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102.アンスロット家の日常
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なんだか近くで興奮するお父様とテオドールお兄様の声がするなぁと思いながら目を覚ました…
「んん…」
目をこすっていると二人の声がピタッと止まってしまった。
「マリーおはよう。よく寝てたねもっと寝てても良かったんだよ」
「そうだね、今日は疲れただろうから」
二人が優しい笑顔で見つめていた。
「おはようございます…大丈夫です…」
そうは言いながらも本当はまだ少し眠い、二人の声に起きたなんて言ったら気にしそうだから黙ってお父様の胸に顔を埋めた。
「はぁ…お父様いい匂い…」
あっ!つい本音が漏れちゃった!
でもつぶやく程度だから聞こえてないかな?
チラッと上目遣いに伺うように顔をあげるとそこには苦しそうに顔を背けるお父様がいた…
「お、お父様?」
これは話を聞いていたどころか重くて大変だったのか!?
私は慌てて下ろして欲しいと頼んだ!
「お父様!下ろして下さい!ずっと寝てる間抱っこしててくれたの?」
しかしお父様は全然下ろす気は無いようでさらに抱き直してしまった。
「マリーが重いなんてこと感じたことないよ、どんなに大きくなろうとお父様はいつでも抱き上げてあげるからね」
にっこりと笑うとそのままテオドールお兄様を見つめた。
「もちろんテオドールもだよ」
「お父様、私は大丈夫ですよ…」
お兄様が断ろうとするがその顔は恥ずかしそうだった!
これは本当は抱っこして欲しいけど私の手前出来ないだけなのでは!?
「お父様!お兄様!私お兄様と一緒に抱っこされたい!」
落ちないようにお父様の首にギュッと抱きつくとお父様にお兄様を抱っこして欲しいと頼んだ!
「もちろんだよ、さぁテオドールおいで…」
お父様が優しく声をかけるとテオドールお兄様は私とお父様を交互にみてため息をつくと手を差し出した。
「お父様、明日どうなっても知りませんよ」
「大丈夫、その時はフローラに介抱して貰うからね」
そんなお兄様の心配をよそにお父様はお兄様を軽々と抱き上げた。
グッとお兄様と距離が近くなり膝が重なって足が絡まる、顔をあげればすぐそこに整った顔のテオドールお兄様がいた。
「ふふ、お兄様一緒に抱っこ嬉しいね」
お兄様の赤くなった顔にやっぱり嬉しかったのだと確信した。
「おっと…テオドール、マリーを少し抱いてあげてくれ。落ちそうだ!」
お父様の言葉にお兄様に向かって手を伸ばした。
片手はお父様の首にもう片っぽをお兄様の腕にしっかりと掴まった。
「お兄様!お父様すごいね!私とお兄様二人とも抱っこしててくれて」
「そ、そうだね、でもそのうち私もマリーを軽々と抱き上げられるよ」
お兄様の優しい笑顔に楽しみだと返しておいた。
でもそれは一番最初は王子にしてあげてくださいと心の中でお願いしておいたのは内緒だ。
その後心配して来てくれたシリルもきてずるいと泣きそうな顔をしてしまい、慌てたお父様が私達三人を抱き上げてくれた。
そして次の日…お父様はお母様と部屋から出てくることはなかったのだ。
「んん…」
目をこすっていると二人の声がピタッと止まってしまった。
「マリーおはよう。よく寝てたねもっと寝てても良かったんだよ」
「そうだね、今日は疲れただろうから」
二人が優しい笑顔で見つめていた。
「おはようございます…大丈夫です…」
そうは言いながらも本当はまだ少し眠い、二人の声に起きたなんて言ったら気にしそうだから黙ってお父様の胸に顔を埋めた。
「はぁ…お父様いい匂い…」
あっ!つい本音が漏れちゃった!
でもつぶやく程度だから聞こえてないかな?
チラッと上目遣いに伺うように顔をあげるとそこには苦しそうに顔を背けるお父様がいた…
「お、お父様?」
これは話を聞いていたどころか重くて大変だったのか!?
私は慌てて下ろして欲しいと頼んだ!
「お父様!下ろして下さい!ずっと寝てる間抱っこしててくれたの?」
しかしお父様は全然下ろす気は無いようでさらに抱き直してしまった。
「マリーが重いなんてこと感じたことないよ、どんなに大きくなろうとお父様はいつでも抱き上げてあげるからね」
にっこりと笑うとそのままテオドールお兄様を見つめた。
「もちろんテオドールもだよ」
「お父様、私は大丈夫ですよ…」
お兄様が断ろうとするがその顔は恥ずかしそうだった!
これは本当は抱っこして欲しいけど私の手前出来ないだけなのでは!?
「お父様!お兄様!私お兄様と一緒に抱っこされたい!」
落ちないようにお父様の首にギュッと抱きつくとお父様にお兄様を抱っこして欲しいと頼んだ!
「もちろんだよ、さぁテオドールおいで…」
お父様が優しく声をかけるとテオドールお兄様は私とお父様を交互にみてため息をつくと手を差し出した。
「お父様、明日どうなっても知りませんよ」
「大丈夫、その時はフローラに介抱して貰うからね」
そんなお兄様の心配をよそにお父様はお兄様を軽々と抱き上げた。
グッとお兄様と距離が近くなり膝が重なって足が絡まる、顔をあげればすぐそこに整った顔のテオドールお兄様がいた。
「ふふ、お兄様一緒に抱っこ嬉しいね」
お兄様の赤くなった顔にやっぱり嬉しかったのだと確信した。
「おっと…テオドール、マリーを少し抱いてあげてくれ。落ちそうだ!」
お父様の言葉にお兄様に向かって手を伸ばした。
片手はお父様の首にもう片っぽをお兄様の腕にしっかりと掴まった。
「お兄様!お父様すごいね!私とお兄様二人とも抱っこしててくれて」
「そ、そうだね、でもそのうち私もマリーを軽々と抱き上げられるよ」
お兄様の優しい笑顔に楽しみだと返しておいた。
でもそれは一番最初は王子にしてあげてくださいと心の中でお願いしておいたのは内緒だ。
その後心配して来てくれたシリルもきてずるいと泣きそうな顔をしてしまい、慌てたお父様が私達三人を抱き上げてくれた。
そして次の日…お父様はお母様と部屋から出てくることはなかったのだ。
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