34 / 98
34.
しおりを挟む
ロレッタといた男とルフレシアの方はとりあえずシドに任せる事にした。
「ロレッタが落ち着くまではあいつらには手を出さないでくれ」
「いいのですか?」
「ああ、聞きたい事がある」
フレッド王子の意外な言葉にシドは聞き返してしまった。
兵士が男を連れて行くとフレッドはシドと自室へと向かった。
「ロレッタ様!!」
すると部屋の前ではエミリーがまだかまだかとウロウロしながらロレッタの帰りを待っていた。
「エミリー!今は触れるな…ロレッタは媚薬を飲まさせたようだ。これから部屋で休ませる…回復したらすぐに呼ぶから」
「は、はい…ロレッタ様…申し訳ありません」
エミリーは心配そうにロレッタが見えなくなるまで見つめていた。
フレッドはロレッタをベッドに横たえると…扉へと向かう。
「いいか、誰も部屋に近づけるな…俺が出てくるまで」
「「は、はい」」
フレッド王子が固くその扉を閉めると兵士達は背を向けて扉から少し離れた。
フレッドは扉が閉まっていることを再度確認していると…
「んっ…」
ロレッタの喘ぐ声に慌ててベッドへと駆け寄った!
「大丈夫か?」
ロレッタははぁはぁと苦しそうに息をしている。
フレッドは水を用意するとロレッタの上半身を支えて起こした。
「水だ、少しは楽になるから飲むんだ」
しかしロレッタはダラダラと口に当てた水をこぼしてしまい中々飲み込めない。
フレッドは自分で水を含むとロレッタの口から水を流し込む。
ゴクリ…
ロレッタが水を飲むのを確認すると…
「はぁ…」
ロレッタが軽く息を吐いた。
「ロレッタ…大丈夫か?このまま耐えられそうか?」
「フ、フレッドさま…ここは…」
「私の自室だ…人払いはしてある。この度の事は私の失態だ…ロレッタの望む通りにする。君はどうしたい?」
フレッドの真剣な顔にロレッタは頭がボーッとなりながら王子の顔を見つめた…
そして両手を伸ばして悲しそうな顔のフレッド王子の頬を手を当てる。
「だいじょうぶ…ですか?」
「君は…」
ロレッタは自分がこんな状態にも関わらず他人の心配をしてきた。
フレッドはロレッタの熱い手をギュッと握りしめてその手を唇に当てた。
「すまない…本当にすまない…君の望む通りにしよう。どうして欲しい?なんでも言ってごらん…」
「のぞみ…?わたしの?」
「ああ…」
「わたしの…のぞみは…フレッドさまのおそばに…」
ロレッタはギュッとフレッドに抱きついた。
「こんな私でもまだいいと言ってくれるのか?」
「はい…わたしにはじめて…やさしくしてくれた…かたですから…」
「ありがとう…君を…君だけを一生大事にすると誓うよ」
フレッドは優しくロレッタのおでこに誓いのキスをした。
「んっ…」
唇が触れるとロレッタの体がビクッと反応する…まだ媚薬の効果は続いているようだった。
「ロレッタ…優しくする…おいで」
フレッド王子が手を広げるとロレッタは幸せそうに笑い、吸い込まれるようにゆっくりと抱きついた。
「ロレッタが落ち着くまではあいつらには手を出さないでくれ」
「いいのですか?」
「ああ、聞きたい事がある」
フレッド王子の意外な言葉にシドは聞き返してしまった。
兵士が男を連れて行くとフレッドはシドと自室へと向かった。
「ロレッタ様!!」
すると部屋の前ではエミリーがまだかまだかとウロウロしながらロレッタの帰りを待っていた。
「エミリー!今は触れるな…ロレッタは媚薬を飲まさせたようだ。これから部屋で休ませる…回復したらすぐに呼ぶから」
「は、はい…ロレッタ様…申し訳ありません」
エミリーは心配そうにロレッタが見えなくなるまで見つめていた。
フレッドはロレッタをベッドに横たえると…扉へと向かう。
「いいか、誰も部屋に近づけるな…俺が出てくるまで」
「「は、はい」」
フレッド王子が固くその扉を閉めると兵士達は背を向けて扉から少し離れた。
フレッドは扉が閉まっていることを再度確認していると…
「んっ…」
ロレッタの喘ぐ声に慌ててベッドへと駆け寄った!
「大丈夫か?」
ロレッタははぁはぁと苦しそうに息をしている。
フレッドは水を用意するとロレッタの上半身を支えて起こした。
「水だ、少しは楽になるから飲むんだ」
しかしロレッタはダラダラと口に当てた水をこぼしてしまい中々飲み込めない。
フレッドは自分で水を含むとロレッタの口から水を流し込む。
ゴクリ…
ロレッタが水を飲むのを確認すると…
「はぁ…」
ロレッタが軽く息を吐いた。
「ロレッタ…大丈夫か?このまま耐えられそうか?」
「フ、フレッドさま…ここは…」
「私の自室だ…人払いはしてある。この度の事は私の失態だ…ロレッタの望む通りにする。君はどうしたい?」
フレッドの真剣な顔にロレッタは頭がボーッとなりながら王子の顔を見つめた…
そして両手を伸ばして悲しそうな顔のフレッド王子の頬を手を当てる。
「だいじょうぶ…ですか?」
「君は…」
ロレッタは自分がこんな状態にも関わらず他人の心配をしてきた。
フレッドはロレッタの熱い手をギュッと握りしめてその手を唇に当てた。
「すまない…本当にすまない…君の望む通りにしよう。どうして欲しい?なんでも言ってごらん…」
「のぞみ…?わたしの?」
「ああ…」
「わたしの…のぞみは…フレッドさまのおそばに…」
ロレッタはギュッとフレッドに抱きついた。
「こんな私でもまだいいと言ってくれるのか?」
「はい…わたしにはじめて…やさしくしてくれた…かたですから…」
「ありがとう…君を…君だけを一生大事にすると誓うよ」
フレッドは優しくロレッタのおでこに誓いのキスをした。
「んっ…」
唇が触れるとロレッタの体がビクッと反応する…まだ媚薬の効果は続いているようだった。
「ロレッタ…優しくする…おいで」
フレッド王子が手を広げるとロレッタは幸せそうに笑い、吸い込まれるようにゆっくりと抱きついた。
11
お気に入りに追加
3,559
あなたにおすすめの小説
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
なんで私だけ我慢しなくちゃならないわけ?
ワールド
恋愛
私、フォン・クラインハートは、由緒正しき家柄に生まれ、常に家族の期待に応えるべく振る舞ってまいりましたわ。恋愛、趣味、さらには私の将来に至るまで、すべては家名と伝統のため。しかし、これ以上、我慢するのは終わりにしようと決意いたしましたわ。
だってなんで私だけ我慢しなくちゃいけないと思ったんですもの。
これからは好き勝手やらせてもらいますわ。
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる