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103.変化
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穏やかな日常が過ぎて、とうとうお兄様が寮に入る日が来てしまった。
お兄様が王子達と一緒に過ごすのはすごく興味があるし嬉しいがやはりこれからは会えるのが少なくなると思うと少し寂しくもあった。
「お兄様…頑張って下さいね」
でも笑顔で送り出そうと笑ってみるがなんだか上手くいかない…お兄様も私の様子に気がついて苦笑している。
「マリー…大丈夫だよ。週末は帰ってくるからね」
「だ、大丈夫です!そこは王子達と仲良くしてください!それにお兄様の一番大事なものを優先して欲しいです」
「僕の一番優先すべき事は…」
テオドールお兄様は何か考えるとわかったとしっかりと頷いて微笑んだ。
よかった~わかってくれたみたい!
寂しいけどシリルもお父様もいるし!私ももう少し大きくなれば学園に行ってお兄様達の仲の良い様子を拝める。
それを思えば寂しさなんて…少しだけ…
「じゃあ行ってまいります。お父様、シリル…マリーとお母様をよろしくお願いします」
「はい!お兄様も頑張って下さい」
「テオドール、まずは自分の事を優先するんだよ。私も力の限り後押しするからね」
お父様はテオドールお兄様の頭を撫でようとして手を止めた。
「もうテオドールは男だからね、頑張って来なさい」
お父様の大きくて優しい手はお兄様の肩を力強く叩いた。
なんだか男同士の約束でもしてるみたい?
二人とも頷きあって目で会話をしてる感じだった。
「テオドールさん、いつでも帰ってきていいのですからね」
お母様が目を潤ませてテオドールお兄様に声をかけると笑って頷いた。
「じゃあ!」
テオドールお兄様は笑顔で手を上げると寮まで送り出す馬車へと乗り込んだ。
「行ってらっしゃい!お兄様!」
私は馬車が見えなくなるまでシリルと一緒に手を振り続けた。
お兄様も馬車からいつまでも手を振っていてくれたが…とうとう見えなくなると力なく手を下ろした。
お兄様が見えなくなると一気に寂しさが押し寄せた。
数日いないことはあったけど…長く家を開けることなどなかったお兄様がしばらくは帰って来れない。
下手をすれば半年近く会えなくなるかも…
この世界にきて近しい人が離れるのが始めてでなんとも言えない感情が押し寄せる。
「マリー…僕がいるよ…」
するとシリルが隣に立ち私の手を握りしめてくれた。
「だから泣かないで」
シリルの心配する声がするがその顔は涙で見えなかった。
私はいつの間にか涙を溜めて泣いていた…
「うん…」
BLだけが全てだと思っていたが…今はお兄様が少し恋しかった…
お兄様が王子達と一緒に過ごすのはすごく興味があるし嬉しいがやはりこれからは会えるのが少なくなると思うと少し寂しくもあった。
「お兄様…頑張って下さいね」
でも笑顔で送り出そうと笑ってみるがなんだか上手くいかない…お兄様も私の様子に気がついて苦笑している。
「マリー…大丈夫だよ。週末は帰ってくるからね」
「だ、大丈夫です!そこは王子達と仲良くしてください!それにお兄様の一番大事なものを優先して欲しいです」
「僕の一番優先すべき事は…」
テオドールお兄様は何か考えるとわかったとしっかりと頷いて微笑んだ。
よかった~わかってくれたみたい!
寂しいけどシリルもお父様もいるし!私ももう少し大きくなれば学園に行ってお兄様達の仲の良い様子を拝める。
それを思えば寂しさなんて…少しだけ…
「じゃあ行ってまいります。お父様、シリル…マリーとお母様をよろしくお願いします」
「はい!お兄様も頑張って下さい」
「テオドール、まずは自分の事を優先するんだよ。私も力の限り後押しするからね」
お父様はテオドールお兄様の頭を撫でようとして手を止めた。
「もうテオドールは男だからね、頑張って来なさい」
お父様の大きくて優しい手はお兄様の肩を力強く叩いた。
なんだか男同士の約束でもしてるみたい?
二人とも頷きあって目で会話をしてる感じだった。
「テオドールさん、いつでも帰ってきていいのですからね」
お母様が目を潤ませてテオドールお兄様に声をかけると笑って頷いた。
「じゃあ!」
テオドールお兄様は笑顔で手を上げると寮まで送り出す馬車へと乗り込んだ。
「行ってらっしゃい!お兄様!」
私は馬車が見えなくなるまでシリルと一緒に手を振り続けた。
お兄様も馬車からいつまでも手を振っていてくれたが…とうとう見えなくなると力なく手を下ろした。
お兄様が見えなくなると一気に寂しさが押し寄せた。
数日いないことはあったけど…長く家を開けることなどなかったお兄様がしばらくは帰って来れない。
下手をすれば半年近く会えなくなるかも…
この世界にきて近しい人が離れるのが始めてでなんとも言えない感情が押し寄せる。
「マリー…僕がいるよ…」
するとシリルが隣に立ち私の手を握りしめてくれた。
「だから泣かないで」
シリルの心配する声がするがその顔は涙で見えなかった。
私はいつの間にか涙を溜めて泣いていた…
「うん…」
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