【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩

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エイト達は村長の屋敷に向かうと…屋敷の周りは人の気配が全然しない、ラルクは構わずにどんどんと中に入っていくと、屋敷の扉を蹴破る!

「し、師匠!」

エイトが驚いてラルクを見ると

「平気だよ、人の気配がしない…きっとみんなが出かけてるな」

エイトも恐る恐るラルクに続く…キョロキョロと周りを確認するが確かに大きな音がしたのにも関わらず誰も来ない。

「みんな何処に行ったのかな?」

「さぁな…」

ラルクはダレンにコイコイと手招きすると…

「王都から来た荷物は何処に保管している?」

「ああ…こっちよ」

ダレンが勝手知ったる我がアジトを案内する…ラルク達は後をついて行くと村長の部屋へと辿りついた、そしてなんの変哲も無い壁を押すと…

ギィー…

「隠し扉だ!かっこいい!」

エイトが自分も押したいとダレンを手伝う!

扉が開くとラルクが足を踏み入れた。

「やはりここか…」

そこには大量の金と武器…そしてお目当ての魔石が積まれていた…

「エイト、悪いがここの荷物をその鞄に閉まっといてくれないか?」

「え?ここの全部?」

ラルクが頷くと

「わかった!」

エイトが次々に鞄に入れていく。

「ジャックもエイトを手伝ってくれ、俺たちはもう少し屋敷を見てくる」

「はーい!」

エイトとジャックが荷物をしまっている間にラルクはダレンを連れて屋敷の裏へと回ると…

「ここから外に出れるのよ」

ダレンが屋敷から村の外に出る隠し通路を教えると二人でその先を進んで行く…

「やだ…なんか変な匂いが…」

先に進むとツーンと鼻を刺激する匂いがしてきた。

ダレンはハンカチを取り出して鼻を押さえる…すると先に水溜まりが出来ているのが見えた。

「あら…雨でも降ったかしら?」

近づくと、その水は赤黒く染まっていた…

「これってもしかして全部血?」

ダレンが顔を顰める。その先には肉の塊の様なものがあちこちに散らばっていた…

「もしかしてこれって全部あいつら?」

ラルクを見ると…

「さぁどうだろうな?もう原型をとどめてないから確認は出来ないなぁ…でも生きていたとしてももうまともな暮らしは出来んだろう」

ラルク達は血溜まりを避けて先に進む…

「あっ!あれ…」

人らしき塊の先に何か棒が突き刺さっている…そしてその先には…

「これ…村長よね?」

棒の先には村長の首が突き刺さっていた。

その顔は恐怖に染まり恐ろしい形相で死んだ事が分かる…

「どんな事されたらこんな顔になるのかしら…」

ダレンは汚らしい村長の顔を汚物を見るように睨みつけた。

「よし、村長の死は確認した。後は森の方だな」

ラルクが帰るかと引き返そうとすると…

「あっそうだこのままだと衛生的にも良くないな…おい、お前これどうにか出来ないか?」

「どうにかって…どうすんのよ」

「そうだなぁ…面倒だし、燃やして土に埋めちまうか?」

「まぁそのくらいなら」

ダレンはニコッと笑った。
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