44 / 98
44.
しおりを挟む
ロレッタは味は感じずともお腹が膨れて満足する。
食器を下げてもらうとフレッド王子に向き合い姿勢を正した。
「それで、フレッド様会わせて頂けますか?」
「うっ…覚えてるよな…」
王子は話を上手く反らせたと思ったのかガックリとした顔を見せた。
「なんのお話ですか?」
エミリーさんが食器を片付けながら話しかけてくる。
「実は…ルフレシア様にお会いして何故こんな事をしたのかお聞きしたく…」
「彼女が本当の事を話すとも思えない、それに次に何かされたら…俺は彼女をもう許すことはできない…」
「フレッド様…大丈夫です。決してそんな事にはなりません、ルフレシア様は本当にフレッド様の事が好きだったのだと思います…」
「それなら尚更君が会うのは危ないのでは…」
「そうですよ!ロレッタ様が会う必要など…何か伝えたいのなら手紙でも…」
エミリーさんも心配そうにする。
「そうですね…ではまずは手紙を書いて見ます」
ロレッタが諦めてくれたようで王子とエミリーはホッと胸を撫で下ろした。
ロレッタは早速と起き上がって机に向かおうとすると…
「うっ…」
お腹ら辺を押さえて顔を顰めた。
「どうした!?」
フレッドは慌てて駆け寄るとよろけたロレッタを支えた。
「あっ、な、なんでもありません。少しよろけただけで…」
ロレッタは大丈夫だと歩くが何かぎこちない。
「本当に大丈夫なのか!?なんか歩き方が変だぞ!」
フレッドは納得出来ないとロレッタに詰め寄る!
「ちゃんと話して欲しい…もしできないのならこのまま抱き上げて医務室に連れていく」
悲痛な面持ちでロレッタを見つめる。
そんな心配そうな顔をされてロレッタは悩んだ…そして諦めた様に口を開いた。
フレッド王子に近くに来て欲しいと手招きすると、耳元で呟いた。
「その…なんだかまだ王子が入っているような感覚がして…違和感が…」
顔を真っ赤にして下を見る。
「俺が、入って…?」
フレッドはロレッタの視線に合わせて下を見ると…
「あぁ…」
昨夜の事を思い出してニヤリと笑った、そしてロレッタの腰に手をそっと労る様に添える。
「それはすまなかった、でもそれも慣れてもらわないとな…」
「無理です…こんな事慣れるわけありません…」
ロレッタは恥ずかしさに顔を覆い隠した。
恥ずかしがるロレッタは可愛いが今は無理をした体の方が心配なのでロレッタをソファーに座らせて手紙の用意をエミリーに頼んだ。
「手紙がかけたら私からルフレシアに渡そう」
「お願い致します」
ロレッタは深々と頭を下げた。
ロレッタが手紙を書いている間にフレッドはシドの元に向かうことにした。
部屋を護衛する兵士達にしっかりと守るようにと声をかけるといつも以上に気合いの入った声が返ってくる。
あまりロレッタのそばを長く離れたくないフレッドは足早に執務室へと向かった。
食器を下げてもらうとフレッド王子に向き合い姿勢を正した。
「それで、フレッド様会わせて頂けますか?」
「うっ…覚えてるよな…」
王子は話を上手く反らせたと思ったのかガックリとした顔を見せた。
「なんのお話ですか?」
エミリーさんが食器を片付けながら話しかけてくる。
「実は…ルフレシア様にお会いして何故こんな事をしたのかお聞きしたく…」
「彼女が本当の事を話すとも思えない、それに次に何かされたら…俺は彼女をもう許すことはできない…」
「フレッド様…大丈夫です。決してそんな事にはなりません、ルフレシア様は本当にフレッド様の事が好きだったのだと思います…」
「それなら尚更君が会うのは危ないのでは…」
「そうですよ!ロレッタ様が会う必要など…何か伝えたいのなら手紙でも…」
エミリーさんも心配そうにする。
「そうですね…ではまずは手紙を書いて見ます」
ロレッタが諦めてくれたようで王子とエミリーはホッと胸を撫で下ろした。
ロレッタは早速と起き上がって机に向かおうとすると…
「うっ…」
お腹ら辺を押さえて顔を顰めた。
「どうした!?」
フレッドは慌てて駆け寄るとよろけたロレッタを支えた。
「あっ、な、なんでもありません。少しよろけただけで…」
ロレッタは大丈夫だと歩くが何かぎこちない。
「本当に大丈夫なのか!?なんか歩き方が変だぞ!」
フレッドは納得出来ないとロレッタに詰め寄る!
「ちゃんと話して欲しい…もしできないのならこのまま抱き上げて医務室に連れていく」
悲痛な面持ちでロレッタを見つめる。
そんな心配そうな顔をされてロレッタは悩んだ…そして諦めた様に口を開いた。
フレッド王子に近くに来て欲しいと手招きすると、耳元で呟いた。
「その…なんだかまだ王子が入っているような感覚がして…違和感が…」
顔を真っ赤にして下を見る。
「俺が、入って…?」
フレッドはロレッタの視線に合わせて下を見ると…
「あぁ…」
昨夜の事を思い出してニヤリと笑った、そしてロレッタの腰に手をそっと労る様に添える。
「それはすまなかった、でもそれも慣れてもらわないとな…」
「無理です…こんな事慣れるわけありません…」
ロレッタは恥ずかしさに顔を覆い隠した。
恥ずかしがるロレッタは可愛いが今は無理をした体の方が心配なのでロレッタをソファーに座らせて手紙の用意をエミリーに頼んだ。
「手紙がかけたら私からルフレシアに渡そう」
「お願い致します」
ロレッタは深々と頭を下げた。
ロレッタが手紙を書いている間にフレッドはシドの元に向かうことにした。
部屋を護衛する兵士達にしっかりと守るようにと声をかけるといつも以上に気合いの入った声が返ってくる。
あまりロレッタのそばを長く離れたくないフレッドは足早に執務室へと向かった。
37
お気に入りに追加
3,556
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる