【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました

三園 七詩

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80.護衛隊長

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通行許可証の確認をする為に門番の休憩所に入ったまでは良かったが何を間違えたか全然思っていた展開にならなかった。

本当なら門番さん達があはは…うふふ、あははと楽しそうにイチャイチャする様を見るはずだったのに…

それどころかお茶を出されてお菓子までご馳走になる始末。

まぁ美味しいからいいけど…本命は王子とお兄様だしな…

私とリアズでまったりとお茶を飲んで待っていると

「お待たせ致しました!マリー様、確認が取れました!王子がお待ちですのでご案内致します…?」

慌てて駆けつけた門番は私達の様子に首を傾げた。

そりゃそうだろう、今ここには一応令嬢のお子様とメイド、それに包帯を必ず一箇所どこかに巻いた休憩中の門番達が一緒になってお菓子を食べてお茶を飲んでいるのだから。

「これは…どういう事でしょう…」

後ろから門番さんよりも偉いであろう装いの方が顔を出した。

「こ、これはソルト様!」

まったりとしていた休憩中の門番のお兄さん達が慌てて起立した。

どうやら上司の登場かな?

私は立ち上がってソルト様と呼ばれた人を見る。

こ、これは!

見るとその方はかなりの美形!お年はお父様ぐらいかも知れないがサラリと横に束ねたた薄水色の長い髪が美しい!

これは主要人物並の容姿だ!

でもこんな人いたっけなぁ?誰かに似てる気はするが…

じっとソルト様を見上げていると、ソルト様が私に気付き屈んで挨拶をしてきた。

「マリー様、遅れて申し訳ございません。王子の命によりお迎えに参りました。私、王族の護衛隊長を務めますソルト・ベイサイドと申します」

「は、初めまして!マリーです」

イケメン隊長に挨拶をされて緊張しながら返事をした。

ん?まって…護衛隊長…なんか聞いた事ある…

私はカシャカシャと頭の中の資料をめくる、その中に王子の近衛兵になる男の人の顔が浮かんだ!

「あっ!もしかして王子の近衛兵のダン様のお父様ですか!?」

私は王子の斜め後ろにいつもいる表情のない男の人の顔を思い出した!

「ん?息子をご存知ですか?とても光栄ですがまだ騎士の見習いをしております。王子の近衛兵などまだまだ…」

ソルト様が眉を下げて苦笑した。

確かダン様は表情筋が乏しくあまり笑わない真面目タイプの騎士だった…ダン様だと…相手は王子か主人公だったかな?

うーん…と頭を押さえて思い出そうとするが先が見えない。

まぁなんにせよ楽しみな人物がまた登場した。

私達はここからはソルト様が案内をしてくれると言うのでお茶をご馳走してくれた門番さん達にお礼を言った。

「美味しいお茶をご馳走様でした」

ペコッと頭を下げる。

「いえ!ご令嬢の方をこんなところで休ませて…申し訳ございませんでした」

いや、こんなところと言うが私には天国の様な場所だった。

「また、ここに来た時は寄ってもいいですか?」

皆さんの邪魔はしないので…

そんな気持ちを込めて伺うように上目遣いで見つめる。

「勿論です!!」

門番さん達は最高の笑顔を返してくれた!

よし!

私は心の中でガッツポーズをする。いい観賞場所を確保した事に笑みがこぼれた。
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