは仕方ないと頭をかかえた。
こんなお荷物な人達が二人もきて、自分はマリーとゆっくり過ごせるのだろうか?
テオドールは屋敷に着くのが少し不安になってきた。
しかしそんな思いよりもやはりマリーに会える気持ちの方が強かった。
屋敷に入り馬車の中からマリーの部屋がある窓を見ると、窓際に寄りかかり少し寂しそうに遠くを見つめるマリーが見えた!
その瞬間テオドールの体は勝手に動いて馬車を飛び降りた!
「マリー!」
いつもなら出さないような大きな声が出る!
愛しい妹の名前を呼ぶとマリーに反応があった…キョロキョロと周りを見た後外に顔を向ける。
そして私に気がつくと驚きの顔が見えた、テラスに出てくると小さな体を精一杯高くあげて私の名前を呼ぶ…やはりマリーに呼ばれるお兄様が一番好きだった。
マリーはなんでここに私がいるのか驚いているようだった。
あんなに何度も帰ると言ったのに…相変わらずマリーは話をよく聞いていないのだな…
するとマリーはさらに身を乗り出してしまった…
なんか危なくないか?
そう心配になっていると案の定手を滑らせてマリーはバランスを崩して下に落ちてしまった!
危なそうと思った時には体が動いて下に向かっていた、そのためマリーをしっかりと受け止められた。
全く危ない、やはりマリーは目が離せない、いや、離したくない。
「全くマリーは…」
不注意を怒りたいのに会えた事や、その温もりに顔がニヤけてるしまう。
そんなマリーとの幸せな時間をすぐにあの二人に邪魔をされた…やはり連れてくるべきではなかったか?
もう挨拶もしたしこのまま返そうかとしたらお父様達が出てきて屋敷に招待してしまった。
腐っても王子、無下には出来ないようだ…
はぁ…せっかく帰ってきたのにマリーとの時間が減らされそうだ。
そんな私の思いとは裏腹に可愛い笑顔出迎えるマリー…その笑顔を見ると仕方ないと諦めてしまう自分が嫌いではなかった。
だが納得出来ないテオドールは王子達を不服そうに見つめる。
「しかし、王子ともあろう方が黙って寮を出るなど良くないと思いますが…」
「大丈夫だ。ダンが護衛としてテオドールの屋敷に行くならと了承は貰っている」
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「僕も王子の護衛としてしっかりとついて行くように言われてるので大丈夫です」
まだ何も言っていないのにダンも問題ないと頷いていた、そんなダンは荷物が少なく手軽な感じだった。
「それにしては荷物が少ないけど大丈夫か?」
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「またこれを着ればいいだろ?」
そう言って今来てる制服を掴む。
「は?寝る時はどうするつもりだ!?」
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こんなお荷物な人達が二人もきて、自分はマリーとゆっくり過ごせるのだろうか?
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しかしそんな思いよりもやはりマリーに会える気持ちの方が強かった。
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そして私に気がつくと驚きの顔が見えた、テラスに出てくると小さな体を精一杯高くあげて私の名前を呼ぶ…やはりマリーに呼ばれるお兄様が一番好きだった。
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するとマリーはさらに身を乗り出してしまった…
なんか危なくないか?
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危なそうと思った時には体が動いて下に向かっていた、そのためマリーをしっかりと受け止められた。
全く危ない、やはりマリーは目が離せない、いや、離したくない。
「全くマリーは…」
不注意を怒りたいのに会えた事や、その温もりに顔がニヤけてるしまう。
そんなマリーとの幸せな時間をすぐにあの二人に邪魔をされた…やはり連れてくるべきではなかったか?
もう挨拶もしたしこのまま返そうかとしたらお父様達が出てきて屋敷に招待してしまった。
腐っても王子、無下には出来ないようだ…
はぁ…せっかく帰ってきたのにマリーとの時間が減らされそうだ。
そんな私の思いとは裏腹に可愛い笑顔出迎えるマリー…その笑顔を見ると仕方ないと諦めてしまう自分が嫌いではなかった。
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