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30.シリル視点
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ぼくはずっとくらい場所にいた
そこは痛くて暗くてさびしいところ…
ずっと泣いて泣いて助けを呼んだけど…誰も来ない場所
来るのはぼくをいじめる人だけ…
目から流れる水が枯れて出なく無くなった頃、初めて見る人がぼくの前に現れた。
その人はぼくを見て変な顔をする、その顔は今まで見たことない顔だった…
あの顔の意味はなんだろう?
おこってもいない…気持ち悪そうにもしていない…睨むでもいない…なんか…悲しそう?
その人は寝ているぼくを抱き上げてくらい場所から明るい場所へと連れていった…
その明るさに驚いてぼくは思わずその人から飛び降りて隠れた!
今度は狭い動く場所に入れられる…
どうにか隙間を見つけて隠れていると動く物が止まった…そして扉が開いて人がまた入ってくる…
こわい…
大きな人が覗き込んでいる…
ぼくは固まっているとその人は何もしないで出ていった…ホッとしていると扉が開いていることに気がついた!
あそこから逃げられる?
ぼくはいそいでそこから飛び出した!すると今度は前に似た部屋だった…石に囲まれ少し落ち着く。
バタンッ!
扉を閉められた…そうか…今度はここで暮らすのか…なら隠れる場所を探そう…僕を見るとみんな嫌な気持ちになるから
部屋の隅を探るとちょうどいい穴があった…ぼくは迷うこと無くその穴に入った。
狭く光の届かないその穴はすごく落ち着いた…
ぼくはもうずっとここにいようかな…と思っているとその穴に誰かが入ってきた!
ぼくはバレないようにそっと息を潜める…しかしそれは構うことなく近づいてきてぼくに触れた…
ビクッ!
驚いてしまった!これをすると叩かれる!
ぼくはサッと頭を隠すと…
ゴンッ!
何かがぶつかる音がしてそれはぼくに謝った…
ごめんなさいと…
初めて人からきく言葉…それはぼくがずっと言ってきた言葉だった。
言われたのは初めてだ…
うっすらと見えるその子はふわふわの髪の毛に、大きな目をこちらに向ける。
どうやらぶつけたのは頭のようだ、おデコを赤くして 痛いと笑ってる。
痛いのに笑えるんだ…凄いな…
この子はどうやらぼくがここに居るのを不思議に思っているみたいだ…ぼくは好きでいるのに…
一緒に出ようと言われるが首を振って断る…外はこわい…
するとうんうんと頷いている。
怒られるのは怖いよねと…
もしかしてこの子もぼくと同じなのかな?
それになんだかこの子は怖くない…大きなおとなとは違って僕よりも小さいからかもしれない…
この子は怒られるのは自分の為に言うのだと言うがそれは違う…
ぼくのいたところの人は笑ってぼくを殴る…怒ってぼくを蹴るんだ…やっぱりこの子はぼくと違う…
みんなぼくのことがきらいなんだ…
開きかけたドアが閉まるのを感じると…
「わたしはすきー」
その子はそういうとぼくの手を握りしめた。
いつ間にか震えていた体がその子の温もりで落ち着いてくる…
こんなに温かいものにぼくは触った事がなかった。
でも…ぼくを見たらきらいになる、みんなそうだから…
そんな不安を見透かすようにその子は言った
きらいにならない、まもってあげると
守る?
ずっとずっと神様に頼んできた事だった…誰か助けて…ぼくを守ってって…
ぼくはその言葉とこの温もりをずっと待っていたんだ…
そこは痛くて暗くてさびしいところ…
ずっと泣いて泣いて助けを呼んだけど…誰も来ない場所
来るのはぼくをいじめる人だけ…
目から流れる水が枯れて出なく無くなった頃、初めて見る人がぼくの前に現れた。
その人はぼくを見て変な顔をする、その顔は今まで見たことない顔だった…
あの顔の意味はなんだろう?
おこってもいない…気持ち悪そうにもしていない…睨むでもいない…なんか…悲しそう?
その人は寝ているぼくを抱き上げてくらい場所から明るい場所へと連れていった…
その明るさに驚いてぼくは思わずその人から飛び降りて隠れた!
今度は狭い動く場所に入れられる…
どうにか隙間を見つけて隠れていると動く物が止まった…そして扉が開いて人がまた入ってくる…
こわい…
大きな人が覗き込んでいる…
ぼくは固まっているとその人は何もしないで出ていった…ホッとしていると扉が開いていることに気がついた!
あそこから逃げられる?
ぼくはいそいでそこから飛び出した!すると今度は前に似た部屋だった…石に囲まれ少し落ち着く。
バタンッ!
扉を閉められた…そうか…今度はここで暮らすのか…なら隠れる場所を探そう…僕を見るとみんな嫌な気持ちになるから
部屋の隅を探るとちょうどいい穴があった…ぼくは迷うこと無くその穴に入った。
狭く光の届かないその穴はすごく落ち着いた…
ぼくはもうずっとここにいようかな…と思っているとその穴に誰かが入ってきた!
ぼくはバレないようにそっと息を潜める…しかしそれは構うことなく近づいてきてぼくに触れた…
ビクッ!
驚いてしまった!これをすると叩かれる!
ぼくはサッと頭を隠すと…
ゴンッ!
何かがぶつかる音がしてそれはぼくに謝った…
ごめんなさいと…
初めて人からきく言葉…それはぼくがずっと言ってきた言葉だった。
言われたのは初めてだ…
うっすらと見えるその子はふわふわの髪の毛に、大きな目をこちらに向ける。
どうやらぶつけたのは頭のようだ、おデコを赤くして 痛いと笑ってる。
痛いのに笑えるんだ…凄いな…
この子はどうやらぼくがここに居るのを不思議に思っているみたいだ…ぼくは好きでいるのに…
一緒に出ようと言われるが首を振って断る…外はこわい…
するとうんうんと頷いている。
怒られるのは怖いよねと…
もしかしてこの子もぼくと同じなのかな?
それになんだかこの子は怖くない…大きなおとなとは違って僕よりも小さいからかもしれない…
この子は怒られるのは自分の為に言うのだと言うがそれは違う…
ぼくのいたところの人は笑ってぼくを殴る…怒ってぼくを蹴るんだ…やっぱりこの子はぼくと違う…
みんなぼくのことがきらいなんだ…
開きかけたドアが閉まるのを感じると…
「わたしはすきー」
その子はそういうとぼくの手を握りしめた。
いつ間にか震えていた体がその子の温もりで落ち着いてくる…
こんなに温かいものにぼくは触った事がなかった。
でも…ぼくを見たらきらいになる、みんなそうだから…
そんな不安を見透かすようにその子は言った
きらいにならない、まもってあげると
守る?
ずっとずっと神様に頼んできた事だった…誰か助けて…ぼくを守ってって…
ぼくはその言葉とこの温もりをずっと待っていたんだ…
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