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ロレッタは味は感じずともお腹が膨れて満足する。
食器を下げてもらうとフレッド王子に向き合い姿勢を正した。
「それで、フレッド様会わせて頂けますか?」
「うっ…覚えてるよな…」
王子は話を上手く反らせたと思ったのかガックリとした顔を見せた。
「なんのお話ですか?」
エミリーさんが食器を片付けながら話しかけてくる。
「実は…ルフレシア様にお会いして何故こんな事をしたのかお聞きしたく…」
「彼女が本当の事を話すとも思えない、それに次に何かされたら…俺は彼女をもう許すことはできない…」
「フレッド様…大丈夫です。決してそんな事にはなりません、ルフレシア様は本当にフレッド様の事が好きだったのだと思います…」
「それなら尚更君が会うのは危ないのでは…」
「そうですよ!ロレッタ様が会う必要など…何か伝えたいのなら手紙でも…」
エミリーさんも心配そうにする。
「そうですね…ではまずは手紙を書いて見ます」
ロレッタが諦めてくれたようで王子とエミリーはホッと胸を撫で下ろした。
ロレッタは早速と起き上がって机に向かおうとすると…
「うっ…」
お腹ら辺を押さえて顔を顰めた。
「どうした!?」
フレッドは慌てて駆け寄るとよろけたロレッタを支えた。
「あっ、な、なんでもありません。少しよろけただけで…」
ロレッタは大丈夫だと歩くが何かぎこちない。
「本当に大丈夫なのか!?なんか歩き方が変だぞ!」
フレッドは納得出来ないとロレッタに詰め寄る!
「ちゃんと話して欲しい…もしできないのならこのまま抱き上げて医務室に連れていく」
悲痛な面持ちでロレッタを見つめる。
そんな心配そうな顔をされてロレッタは悩んだ…そして諦めた様に口を開いた。
フレッド王子に近くに来て欲しいと手招きすると、耳元で呟いた。
「その…なんだかまだ王子が入っているような感覚がして…違和感が…」
顔を真っ赤にして下を見る。
「俺が、入って…?」
フレッドはロレッタの視線に合わせて下を見ると…
「あぁ…」
昨夜の事を思い出してニヤリと笑った、そしてロレッタの腰に手をそっと労る様に添える。
「それはすまなかった、でもそれも慣れてもらわないとな…」
「無理です…こんな事慣れるわけありません…」
ロレッタは恥ずかしさに顔を覆い隠した。
恥ずかしがるロレッタは可愛いが今は無理をした体の方が心配なのでロレッタをソファーに座らせて手紙の用意をエミリーに頼んだ。
「手紙がかけたら私からルフレシアに渡そう」
「お願い致します」
ロレッタは深々と頭を下げた。
ロレッタが手紙を書いている間にフレッドはシドの元に向かうことにした。
部屋を護衛する兵士達にしっかりと守るようにと声をかけるといつも以上に気合いの入った声が返ってくる。
あまりロレッタのそばを長く離れたくないフレッドは足早に執務室へと向かった。
食器を下げてもらうとフレッド王子に向き合い姿勢を正した。
「それで、フレッド様会わせて頂けますか?」
「うっ…覚えてるよな…」
王子は話を上手く反らせたと思ったのかガックリとした顔を見せた。
「なんのお話ですか?」
エミリーさんが食器を片付けながら話しかけてくる。
「実は…ルフレシア様にお会いして何故こんな事をしたのかお聞きしたく…」
「彼女が本当の事を話すとも思えない、それに次に何かされたら…俺は彼女をもう許すことはできない…」
「フレッド様…大丈夫です。決してそんな事にはなりません、ルフレシア様は本当にフレッド様の事が好きだったのだと思います…」
「それなら尚更君が会うのは危ないのでは…」
「そうですよ!ロレッタ様が会う必要など…何か伝えたいのなら手紙でも…」
エミリーさんも心配そうにする。
「そうですね…ではまずは手紙を書いて見ます」
ロレッタが諦めてくれたようで王子とエミリーはホッと胸を撫で下ろした。
ロレッタは早速と起き上がって机に向かおうとすると…
「うっ…」
お腹ら辺を押さえて顔を顰めた。
「どうした!?」
フレッドは慌てて駆け寄るとよろけたロレッタを支えた。
「あっ、な、なんでもありません。少しよろけただけで…」
ロレッタは大丈夫だと歩くが何かぎこちない。
「本当に大丈夫なのか!?なんか歩き方が変だぞ!」
フレッドは納得出来ないとロレッタに詰め寄る!
「ちゃんと話して欲しい…もしできないのならこのまま抱き上げて医務室に連れていく」
悲痛な面持ちでロレッタを見つめる。
そんな心配そうな顔をされてロレッタは悩んだ…そして諦めた様に口を開いた。
フレッド王子に近くに来て欲しいと手招きすると、耳元で呟いた。
「その…なんだかまだ王子が入っているような感覚がして…違和感が…」
顔を真っ赤にして下を見る。
「俺が、入って…?」
フレッドはロレッタの視線に合わせて下を見ると…
「あぁ…」
昨夜の事を思い出してニヤリと笑った、そしてロレッタの腰に手をそっと労る様に添える。
「それはすまなかった、でもそれも慣れてもらわないとな…」
「無理です…こんな事慣れるわけありません…」
ロレッタは恥ずかしさに顔を覆い隠した。
恥ずかしがるロレッタは可愛いが今は無理をした体の方が心配なのでロレッタをソファーに座らせて手紙の用意をエミリーに頼んだ。
「手紙がかけたら私からルフレシアに渡そう」
「お願い致します」
ロレッタは深々と頭を下げた。
ロレッタが手紙を書いている間にフレッドはシドの元に向かうことにした。
部屋を護衛する兵士達にしっかりと守るようにと声をかけるといつも以上に気合いの入った声が返ってくる。
あまりロレッタのそばを長く離れたくないフレッドは足早に執務室へと向かった。
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