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15.テオドール視点3

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今日は勉強中にどうも集中出来ず、講師に注意されてしまう。

「テオドール様、今日はどうされたのですか?いつもならこんなところではミスなどしないのに…このままではジェラート様のご子息として恥ずかしいですよ!」

一番言われたくない言葉を投げかけられる。

父が優秀なのはわかっている!私だってそれに恥じぬ様に努力をしているつもりだった。

そんな中休憩となり…私はどうしてもマリーに会いたくなりそっと部屋を抜け出した…

いつもの部屋に行き扉を開くと、そこにはフローラ様がマリーにミルクをあげていた。

しまった…今日はフローラ様がいる日だった…

私は謝罪して部屋を出ようとすると、フローラ様から部屋に居ていいと言われる。

マリーの顔だけ少し見て帰ろう。

そう思い、その好意に甘えて部屋へと入らせて貰うと、フローラ様は嬉しそうに私に笑いかける…その笑顔はマリーと似ていた。

ほっとする笑顔に隣に用意された椅子に座ると、マリーにミルクをあげてみないかと言われる。

ここに来てはマリーの頭を撫でたり、頬をつついて見たり、手を握ったりしていたがだき抱えた事は無かった…いいのかと見上げると、フローラ様は構わずにマリーを私の膝に乗せた。

左手を優しく取られてマリーを支える場所を教えられる。

右手に哺乳瓶を持たされると勝手に飲むからと促された…マリーを見ると早く飲みたいのか目が哺乳瓶を追っている。

そっと近づけるとマリーは一生懸命にミルクを吸い出した、夢中になっているのか私のミルクを持つ手をギュッと掴んで美味しそうに目を閉じている。

私を信じて全てを預けてくれる感じに、この子を守ってやらなければという思いが強くなる。

ミルクを飲み終えると満足そうに息を吐いた。

げっぷをさせてやれと言われて教わった通りにすると耳元で可愛い声がした…

再び抱きしめてその顔を見ると…なんだか驚いた様な顔を見せる。

まさか母から兄に変わった事に今気がついたのだろうか…おかしくなり思わず笑うとマリーはなんだか考え深い顔をして

「あう、あう…」

コクコクと頷く。

「ぶっ!」

なんだか赤子とは思えない表情につい声を出して笑ってしまった。

しまったとフローラ様を見るがニコニコと嬉しそうに私とマリーを見守る様に見ている。

「ここには何時でも来てくださって構いませんからね。私もテオドール様がマリーに会いに来てくださるのとても嬉しいです」

「ありがとう…」

ついそんな言葉が口から漏れた…

いつの間にか心にあったモヤモヤや焦る気持ちが消えていた…

こうして私には優しい母と可愛い妹という新しい家族が出来たのだった。
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