116 / 177
115.
しおりを挟む「エイトー!」
ジャックと寄り添って座っているとカズキの心配そうに呼ぶ声が聞こえて来た。
「じ、じいちゃんだ…」
いつもならあの声に呼ばれると喜んで駆け寄っていたが…今はなんだか行きたくない。
そんなエイトの様子にジャックは
「ちゃんとカズキと話せ、このままずっと喋らない訳にもいかないだろ」
「でも…あんな嫌な態度取っちゃった。呆れられたらどうしよう」
ジャックはため息をつくとちょっと待ってろとエイトのそばを離れた。
ジャックはエイトのそばまで来て様子を伺っていたカズキのところに行くと…
「なんでエイトのところに行かない?」
カズキを見つめる。
「いや…あんなに顔を背けられるのは初めてで…エイトに嫌われたんじゃないかと、このまま強引に行けばさらに嫌われると思うと…」
いつも無敵で堂々としているカズキが見る影もない…ジャックは似た者親子に苦笑すると
「早くエイトのところに行ってやってくれよ…泣いてるぞ」
「えっ!」
カズキはエイトに向かって駆け出した!
「エイト!」
小さく丸まっているエイトの背中を見つけるとガバッと抱き上げる!
「エイト!大丈夫か!?」
顔を覗き込むと…驚き目をまん丸にしたエイトが自分を見つめていた…
「なんだ!泣いてないじゃないか…心配させやがって…」
エイトの顔をみてホッとするとギュッと胸に抱きしめた。
エイトは突然の事に驚き反応するのを忘れているとカズキがギュッと抱きしめて硬い胸に自分を押し付ける。
ドキドキといつもより早い鼓動にエイトはカズキを見上げるとちょうど目が合った…
カズキは済まなそうにエイトをみると
「エイト、いきなりあんな事言って悪かったな…俺はエイトがここの暮らしでは窮屈なんじゃないかと思ってな。それで外の世界に行ってもいいんだと言いたかったんだ…本音を言えばずっとエイトとナナミと暮らしたい。離れたくなんてないよ」
カズキの本当の気持ちを聞いてエイトはポロッと涙を流す。
「エ、エイト!」
カズキはエイトの涙を服で拭うと
「どうした?やっぱり許せんか?」
エイトは首を振ると
「違う…じいちゃんが僕の事を邪魔に思ったのかと思って…違うってわかってほっとした…」
エイトはカズキの服をギュッと掴むと
「僕…何処で暮らしても大丈夫…じいちゃん達のそばなら、僕のだってじいちゃん達のそばにずっといたい!じいちゃん達が居ない町や村になんて暮らしたくない」
「いいのか?」
エイトはこくこくと頷くとカズキにギュッと抱きつく。
「そうか…」
カズキは嬉しそうにエイトを抱きしめた。
ジャックと寄り添って座っているとカズキの心配そうに呼ぶ声が聞こえて来た。
「じ、じいちゃんだ…」
いつもならあの声に呼ばれると喜んで駆け寄っていたが…今はなんだか行きたくない。
そんなエイトの様子にジャックは
「ちゃんとカズキと話せ、このままずっと喋らない訳にもいかないだろ」
「でも…あんな嫌な態度取っちゃった。呆れられたらどうしよう」
ジャックはため息をつくとちょっと待ってろとエイトのそばを離れた。
ジャックはエイトのそばまで来て様子を伺っていたカズキのところに行くと…
「なんでエイトのところに行かない?」
カズキを見つめる。
「いや…あんなに顔を背けられるのは初めてで…エイトに嫌われたんじゃないかと、このまま強引に行けばさらに嫌われると思うと…」
いつも無敵で堂々としているカズキが見る影もない…ジャックは似た者親子に苦笑すると
「早くエイトのところに行ってやってくれよ…泣いてるぞ」
「えっ!」
カズキはエイトに向かって駆け出した!
「エイト!」
小さく丸まっているエイトの背中を見つけるとガバッと抱き上げる!
「エイト!大丈夫か!?」
顔を覗き込むと…驚き目をまん丸にしたエイトが自分を見つめていた…
「なんだ!泣いてないじゃないか…心配させやがって…」
エイトの顔をみてホッとするとギュッと胸に抱きしめた。
エイトは突然の事に驚き反応するのを忘れているとカズキがギュッと抱きしめて硬い胸に自分を押し付ける。
ドキドキといつもより早い鼓動にエイトはカズキを見上げるとちょうど目が合った…
カズキは済まなそうにエイトをみると
「エイト、いきなりあんな事言って悪かったな…俺はエイトがここの暮らしでは窮屈なんじゃないかと思ってな。それで外の世界に行ってもいいんだと言いたかったんだ…本音を言えばずっとエイトとナナミと暮らしたい。離れたくなんてないよ」
カズキの本当の気持ちを聞いてエイトはポロッと涙を流す。
「エ、エイト!」
カズキはエイトの涙を服で拭うと
「どうした?やっぱり許せんか?」
エイトは首を振ると
「違う…じいちゃんが僕の事を邪魔に思ったのかと思って…違うってわかってほっとした…」
エイトはカズキの服をギュッと掴むと
「僕…何処で暮らしても大丈夫…じいちゃん達のそばなら、僕のだってじいちゃん達のそばにずっといたい!じいちゃん達が居ない町や村になんて暮らしたくない」
「いいのか?」
エイトはこくこくと頷くとカズキにギュッと抱きつく。
「そうか…」
カズキは嬉しそうにエイトを抱きしめた。
0
お気に入りに追加
2,051
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる