80 / 107
80.護衛隊長
しおりを挟む
通行許可証の確認をする為に門番の休憩所に入ったまでは良かったが何を間違えたか全然思っていた展開にならなかった。
本当なら門番さん達があはは…うふふ、あははと楽しそうにイチャイチャする様を見るはずだったのに…
それどころかお茶を出されてお菓子までご馳走になる始末。
まぁ美味しいからいいけど…本命は王子とお兄様だしな…
私とリアズでまったりとお茶を飲んで待っていると
「お待たせ致しました!マリー様、確認が取れました!王子がお待ちですのでご案内致します…?」
慌てて駆けつけた門番は私達の様子に首を傾げた。
そりゃそうだろう、今ここには一応令嬢のお子様とメイド、それに包帯を必ず一箇所どこかに巻いた休憩中の門番達が一緒になってお菓子を食べてお茶を飲んでいるのだから。
「これは…どういう事でしょう…」
後ろから門番さんよりも偉いであろう装いの方が顔を出した。
「こ、これはソルト様!」
まったりとしていた休憩中の門番のお兄さん達が慌てて起立した。
どうやら上司の登場かな?
私は立ち上がってソルト様と呼ばれた人を見る。
こ、これは!
見るとその方はかなりの美形!お年はお父様ぐらいかも知れないがサラリと横に束ねたた薄水色の長い髪が美しい!
これは主要人物並の容姿だ!
でもこんな人いたっけなぁ?誰かに似てる気はするが…
じっとソルト様を見上げていると、ソルト様が私に気付き屈んで挨拶をしてきた。
「マリー様、遅れて申し訳ございません。王子の命によりお迎えに参りました。私、王族の護衛隊長を務めますソルト・ベイサイドと申します」
「は、初めまして!マリーです」
イケメン隊長に挨拶をされて緊張しながら返事をした。
ん?まって…護衛隊長…なんか聞いた事ある…
私はカシャカシャと頭の中の資料をめくる、その中に王子の近衛兵になる男の人の顔が浮かんだ!
「あっ!もしかして王子の近衛兵のダン様のお父様ですか!?」
私は王子の斜め後ろにいつもいる表情のない男の人の顔を思い出した!
「ん?息子をご存知ですか?とても光栄ですがまだ騎士の見習いをしております。王子の近衛兵などまだまだ…」
ソルト様が眉を下げて苦笑した。
確かダン様は表情筋が乏しくあまり笑わない真面目タイプの騎士だった…ダン様だと…相手は王子か主人公だったかな?
うーん…と頭を押さえて思い出そうとするが先が見えない。
まぁなんにせよ楽しみな人物がまた登場した。
私達はここからはソルト様が案内をしてくれると言うのでお茶をご馳走してくれた門番さん達にお礼を言った。
「美味しいお茶をご馳走様でした」
ペコッと頭を下げる。
「いえ!ご令嬢の方をこんなところで休ませて…申し訳ございませんでした」
いや、こんなところと言うが私には天国の様な場所だった。
「また、ここに来た時は寄ってもいいですか?」
皆さんの邪魔はしないので…
そんな気持ちを込めて伺うように上目遣いで見つめる。
「勿論です!!」
門番さん達は最高の笑顔を返してくれた!
よし!
私は心の中でガッツポーズをする。いい観賞場所を確保した事に笑みがこぼれた。
本当なら門番さん達があはは…うふふ、あははと楽しそうにイチャイチャする様を見るはずだったのに…
それどころかお茶を出されてお菓子までご馳走になる始末。
まぁ美味しいからいいけど…本命は王子とお兄様だしな…
私とリアズでまったりとお茶を飲んで待っていると
「お待たせ致しました!マリー様、確認が取れました!王子がお待ちですのでご案内致します…?」
慌てて駆けつけた門番は私達の様子に首を傾げた。
そりゃそうだろう、今ここには一応令嬢のお子様とメイド、それに包帯を必ず一箇所どこかに巻いた休憩中の門番達が一緒になってお菓子を食べてお茶を飲んでいるのだから。
「これは…どういう事でしょう…」
後ろから門番さんよりも偉いであろう装いの方が顔を出した。
「こ、これはソルト様!」
まったりとしていた休憩中の門番のお兄さん達が慌てて起立した。
どうやら上司の登場かな?
私は立ち上がってソルト様と呼ばれた人を見る。
こ、これは!
見るとその方はかなりの美形!お年はお父様ぐらいかも知れないがサラリと横に束ねたた薄水色の長い髪が美しい!
これは主要人物並の容姿だ!
