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79.手当て
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「大丈夫です…どうかそのままで、いつも通りに過ごして下さい」
私はふーっと息を吐いて落ち着いた声でそう言うと
「え?いつも通り?」
慌てていた門番達が手を止めて、こちらを見つめた。
「はい、お邪魔してるのは私達ですから皆さんが気になさる必要はありません。どうかいつも通り過ごして下さい…そう…さっきみたいにお互いの体を拭いたり、仲良く喋ったり…」
目をギラギラとさせてみんなを見回した。
「なんか…変わったお子様ですね…本当に侯爵家のご息女なのか?」
連れてきた門番にそっと声をかけている。
そこの方…聞こえてますよ…
「通行証にはそう書いてあるな…でも今確認中なんだ。だから外ではなんだからここで待ってもらおうと…」
「外の方がいいです!マリー様行きましょう!」
リアズはこんなところお嬢様には良くないと私を出そうとするがとんでもない!
ここは天国か!?だって鍛えられた男達が筋肉をさらけ出して楽しそうに談笑していた…
ここは多分ゲームには描かれないモブ達の空間…しかしそこにも男達が集えはBLは存在する!
私が思うにあそこの二人は怪しい!!
一人が腕を負傷したようで青くなった箇所にもう一人が包帯を巻いている…しかし今の出来事に驚きその手が止まっていた。
「そこの方!怪我の手当てを続けて下さい!なんなら手伝いましょうか?」
近くでじっくりと見たいからでは決してない!心配から私は彼らに近づいた。
「え?こ、子供が手当て?」
「いやいや!そんな事させられません!自分らでできますから!」
男達は慌てると急いで包帯を巻き出した。
雑に巻かれて今にも取れそうになっている箇所をみると
「駄目ですよ~もっと丁寧に巻いてあげないと…」
私は包帯を掴むとお兄さんの痛そうだけど太いたくましい腕に丁寧に包帯を巻き出した。
「こうやって治って欲しい気持ちを込めて巻いてあげて下さいね。そして最後にこう撫でてあげて…」
私は巻き終わった箇所をそっと撫でた。
「あ、ありがとうございます…」
手当てを受けた門番さんが驚いた顔でお礼を言ってきた。
「いいんですよ~じゃあお兄さん!私の様にやってください!」
場所を明け渡すと…
「いや、もう大丈夫です」
手当てを受けたお兄さんは満足そうに微笑むと怪我した場所を嬉しそうにさすっている。
「お名前をお聞きしてもよろしいですか?」
そして私の顔を見つめてきた。
「え?私ですか?えっと…マリーです」
「マリー様…いち門番の私にこのような手厚い手当てをありがとうございます。このご恩は忘れません」
「へ?」
なんか思ってたのと違う…
「マリー様に何がありましたらすぐに対応しますのでなんでもおっしゃって下さいね!」
「あ、ああ、どうも」
私は仕方なしに頭を下げると…
「すみませんマリー様…私も足をやってしまい…手当の仕方を教えて頂けませんか?」
「あっ!ずるいぞ!なら俺も!」
なんだか次々に怪我人が出てきた…
ええぇぇ…こんなはずじゃなかったのに…
私はガックリと肩を落として一人一人手当の仕方を教えてあげた。
私はふーっと息を吐いて落ち着いた声でそう言うと
「え?いつも通り?」
慌てていた門番達が手を止めて、こちらを見つめた。
「はい、お邪魔してるのは私達ですから皆さんが気になさる必要はありません。どうかいつも通り過ごして下さい…そう…さっきみたいにお互いの体を拭いたり、仲良く喋ったり…」
目をギラギラとさせてみんなを見回した。
「なんか…変わったお子様ですね…本当に侯爵家のご息女なのか?」
連れてきた門番にそっと声をかけている。
そこの方…聞こえてますよ…
「通行証にはそう書いてあるな…でも今確認中なんだ。だから外ではなんだからここで待ってもらおうと…」
「外の方がいいです!マリー様行きましょう!」
リアズはこんなところお嬢様には良くないと私を出そうとするがとんでもない!
ここは天国か!?だって鍛えられた男達が筋肉をさらけ出して楽しそうに談笑していた…
ここは多分ゲームには描かれないモブ達の空間…しかしそこにも男達が集えはBLは存在する!
私が思うにあそこの二人は怪しい!!
一人が腕を負傷したようで青くなった箇所にもう一人が包帯を巻いている…しかし今の出来事に驚きその手が止まっていた。
「そこの方!怪我の手当てを続けて下さい!なんなら手伝いましょうか?」
近くでじっくりと見たいからでは決してない!心配から私は彼らに近づいた。
「え?こ、子供が手当て?」
「いやいや!そんな事させられません!自分らでできますから!」
男達は慌てると急いで包帯を巻き出した。
雑に巻かれて今にも取れそうになっている箇所をみると
「駄目ですよ~もっと丁寧に巻いてあげないと…」
私は包帯を掴むとお兄さんの痛そうだけど太いたくましい腕に丁寧に包帯を巻き出した。
「こうやって治って欲しい気持ちを込めて巻いてあげて下さいね。そして最後にこう撫でてあげて…」
私は巻き終わった箇所をそっと撫でた。
「あ、ありがとうございます…」
手当てを受けた門番さんが驚いた顔でお礼を言ってきた。
「いいんですよ~じゃあお兄さん!私の様にやってください!」
場所を明け渡すと…
「いや、もう大丈夫です」
手当てを受けたお兄さんは満足そうに微笑むと怪我した場所を嬉しそうにさすっている。
「お名前をお聞きしてもよろしいですか?」
そして私の顔を見つめてきた。
「え?私ですか?えっと…マリーです」
「マリー様…いち門番の私にこのような手厚い手当てをありがとうございます。このご恩は忘れません」
「へ?」
なんか思ってたのと違う…
「マリー様に何がありましたらすぐに対応しますのでなんでもおっしゃって下さいね!」
「あ、ああ、どうも」
私は仕方なしに頭を下げると…
「すみませんマリー様…私も足をやってしまい…手当の仕方を教えて頂けませんか?」
「あっ!ずるいぞ!なら俺も!」
なんだか次々に怪我人が出てきた…
ええぇぇ…こんなはずじゃなかったのに…
私はガックリと肩を落として一人一人手当の仕方を教えてあげた。
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