151 / 177
150.
しおりを挟む
「地下にこんな空間が…」
カズキ達は地上と変わらずに生活している住人達を見つめた。
そこには色々な人種の人達が集まっていた。
「ここにいるのはみんな何らかの理由で国を追われた奴らだ…カズキのようにな」
フールが悲しそうに町の人達を見つめた。
「こんな光のない地下で暮らしているのはこの国に何処にも行き場がないからさ…本当ならみんな外で堂々と暮らしたいと思っているはず…」
「でも明るいよ?」
エイトは外と変わらずに明るい事に首を傾げると
「それは魔法で照らしているんだ…この地下には魔法陣が書いてあってここに住むみんなから少しずつ魔力を集めているんだ。それを使って光で地下を照らしているんだ」
「すごい!そんな魔法陣よくかけたわね」
「まぁ…色々とツテを使ってな」
フールが言いにくそうに言葉を濁した。
「町の案内は別にいいよな?遊びに来たわけじゃないだろ?」
「ああ…」
カズキは頷くと
「じゃあ早速人を集めて作戦会議だ!カズキが来たならすぐにでも攻め込める!」
フールが興奮したように拳を握りしめた。
「わかった。子供達は疲れてると思うから何処か部屋で休ませて貰えるか?」
「ああ、好きに使ってくれて構わない。おい!子供達とナナミも部屋に案内してやってくれ」
フールが笑うと近くにいた女の人に声をかける。
「あら、私は作戦に参加するわよ」
「ナナミは戦わなくてもいいんだぞ!その分俺がやるから」
カズキが心配そうにナナミの手を掴むと
「あら、私だってそれなりに戦えるわよ」
ギュッとカズキの手を握り返した。
「そりゃ知ってるけど…ナナミにはもう無理をして欲しくないんだ」
「カズキ…優しいのね。でも仲間を回復するくらいなら私にも手伝えるんじゃない?」
「そうだな!回復役がいてくれると助かる」
フールが頷くと
「それならある程度作戦は聞いておかないと…エイト一人で大丈夫?」
ナナミが心配そうにエイトを見ると
「クイーンとジャックがいるから大丈夫!」
クイーンの手をしっかりと握って安心させるようにナナミに見せた。
「大丈夫みたいね、クイーンちゃんとジャック、エイトをよろしくね」
ナナミはエイトとクイーンの頭に優しく手を置いた。
「うん!」
「ではこの子達は部屋へ連れていきますね」
女性が声をかけると
「よろしくお願いします」
ナナミはコクっと頭を下げた。
「こちらにどうぞ」
女性が笑ってエイト達を案内する。
カズキは楽しそうに周りを見ながらついて行くエイト達をみて微笑んだ。
「じゃあ子供がいなくなったところで俺たちはこっちだ…」
フールが子供達とは反対側に向かって歩き出した。
町の中心にある大きな建物に来るとそこに入っていく。
部屋に入るとかなり広い空間にもう人が集まっていた。
「フール!勇者様が来たって聞いたが、どの方だ!」
「勇者様が来たってことはいよいよなんだよな!?」
「やっとあいつらに復讐できる!」
部屋に入ったフールの顔を見るなり町の人達が詰め寄ってきた。
「みんな慌てるなよ!ほらこいつが勇者カズキだ!」
そう言ってフールは笑顔でカズキを指さした。
カズキ達は地上と変わらずに生活している住人達を見つめた。
そこには色々な人種の人達が集まっていた。
「ここにいるのはみんな何らかの理由で国を追われた奴らだ…カズキのようにな」
フールが悲しそうに町の人達を見つめた。
「こんな光のない地下で暮らしているのはこの国に何処にも行き場がないからさ…本当ならみんな外で堂々と暮らしたいと思っているはず…」
「でも明るいよ?」
エイトは外と変わらずに明るい事に首を傾げると
「それは魔法で照らしているんだ…この地下には魔法陣が書いてあってここに住むみんなから少しずつ魔力を集めているんだ。それを使って光で地下を照らしているんだ」
「すごい!そんな魔法陣よくかけたわね」
「まぁ…色々とツテを使ってな」
フールが言いにくそうに言葉を濁した。
「町の案内は別にいいよな?遊びに来たわけじゃないだろ?」
「ああ…」
カズキは頷くと
「じゃあ早速人を集めて作戦会議だ!カズキが来たならすぐにでも攻め込める!」
フールが興奮したように拳を握りしめた。
「わかった。子供達は疲れてると思うから何処か部屋で休ませて貰えるか?」
「ああ、好きに使ってくれて構わない。おい!子供達とナナミも部屋に案内してやってくれ」
フールが笑うと近くにいた女の人に声をかける。
「あら、私は作戦に参加するわよ」
「ナナミは戦わなくてもいいんだぞ!その分俺がやるから」
カズキが心配そうにナナミの手を掴むと
「あら、私だってそれなりに戦えるわよ」
ギュッとカズキの手を握り返した。
「そりゃ知ってるけど…ナナミにはもう無理をして欲しくないんだ」
「カズキ…優しいのね。でも仲間を回復するくらいなら私にも手伝えるんじゃない?」
「そうだな!回復役がいてくれると助かる」
フールが頷くと
「それならある程度作戦は聞いておかないと…エイト一人で大丈夫?」
ナナミが心配そうにエイトを見ると
「クイーンとジャックがいるから大丈夫!」
クイーンの手をしっかりと握って安心させるようにナナミに見せた。
「大丈夫みたいね、クイーンちゃんとジャック、エイトをよろしくね」
ナナミはエイトとクイーンの頭に優しく手を置いた。
「うん!」
「ではこの子達は部屋へ連れていきますね」
女性が声をかけると
「よろしくお願いします」
ナナミはコクっと頭を下げた。
「こちらにどうぞ」
女性が笑ってエイト達を案内する。
カズキは楽しそうに周りを見ながらついて行くエイト達をみて微笑んだ。
「じゃあ子供がいなくなったところで俺たちはこっちだ…」
フールが子供達とは反対側に向かって歩き出した。
町の中心にある大きな建物に来るとそこに入っていく。
部屋に入るとかなり広い空間にもう人が集まっていた。
「フール!勇者様が来たって聞いたが、どの方だ!」
「勇者様が来たってことはいよいよなんだよな!?」
「やっとあいつらに復讐できる!」
部屋に入ったフールの顔を見るなり町の人達が詰め寄ってきた。
「みんな慌てるなよ!ほらこいつが勇者カズキだ!」
そう言ってフールは笑顔でカズキを指さした。
0
お気に入りに追加
2,044
あなたにおすすめの小説
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
全てを奪われ追放されたけど、実は地獄のようだった家から逃げられてほっとしている。もう絶対に戻らないからよろしく!
蒼衣翼
ファンタジー
俺は誰もが羨む地位を持ち、美男美女揃いの家族に囲まれて生活をしている。
家や家族目当てに近づく奴や、妬んで陰口を叩く奴は数しれず、友人という名のハイエナ共に付きまとわれる生活だ。
何よりも、外からは最高に見える家庭環境も、俺からすれば地獄のようなもの。
やるべきこと、やってはならないことを細かく決められ、家族のなかで一人平凡顔の俺は、みんなから疎ましがられていた。
そんなある日、家にやって来た一人の少年が、鮮やかな手並みで俺の地位を奪い、とうとう俺を家から放逐させてしまう。
やった! 準備をしつつも諦めていた自由な人生が始まる!
俺はもう戻らないから、後は頼んだぞ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる