【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩

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「クイーンはそっちでいいの?」

エイトが確認すると

「うん…前は気にしなかったけど、今はなんかエイトに臭いって思われるのはでなんかヤダ…」

クイーンがそっとつぶやくと

「そんな事で嫌いになったりしないよ~」

エイトが可笑しそうに笑う。

「ニンニクのも美味しいよ、一口食べてみる?」

エイトが自分の分を少しとってクイーンにあげると…

「あーん」

口に運んでくれる。

クイーンは慌てて小さな口を開くと…パクっと食べた。

「お、美味しい…」

クイーンの顔がパァーっと輝くと、エイトは一瞬その顔に見とれる…

「エイト!すごく美味しいよ!はじめてもらった肉も美味しかったけど…こっは味もあっていくらでも食べれちゃう!」

クイーンの喜ぶ姿にエイトは嬉しくなった。

「あっ、でもクイーン食べたらまた大きくなっちゃう?」

エイトが心配すると

「いや、クイーンが大きくなりたいと思っていないなら大丈夫だ。それに大きくなっても人型はそんなに成長はないから大丈夫だろ」

ラネットが教えてくれる。

「じゃあクイーン好きなだけ食べてね」

「でも…」

エイトの前で食べることに躊躇する。

「僕、クイーンの美味しそうに食べる顔好きだなぁ~」

エイトの何気ない言葉にクイーンがエイトの顔を見つめる。

「クイーンの嬉しそうな顔可愛いよ」

「わかった!わたしたくさん食べる!」

クイーンはどんぶりを掴むとご飯をかき込んだ!

「あーあ…せっかく可愛い感じでいたのに…」

ラルクがエイトとクイーンのやり取りに苦笑して見ていると

「あら、でもエイトは嬉しそうよ」

ダレンがにっこりと笑って二人を見ると、クイーンのどんぶりをかき込む姿にエイトは嬉しそうに見ていた。

「意外とお似合いかもな」

「それよりもあっちよ…すごい勢いで食べてるわ…」

見るとラネットが目をギラつかせてどんぶりを平らげている。

ナナミにおかわりをもらいそれもすごい速さで食べていた。

「ラネットさん気に入ったのかしら?」

食べてる様子から気に入ってはくれていそうだが言葉を発しない、ナナミが気になって聞くと

「美味い!美味すぎる!これはナナミが?」

「え?ええ味付けとかは…」

ナナミが頷くと、ラネットはどんぶりを置いてナナミの手を掴んだ。

「こんな美味いものを作れるなんて…ナナミ私の番にならないか?」

「「え?」」

ナナミとカズキが驚いて固まっていると

「こんな美味い料理を作る人は知らない。いい匂いがするし優しい…私はナナミが気に入った」

ラネットはナナミの手の甲にキスをして微笑んだ。
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