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78.休憩所
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門番の変貌ぶりに驚きながらも馬車を動かし王宮へと向かう。
「凄い!あっさり通してくれたね」
「王子の許可証とか言ってましたが…マリー様ちゃんとジェラート様達に言ってきたんですか?」
御者が心配そうに後ろを振り返った。
「あっ…言ってないね…でも王宮だもん!危険なところじゃないし王子からのお誘いだから大丈夫でしょ!」
それにお兄様にサプライズしたいって言う王子の気持ちは応援してあげたい!
お父様に言ったらお兄様にバレちゃうかも知れないし…
心配そうな御者さんとリアズをどうにか説得して王宮へと着いた。
「では私は厩舎で待ってますので…リアズさん、頑張って!」
御者さんが何故かリアズにエールを送った。
「はい…」
リアズは元気なく答えると
「もしクビになったら…マリー様怨みますよ…」
「なんでリアズがクビになるの?」
「ジェラート様達の宝物のマリー様にもしもの事があったら…私絶対に殺されます!」
「あはは!大袈裟だなぁ~大丈夫大丈夫そんな事で怒るお父様じゃないよ」
私は優しいお父様の顔を思い浮かべた。
いつもニコニコと笑っていて、大体のことは許してくれるからきっと子供が好きなんだよね。
「それにリアズがクビになってもまた私が雇ってあげるから安心してね」
「マリー様~」
リアズが目を潤ませて喜んでいるのでこの隙に先へと進む。
通行証片手にいざ王宮内にいざ、参らん!
堂々と行ったもののやはり怪しい子供あっさりと王宮に入る門の前で止められた……一体いくつ検問があるんだ!!
「こんな子供が王宮に何の用だい?」
門番のお兄さんが屈んで声をかけてきた。
「これを…王子様からの呼び出しです」
「王子…どの王子だ?」
門番は通行証を確認すると…
「これはグレイ王子からの許可証ですね……本物の様だな…失礼ですがお名前は?」
門番がリアズを見ると
「こ、こ、こちらのお嬢様は!アンスロット侯爵様のご息女のマリー様にございますです!」
リアズが緊張からか声を裏返し変な言葉遣いで私を紹介した。
「アンスロット侯爵様の…確かご子息がグレイ様の側近見習いになったと言っていたな…その件でと言う事かな?」
門番が相方に声をかけると
「それなら本人が来るだろ?なんで妹君が来るんだ?」
「さぁ?」
門番のお兄さん達は首を捻った。
「ちょっと待ってくれるかな?少し確認してくるので…」
少し事情がありそうなので門番のひとりが王宮へと入り確認に行ってくれるというので、その間門番さん達の休憩所で待つことになった。
「こんなところですみません…」
休憩所を開けると中には休んでいる門番係の人達が数名いた。
中には鎧を脱いで上半身下着一枚で立ってる人もいる。
「きゃぁ!」
リアズはその様子に声をあげて両手で顔を覆った。
「す、すみません!おい!服を着ろ!こちらは侯爵家の方だぞ!」
「えっ!すみません!」
お兄さん達は慌ててバタバタと服を着て散らかった物を片付け出した。
私はその様子をじっくりと無言で見つめていた。
「凄い!あっさり通してくれたね」
「王子の許可証とか言ってましたが…マリー様ちゃんとジェラート様達に言ってきたんですか?」
御者が心配そうに後ろを振り返った。
「あっ…言ってないね…でも王宮だもん!危険なところじゃないし王子からのお誘いだから大丈夫でしょ!」
それにお兄様にサプライズしたいって言う王子の気持ちは応援してあげたい!
お父様に言ったらお兄様にバレちゃうかも知れないし…
心配そうな御者さんとリアズをどうにか説得して王宮へと着いた。
「では私は厩舎で待ってますので…リアズさん、頑張って!」
御者さんが何故かリアズにエールを送った。
「はい…」
リアズは元気なく答えると
「もしクビになったら…マリー様怨みますよ…」
「なんでリアズがクビになるの?」
「ジェラート様達の宝物のマリー様にもしもの事があったら…私絶対に殺されます!」
「あはは!大袈裟だなぁ~大丈夫大丈夫そんな事で怒るお父様じゃないよ」
私は優しいお父様の顔を思い浮かべた。
いつもニコニコと笑っていて、大体のことは許してくれるからきっと子供が好きなんだよね。
「それにリアズがクビになってもまた私が雇ってあげるから安心してね」
「マリー様~」
リアズが目を潤ませて喜んでいるのでこの隙に先へと進む。
通行証片手にいざ王宮内にいざ、参らん!
堂々と行ったもののやはり怪しい子供あっさりと王宮に入る門の前で止められた……一体いくつ検問があるんだ!!
「こんな子供が王宮に何の用だい?」
門番のお兄さんが屈んで声をかけてきた。
「これを…王子様からの呼び出しです」
「王子…どの王子だ?」
門番は通行証を確認すると…
「これはグレイ王子からの許可証ですね……本物の様だな…失礼ですがお名前は?」
門番がリアズを見ると
「こ、こ、こちらのお嬢様は!アンスロット侯爵様のご息女のマリー様にございますです!」
リアズが緊張からか声を裏返し変な言葉遣いで私を紹介した。
「アンスロット侯爵様の…確かご子息がグレイ様の側近見習いになったと言っていたな…その件でと言う事かな?」
門番が相方に声をかけると
「それなら本人が来るだろ?なんで妹君が来るんだ?」
「さぁ?」
門番のお兄さん達は首を捻った。
「ちょっと待ってくれるかな?少し確認してくるので…」
少し事情がありそうなので門番のひとりが王宮へと入り確認に行ってくれるというので、その間門番さん達の休憩所で待つことになった。
「こんなところですみません…」
休憩所を開けると中には休んでいる門番係の人達が数名いた。
中には鎧を脱いで上半身下着一枚で立ってる人もいる。
「きゃぁ!」
リアズはその様子に声をあげて両手で顔を覆った。
「す、すみません!おい!服を着ろ!こちらは侯爵家の方だぞ!」
「えっ!すみません!」
お兄さん達は慌ててバタバタと服を着て散らかった物を片付け出した。
私はその様子をじっくりと無言で見つめていた。
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