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99.到着
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「おっと、意外と早かったなぁ…まぁあれだけ可愛がってるみたいだったからな…当然か…」
王子が笑うと兵士に声をかけて、お兄様達を部屋の中へと招き入れた。
二人は私に顔を見るなり駆け寄ってきて力強く抱きしめる。
「マリー!大丈夫だったか…屋敷に居ないと知った時は本当に心配したんだぞ」
「す、すみません…」
お兄様の為とはいえ、確かに何も言わずに出てきたのは不味かったと素直に謝る。
「マリー勝手に家を出るのやめて…僕心配だよ」
シリルは瞳を濡らしながらウルウルと見つめてくる。
大きな瞳から涙がこぼれそうなほど心配されて私は慌てて二人に謝った。
「ごめんなさい!心配かけて…すぐに帰るつもりだったから…」
「それでも今度からはちゃんと行く時は行き先を伝えてくれ。必ず私かシリルが同行するから」
いやいや、お兄様はこれから学園だしそれは無理でしょ。
私がお兄様を見ると
「大丈夫、マリーの為なら授業を休んででも駆けつけるからね」
テオドールお兄様、笑顔が素敵ですがそれはよくない。
「駄目です!お勉強大事ですからお兄様はちゃんと授業受けて下さい!私が出かけるの我慢します!」
「マリーがそういうなら、仕方ない」
テオドールお兄様は渋々頷くと、王子とダン様に向き合った。
「この度は私の大事な大事な妹がお世話になりました…まだ小さい子を呼び出すなどという有るまじき行為…王子には大変失望しました。これからは私が側近になるべくご指導致しますのでのつもりで…」
にっこりと笑って王子を見つめる。
内容がなんか思ってたのと違うが、お兄様の黒い笑顔に王子が嬉しそうに笑っている!
これは!
二人はその後も楽しそうにニコニコ笑いながら何やら話しているが、声がこちらまでは聞こえない。
内容は分からないがグッと二人の距離が縮まった感じがした!
「ふふ、お兄様達楽しそうだね!」
私は隣にいたシリルにコソッと話しかけると
「そうかな?」
シリルは何やら兄を見て苦笑していた。
マリーがニコニコとテオドールとグレイ王子を見つめていると…
「王子!妹だけを呼び出すとはどういうつもりですか!?」
マリーに聞こえないようにテオドールは王子を睨みつけ。
「ん?いやお前が家に来るなと言うから呼んだまでだ、それに俺は来い!なんて命令はしてないぞ?よかったら来ないかとしたためただけで…」
王子が含み笑いをする。
「これ以上マリーにちょっかいはかけないで頂きたい!」
「それはどうだろう…俺はあの子が気に入ったんだ」
王子の言葉にテオドールは目を見開く!
恐れていた事態が…… マリーに興味を持たれてしまった。
マリーは人の心を掴むのが上手い…まさかとは思っていたが王子まで…
俺は頭を抱えていると
「あなたがマリー様の兄上か?私はダンと言う、聞けば同じ歳だとか…仲良くしてくれるか?」
何やら礼儀正しい男が声をかけてきた。
「テオドールお兄様!ダン様ですよ!わぁ~三人が仲良くしてる~凄い!」
マリーは俺達三人をみて目を輝かせる。
マリーのあんな顔を見てしまったら…兄として仲良くしない訳にはいかなかった。
王子が笑うと兵士に声をかけて、お兄様達を部屋の中へと招き入れた。
二人は私に顔を見るなり駆け寄ってきて力強く抱きしめる。
「マリー!大丈夫だったか…屋敷に居ないと知った時は本当に心配したんだぞ」
「す、すみません…」
お兄様の為とはいえ、確かに何も言わずに出てきたのは不味かったと素直に謝る。
「マリー勝手に家を出るのやめて…僕心配だよ」
シリルは瞳を濡らしながらウルウルと見つめてくる。
大きな瞳から涙がこぼれそうなほど心配されて私は慌てて二人に謝った。
「ごめんなさい!心配かけて…すぐに帰るつもりだったから…」
「それでも今度からはちゃんと行く時は行き先を伝えてくれ。必ず私かシリルが同行するから」
いやいや、お兄様はこれから学園だしそれは無理でしょ。
私がお兄様を見ると
「大丈夫、マリーの為なら授業を休んででも駆けつけるからね」
テオドールお兄様、笑顔が素敵ですがそれはよくない。
「駄目です!お勉強大事ですからお兄様はちゃんと授業受けて下さい!私が出かけるの我慢します!」
「マリーがそういうなら、仕方ない」
テオドールお兄様は渋々頷くと、王子とダン様に向き合った。
「この度は私の大事な大事な妹がお世話になりました…まだ小さい子を呼び出すなどという有るまじき行為…王子には大変失望しました。これからは私が側近になるべくご指導致しますのでのつもりで…」
にっこりと笑って王子を見つめる。
内容がなんか思ってたのと違うが、お兄様の黒い笑顔に王子が嬉しそうに笑っている!
これは!
二人はその後も楽しそうにニコニコ笑いながら何やら話しているが、声がこちらまでは聞こえない。
内容は分からないがグッと二人の距離が縮まった感じがした!
「ふふ、お兄様達楽しそうだね!」
私は隣にいたシリルにコソッと話しかけると
「そうかな?」
シリルは何やら兄を見て苦笑していた。
マリーがニコニコとテオドールとグレイ王子を見つめていると…
「王子!妹だけを呼び出すとはどういうつもりですか!?」
マリーに聞こえないようにテオドールは王子を睨みつけ。
「ん?いやお前が家に来るなと言うから呼んだまでだ、それに俺は来い!なんて命令はしてないぞ?よかったら来ないかとしたためただけで…」
王子が含み笑いをする。
「これ以上マリーにちょっかいはかけないで頂きたい!」
「それはどうだろう…俺はあの子が気に入ったんだ」
王子の言葉にテオドールは目を見開く!
恐れていた事態が…… マリーに興味を持たれてしまった。
マリーは人の心を掴むのが上手い…まさかとは思っていたが王子まで…
俺は頭を抱えていると
「あなたがマリー様の兄上か?私はダンと言う、聞けば同じ歳だとか…仲良くしてくれるか?」
何やら礼儀正しい男が声をかけてきた。
「テオドールお兄様!ダン様ですよ!わぁ~三人が仲良くしてる~凄い!」
マリーは俺達三人をみて目を輝かせる。
マリーのあんな顔を見てしまったら…兄として仲良くしない訳にはいかなかった。
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