でもこんな人いたっけなぁ?誰かに似てる気はするが…
じっとソルト様を見上げていると、ソルト様が私に気付き屈んで挨拶をしてきた。
「マリー様、遅れて申し訳ございません。王子の命によりお迎えに参りました。私、王族の護衛隊長を務めますソルト・ベイサイドと申します」
「は、初めまして!マリーです」
イケメン隊長に挨拶をされて緊張しながら返事をした。
ん?まって…護衛隊長…なんか聞いた事ある…
私はカシャカシャと頭の中の資料をめくる、その中に王子の近衛兵になる男の人の顔が浮かんだ!
「あっ!もしかして王子の近衛兵のダン様のお父様ですか!?」
私は王子の斜め後ろにいつもいる表情のない男の人の顔を思い出した!
「ん?息子をご存知ですか?とても光栄ですがまだ騎士の見習いをしております。王子の近衛兵などまだまだ…」
ソルト様が眉を下げて苦笑した。
確かダン様は表情筋が乏しくあまり笑わない真面目タイプの騎士だった…ダン様だと…相手は王子か主人公だったかな?
うーん…と頭を押さえて思い出そうとするが先が見えない。
まぁなんにせよ楽しみな人物がまた登場した。
私達はここからはソルト様が案内をしてくれると言うのでお茶をご馳走してくれた門番さん達にお礼を言った。
「美味しいお茶をご馳走様でした」
ペコッと頭を下げる。
「いえ!ご令嬢の方をこんなところで休ませて…申し訳ございませんでした」
いや、こんなところと言うが私には天国の様な場所だった。
「また、ここに来た時は寄ってもいいですか?」
皆さんの邪魔はしないので…
そんな気持ちを込めて伺うように上目遣いで見つめる。
「勿論です!!」
門番さん達は最高の笑顔を返してくれた!
よし!
私は心の中でガッツポーズをする。いい観賞場所を確保した事に笑みがこぼれた。
3
お気に入りに追加
2,518
あなたにおすすめの小説
ご存知ないようですが、父ではなく私が当主です。
藍川みいな
恋愛
旧題:ご存知ないようですが、父ではなく私が侯爵です。
タイトル変更しました。
「モニカ、すまない。俺は、本物の愛を知ってしまったんだ! だから、君とは結婚出来ない!」
十七歳の誕生日、七年間婚約をしていたルーファス様に婚約を破棄されてしまった。本物の愛の相手とは、義姉のサンドラ。サンドラは、私の全てを奪っていった。
父は私を見ようともせず、義母には理不尽に殴られる。
食事は日が経って固くなったパン一つ。そんな生活が、三年間続いていた。
父はただの侯爵代理だということを、義母もサンドラも気付いていない。あと一年で、私は正式な侯爵となる。
その時、あなた達は後悔することになる。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
破滅ルートを全力で回避したら、攻略対象に溺愛されました
平山和人
恋愛
転生したと気付いた時から、乙女ゲームの世界で破滅ルートを回避するために、攻略対象者との接点を全力で避けていた。
王太子の求婚を全力で辞退し、宰相の息子の売り込みを全力で拒否し、騎士団長の威圧を全力で受け流し、攻略対象に顔さえ見せず、隣国に留学した。
ヒロインと王太子が婚約したと聞いた私はすぐさま帰国し、隠居生活を送ろうと心に決めていた。
しかし、そんな私に転生者だったヒロインが接触してくる。逆ハールートを送るためには私が悪役令嬢である必要があるらしい。
ヒロインはあの手この手で私を陥れようとしてくるが、私はそのたびに回避し続ける。私は無事平穏な生活を送れるのだろうか?
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。
玖保ひかる
恋愛
[完結]
北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。
ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。
アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。
森に捨てられてしまったのだ。
南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。
苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。
※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。
※完結しました。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
悪役令嬢に転生するも魔法に夢中でいたら王子に溺愛されました
黒木 楓
恋愛
旧題:悪役令嬢に転生するも魔法を使えることの方が嬉しかったから自由に楽しんでいると、王子に溺愛されました
乙女ゲームの悪役令嬢リリアンに転生していた私は、転生もそうだけどゲームが始まる数年前で子供の姿となっていることに驚いていた。
これから頑張れば悪役令嬢と呼ばれなくなるのかもしれないけど、それよりもイメージすることで体内に宿る魔力を消費して様々なことができる魔法が使えることの方が嬉しい。
もうゲーム通りになるのなら仕方がないと考えた私は、レックス王子から婚約破棄を受けて没落するまで自由に楽しく生きようとしていた。
魔法ばかり使っていると魔力を使い過ぎて何度か倒れてしまい、そのたびにレックス王子が心配して数年後、ようやくヒロインのカレンが登場する。
私は公爵令嬢も今年までかと考えていたのに、レックス殿下はカレンに興味がなさそうで、常に私に構う日々が続いていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる