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67.苦
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私がシリルの事を考えて頭を地面に突っ伏していた。
すると先生達の会話が興奮したのか大きくなってきて耳に入ってきた。
あっ…話聞いてなかった…
気持ちを切り替えて先生達の会話に耳を傾けると…
「ゾクッとしたんだ……」
ブレス先生がなんとも言えない顔でサムさんを見つめると…
「お前…」
「いや!何もしてない!」
見つめ合ったと思ったら何やらもめだした!
なんか他の人からの視線にブレス先生が反応してサムさんがヤキモチを妬いたみたいだ!
なんて…尊…い、いや!
二人が喧嘩になったら大変!
どうしようかと悩んでいると私の名前が出てきた…
「妹…ぐらいに…」
「ただの生徒だ!」
サムさんはどうも私にヤキモチ?
いやまさか先生とは歳も離れているしなんと言っても私は女だ!
先生の相手に相応しくない!
サムさんが怒って妹ぐらいにしておけって言ってるんだ…それで先生はただの生徒だって言い訳を…
そう思っていたらブレス先生がサムさんの肩を掴み近づいた…
「はっ!」
キス!?
これは見てはいけない!
慌ててその場を離れようとすると…生垣に服が引っかかって音を立ててしまう。
「誰だい?」
すると音に驚いた二人が生垣の下を覗き込んだ。
サムさんとブレス先生の驚く顔とバッチリ目があった…
「あはは…どうも…」
愛想笑いで誤魔化そうとすると…
「マリー様?なんでこんなところに!?」
サムさんが慌てて生垣から引っ張りあげてくれた。
「えっと…ちょっとね」
話を盗み聞きしていた罪悪感からサッと目を逸らしてしまった。
「マリー様?まさか俺達の話を聞いていたんじゃ…」
ブレス先生がサーっと顔を青くする。
「いえ、聞いてません!先生がサムさんに私の事を(言い訳して)話してたなんてこれっぽっちも聞いてません!」
ブンブンと首を振ると
「ああ…絶対聞いてた…僕はもう終わりだ」
ブレス先生がガクッと膝をついて項垂れた。
「先生…」
そこまでサムさんとの事を秘密にしたかったの?
よし、それなら二人を応援している私としては協力しないと!
「先生!大丈夫ですよ!私なんにも見てません、だから誰かに何かを言うつもりもありませんから!」
サムさんに下ろしてもらい膝をつく先生の肩をぽんと手を置いた。
「マリー様…どうして…」
「それは先生の事…私凄く気に入ってるんです!勉強を教えるのも上手だし…ここを辞めて貰ったら困ります!」
「マリー様…」
「だから堂々と好きなようにしていて下さい」
ブレス先生は驚いた顔をしてサムさんを見上げた。
サムさんも微笑み頷き返す…二人には言葉など要らないようだった。
それを見て私も満足気に笑うと…
「何してるの…」
微笑みあっていた私達をシリルがじっと見ていた。
「あっ…シリル…」
さっきまで喧嘩していた事が思い出されて思わず目を逸らしてしまった。
するとシリルの足音が近づいてきた。
そして私の手をギュッと握ると自分の方へとグイッと引き寄せる。
「マリーは渡さないから…」
意外と力の強いシリルに驚いているとシリルは私を隠すように立ちブレス先生を威嚇する様に睨みつけた。
すると先生達の会話が興奮したのか大きくなってきて耳に入ってきた。
あっ…話聞いてなかった…
気持ちを切り替えて先生達の会話に耳を傾けると…
「ゾクッとしたんだ……」
ブレス先生がなんとも言えない顔でサムさんを見つめると…
「お前…」
「いや!何もしてない!」
見つめ合ったと思ったら何やらもめだした!
なんか他の人からの視線にブレス先生が反応してサムさんがヤキモチを妬いたみたいだ!
なんて…尊…い、いや!
二人が喧嘩になったら大変!
どうしようかと悩んでいると私の名前が出てきた…
「妹…ぐらいに…」
「ただの生徒だ!」
サムさんはどうも私にヤキモチ?
いやまさか先生とは歳も離れているしなんと言っても私は女だ!
先生の相手に相応しくない!
サムさんが怒って妹ぐらいにしておけって言ってるんだ…それで先生はただの生徒だって言い訳を…
そう思っていたらブレス先生がサムさんの肩を掴み近づいた…
「はっ!」
キス!?
これは見てはいけない!
慌ててその場を離れようとすると…生垣に服が引っかかって音を立ててしまう。
「誰だい?」
すると音に驚いた二人が生垣の下を覗き込んだ。
サムさんとブレス先生の驚く顔とバッチリ目があった…
「あはは…どうも…」
愛想笑いで誤魔化そうとすると…
「マリー様?なんでこんなところに!?」
サムさんが慌てて生垣から引っ張りあげてくれた。
「えっと…ちょっとね」
話を盗み聞きしていた罪悪感からサッと目を逸らしてしまった。
「マリー様?まさか俺達の話を聞いていたんじゃ…」
ブレス先生がサーっと顔を青くする。
「いえ、聞いてません!先生がサムさんに私の事を(言い訳して)話してたなんてこれっぽっちも聞いてません!」
ブンブンと首を振ると
「ああ…絶対聞いてた…僕はもう終わりだ」
ブレス先生がガクッと膝をついて項垂れた。
「先生…」
そこまでサムさんとの事を秘密にしたかったの?
よし、それなら二人を応援している私としては協力しないと!
「先生!大丈夫ですよ!私なんにも見てません、だから誰かに何かを言うつもりもありませんから!」
サムさんに下ろしてもらい膝をつく先生の肩をぽんと手を置いた。
「マリー様…どうして…」
「それは先生の事…私凄く気に入ってるんです!勉強を教えるのも上手だし…ここを辞めて貰ったら困ります!」
「マリー様…」
「だから堂々と好きなようにしていて下さい」
ブレス先生は驚いた顔をしてサムさんを見上げた。
サムさんも微笑み頷き返す…二人には言葉など要らないようだった。
それを見て私も満足気に笑うと…
「何してるの…」
微笑みあっていた私達をシリルがじっと見ていた。
「あっ…シリル…」
さっきまで喧嘩していた事が思い出されて思わず目を逸らしてしまった。
するとシリルの足音が近づいてきた。
そして私の手をギュッと握ると自分の方へとグイッと引き寄せる。
「マリーは渡さないから…」
意外と力の強いシリルに驚いているとシリルは私を隠すように立ちブレス先生を威嚇する様に睨みつけた。
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