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風呂から出ると脱衣場で腰にタオルを巻きながら冷たい牛乳をゴクゴクと三人で飲むと体の火照りを取りながらドサッと座り込む。

エイトはゴシゴシとジャックの体をタオルで拭いていると…

「エイト…お前どうする、このままラルクと町で暮らしてみるか?」

カズキはずっと考えていた事を口にする…

エイトとの暮らしは楽しい…しかしそれがエイトにとってあまり良い事だとは思っていなかった。

自分達の窮屈な暮らしのせいでエイトの成長を妨げているのではないかと感じていた。

「じいちゃん…それって…どういう事…」

ご機嫌にジャックを撫でていた手が止まるとエイトは伺うようにカズキをじっと見つめた。

「今回エイトは村がどんな所かわかっただろ?エイト次第では町や村…王都なんかでも暮らしていくことができるんだぞ」

「じいちゃんとナナミも行くの?」

カズキはふるふると首を振る…

「俺達は行けん、ここからは出ない…な」

「じゃあ僕も行かない」

エイトはそれだけ言うとまたジャックの毛を拭き出した。

「エイト…」

カズキがもう一度ちゃんと話そうとすると

「はい!ジャック終わり!行こ!」

カズキを無視してジャックを連れて外に飛び出した。

「あーあ、ありゃエイト怒ってるな」

「えっ…えっ!エイトが怒る…ど、どうすりゃいい!何で怒ったんだ!俺なんかしたか?」

カズキが慌ててラルクに詰め寄ると

「そりゃいきなり町で暮らしてみろって言われりゃなぁ~エイトにしてみりゃやっと安心するお前達の元に帰ってきたばかりなのに…」

「俺だってエイトが戻ってきてくれて嬉しいし、ずっと一緒に暮らしたいさ!だがエイトの将来を考えるとこんな窮屈な暮らしをさせてる訳にも行かないんじゃないかと思って…」

カズキがうなだれると

「それをちゃんとエイトに言ってやれよ、あんな事言われたらエイトだって戸惑うに決まってるだろ?」

ラルクの言葉にカズキは急いでエイトの後を追った!


エイトはジャックに寄りかかり薄暗い森のなか二人で座り込んでいると

「どうした?家に帰らないのか?」

ジャックがエイトに話しかける。

「うん…帰りたいけど…」

エイトらしくなくうじうじとしていると

「なんだ、カズキにあんなこと言われたくらいでエイトはどうしたいんだよ」

「僕は…じいちゃん達と一緒なら何処でもいい、町でも村でも王都は…あんまり行きたくないけど…じいちゃんが行くなら行く!…行きたい…ここの暮らしが好きだけど、僕やっぱり邪魔になってきたのかな?」

「そんなわけないだろ」

ジャックが呆れると

「じゃあなんであんな事言ったの?僕にラルク師匠と行けって」

「エイトの事を思ってなんじゃないか?カズキは何でもエイトの事を一番にかんがえてると思うぞ」

「うん…」

エイトは力なく頷きた。
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