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「ロレッタさん、こちらに着いてきてくださる?」
ルフレシア様は自分が来た方向とは逆の道を歩き出した。
「あっ…」
ロレッタは後ろを振り返る…そちらにはエミリーさんが待っているはずだからだ。
何も言わずにここを離れると心配するかもしれない…
「すみません…少しお待ちいただけないでしょうか…連れに離れる事を伝えてきたいのですが…」
ロレッタはエミリーさんのところに行きたいとルフレシア様に頼もうとすると…
「はぁ…あれだけ待たせておいてまだ待たせる気?本当にコスリガ国とは礼儀のなってない国なのね…よくわかったわ」
ルフレシア様の笑っていた顔にみるみると皺が寄ると、呆れたようにため息をついた。
「あ、あの…」
ロレッタはどうすべきか迷ってしまった。
「もし戻るなるもう金輪際私に話しかけないでくださいね。そしてコスリガ国とはそういう国だと解釈させていただきます」
ルフレシア様はサッと背を向けると…
「お、お待ちください!」
ルフレシア様に慌てて声をかけた。
「そ、そんなに長くはかからないでしょうか?」
恐る恐る聞くと…
「ええ、もちろんよ。あなたがモタモタしないでサッと来てくれればすぐにでも終わるわ…」
それなら…
ロレッタは後ろをチラッとみて見えないエミリーさんに謝ると…
「行きます」
ルフレシア様のあとを追った!
※
エミリーはロレッタ様がのんびりと庭園を楽しみながら先に進む様子にホッと胸を撫で下ろした。
庭園を楽しむ余裕があると言うことはリラックスしているのだろうと…
しかしこの国で友達が出来たとはよかった…しかも王子との共通なら安心出来る相手なのだろう。
シド様…と言うことはないだろう…他に誰がいたかと考えを巡らせていた。
何人か候補が頭に浮かび、ロレッタ様が楽しんで帰ってくるのを待っている……が一向に人が出てくる様子がない。
話が弾み長引いているのかしら…
しかしそれにしても遅い、ロレッタ様ならこんなに遅くなるなら一度報告に来そうなものだった。
エミリーは怒られてもいいと覚悟を決めるとガーデンテラスまで早足で向かった!
近づくに連れて嫌な予感が増す…話し声が一切聞こえない…それに人の気配もない!
私が出入り口に居たのだからあそこから出入りするしかないはずなのに誰も通らなかった…
それが今になり嫌な予感に変わる。
ここを抜ければガーデンテラスだ!
この気持ちは杞憂でそこには楽しそうにおしゃべりをしているロレッタ様が居るはず!
しかしエミリーの思いは無惨な結果に終わった。
そこにはロレッタ様は愚か誰一人として居なかった…そのままガーデンテラスから庭園を組まなく探すが…ロレッタ様は見つからなかった…
エミリーはそのまま庭園を出るとロレッタ様の部屋へと走る!
バンッ!と部屋をノックもせずに勢いよく開いた!
「ロレッタ様!?」
「うわっ!」
しかしそこにはお目当ての人はおらずに寝ていたフレッド王子がエミリーの声に驚きに飛び起きた!
「な、なんだ!?」
フレッド王子は身構えると…エミリーさんが凄い形相で詰め寄ってきた。
「な、何事だ」
少し寝惚けたフレッドは剣を取ろうとするが自分の部屋で無いことを思い出した。
そしてエミリーの慌てた様子に只事でないと感じる。
「何があった!?」
「ロレッタ様が!!」
ロレッタと聞いてフレッドの目は一気に覚めた。
ルフレシア様は自分が来た方向とは逆の道を歩き出した。
「あっ…」
ロレッタは後ろを振り返る…そちらにはエミリーさんが待っているはずだからだ。
何も言わずにここを離れると心配するかもしれない…
「すみません…少しお待ちいただけないでしょうか…連れに離れる事を伝えてきたいのですが…」
ロレッタはエミリーさんのところに行きたいとルフレシア様に頼もうとすると…
「はぁ…あれだけ待たせておいてまだ待たせる気?本当にコスリガ国とは礼儀のなってない国なのね…よくわかったわ」
ルフレシア様の笑っていた顔にみるみると皺が寄ると、呆れたようにため息をついた。
「あ、あの…」
ロレッタはどうすべきか迷ってしまった。
「もし戻るなるもう金輪際私に話しかけないでくださいね。そしてコスリガ国とはそういう国だと解釈させていただきます」
ルフレシア様はサッと背を向けると…
「お、お待ちください!」
ルフレシア様に慌てて声をかけた。
「そ、そんなに長くはかからないでしょうか?」
恐る恐る聞くと…
「ええ、もちろんよ。あなたがモタモタしないでサッと来てくれればすぐにでも終わるわ…」
それなら…
ロレッタは後ろをチラッとみて見えないエミリーさんに謝ると…
「行きます」
ルフレシア様のあとを追った!
※
エミリーはロレッタ様がのんびりと庭園を楽しみながら先に進む様子にホッと胸を撫で下ろした。
庭園を楽しむ余裕があると言うことはリラックスしているのだろうと…
しかしこの国で友達が出来たとはよかった…しかも王子との共通なら安心出来る相手なのだろう。
シド様…と言うことはないだろう…他に誰がいたかと考えを巡らせていた。
何人か候補が頭に浮かび、ロレッタ様が楽しんで帰ってくるのを待っている……が一向に人が出てくる様子がない。
話が弾み長引いているのかしら…
しかしそれにしても遅い、ロレッタ様ならこんなに遅くなるなら一度報告に来そうなものだった。
エミリーは怒られてもいいと覚悟を決めるとガーデンテラスまで早足で向かった!
近づくに連れて嫌な予感が増す…話し声が一切聞こえない…それに人の気配もない!
私が出入り口に居たのだからあそこから出入りするしかないはずなのに誰も通らなかった…
それが今になり嫌な予感に変わる。
ここを抜ければガーデンテラスだ!
この気持ちは杞憂でそこには楽しそうにおしゃべりをしているロレッタ様が居るはず!
しかしエミリーの思いは無惨な結果に終わった。
そこにはロレッタ様は愚か誰一人として居なかった…そのままガーデンテラスから庭園を組まなく探すが…ロレッタ様は見つからなかった…
エミリーはそのまま庭園を出るとロレッタ様の部屋へと走る!
バンッ!と部屋をノックもせずに勢いよく開いた!
「ロレッタ様!?」
「うわっ!」
しかしそこにはお目当ての人はおらずに寝ていたフレッド王子がエミリーの声に驚きに飛び起きた!
「な、なんだ!?」
フレッド王子は身構えると…エミリーさんが凄い形相で詰め寄ってきた。
「な、何事だ」
少し寝惚けたフレッドは剣を取ろうとするが自分の部屋で無いことを思い出した。
そしてエミリーの慌てた様子に只事でないと感じる。
「何があった!?」
「ロレッタ様が!!」
ロレッタと聞いてフレッドの目は一気に覚めた。
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