13 / 107
13.テオドール視点
しおりを挟む
私はアンスロット侯爵家の長兄として生まれた…
自分で言うのもなんだが、私は良くできる子だ…大抵の事は一度聞けば理解出来るし大体覚えられる。
運動神経も悪くないようで五歳になる頃には教師をつけて毎日鍛錬も行っている。
そんな優秀な自分には厳しい母親がいた…母は何かにつけては私に長兄だからしっかりしなさいと厳しく当たっていた…
反抗もしてみたが…そうするとヒステリックになり宥めるのが一苦労。
周りのメイド達も大変そうなので私は母の前では特にいい子を演じていた。
そんなある日母の機嫌が日に日に悪くなっていった…どうやら原因は新しく迎えた第二夫人にあるようだ。
ただでさえあまり部屋を訪ねて来ない父がさらに来る回数が減ってしまうとやきもきしていたらしい…まぁ物心ついてから会った父を見る限りそんな心配はしても無駄な気がする。
あの人は他人を寄せ付けない人だ…家族である私達ですら他人だと思っていそうだ。
現に私は生まれてからの7年間触れられたのは数える程だ…
しかしそんな母の心配は現実のものとなった。
第二夫人のフローラ様にお子が生まれると父はフローラ様とその子供に夢中になった…
良かったのは私への対応も優しくなった事だ…最近は頭を撫でる回数が増えて来た…最初はたどたどしかったその手も今では軽く置けるようになっている…まぁ私は別に撫でてもらわなくても構わなかったが…
しかし明るく柔らかくなった屋敷の雰囲気と対称的に母の機嫌はみるみる悪くなる。
私の顔を見れば…
「あなたがもっと頑張らないから、旦那様はあの女の所に行ってしまったのよ!」
そう言って怒鳴りつけるようになっていた。
微笑んでいれば美しかった顔も今では見る影もない…常に怒っている目は吊り上がり眉間には取れないシワが刻まれていた。
そんな母の変化も全て私の責任らしく…酷い時には見えないところで叩かれる事もあった。
そんな私をメイドの一人がこっそりと介抱してくれた…優しい人かと思っていたが…
「坊っちゃまは本当に綺麗な体をしてらっしゃいますね…食べちゃいたいくらい…」
そう言って捕食するような目を向けられ背中を舐められた時には全身に鳥肌がたった…
悩んだがトーマスにこっそりとその事を伝えると次の日そのメイドの姿は消えていた…
私はこの時思った…女性とはろくなものではないと…
自分で言うのもなんだが、私は良くできる子だ…大抵の事は一度聞けば理解出来るし大体覚えられる。
運動神経も悪くないようで五歳になる頃には教師をつけて毎日鍛錬も行っている。
そんな優秀な自分には厳しい母親がいた…母は何かにつけては私に長兄だからしっかりしなさいと厳しく当たっていた…
反抗もしてみたが…そうするとヒステリックになり宥めるのが一苦労。
周りのメイド達も大変そうなので私は母の前では特にいい子を演じていた。
そんなある日母の機嫌が日に日に悪くなっていった…どうやら原因は新しく迎えた第二夫人にあるようだ。
ただでさえあまり部屋を訪ねて来ない父がさらに来る回数が減ってしまうとやきもきしていたらしい…まぁ物心ついてから会った父を見る限りそんな心配はしても無駄な気がする。
あの人は他人を寄せ付けない人だ…家族である私達ですら他人だと思っていそうだ。
現に私は生まれてからの7年間触れられたのは数える程だ…
しかしそんな母の心配は現実のものとなった。
第二夫人のフローラ様にお子が生まれると父はフローラ様とその子供に夢中になった…
良かったのは私への対応も優しくなった事だ…最近は頭を撫でる回数が増えて来た…最初はたどたどしかったその手も今では軽く置けるようになっている…まぁ私は別に撫でてもらわなくても構わなかったが…
しかし明るく柔らかくなった屋敷の雰囲気と対称的に母の機嫌はみるみる悪くなる。
私の顔を見れば…
「あなたがもっと頑張らないから、旦那様はあの女の所に行ってしまったのよ!」
そう言って怒鳴りつけるようになっていた。
微笑んでいれば美しかった顔も今では見る影もない…常に怒っている目は吊り上がり眉間には取れないシワが刻まれていた。
そんな母の変化も全て私の責任らしく…酷い時には見えないところで叩かれる事もあった。
そんな私をメイドの一人がこっそりと介抱してくれた…優しい人かと思っていたが…
「坊っちゃまは本当に綺麗な体をしてらっしゃいますね…食べちゃいたいくらい…」
そう言って捕食するような目を向けられ背中を舐められた時には全身に鳥肌がたった…
悩んだがトーマスにこっそりとその事を伝えると次の日そのメイドの姿は消えていた…
私はこの時思った…女性とはろくなものではないと…
26
お気に入りに追加
2,526
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

別に要りませんけど?
ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」
そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。
「……別に要りませんけど?」
※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。
※なろうでも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる