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男達は袋を運ぶと無造作に部屋へと投げ入れる。

ドサッ!

動かない中身を心配すること無く男達は部屋に鍵をかけた…

「うっ…」

エイトは投げ捨てられた衝撃で意識を取り戻すと痛む首元を抑える…

目を開くと真っ暗な闇がエイトを包み込んでいた…

「ひっ!じ、じいちゃん…ナナミ…」

呼んでも誰も来ない…ギュッと目を再びつぶると瞳の奥に笑っているじいちゃん達の姿が見える。

エイトは少し落ち着くとフーっと息を吐いた。

少し落ち着いてそっと手を伸ばすとすぐに何かに当たる感触があり上手く体が伸ばせない…

感触的に何かの袋に詰められているようだった…

ライト…

エイトは魔法で明かりを出すとやはり袋の中に詰められているようだった。

何かナイフで…カバンを漁ろうとすると

「ない!」

カバンが何処にもない!

袋の中を探すが何処にもない、エイトはぐっと力を込めて袋を破ろうとするが頑丈な袋でエイトの力でも破くことが出来なかった。

ならばとエイトは火の魔法を使ってみることにする…

少しだけ端の方を焼いてみると…指が通るくらいの穴が開く。

今度は威力を強めて袋を焼くと…みるみると袋に火が広がってしまった!

「熱いっ!」

袋は丸焦げになってしまいエイトも軽く火傷を負う…

「う…上手く出来なかった…」

じいちゃん達ならもっとかっこよく出来るんだろうなぁ…

ちょっと落ち込むと周りの状況を確認する。

見ると狭い部屋に窓はなく何処かの地下のようだった…部屋はひんやりとしていて部屋の隅には簡易トイレのようなものがある…まるで前に住んでいた家のようだった…

エイトは立ち上がって部屋の扉を開けようとするがガチャガチャとカギがかかっていて開けることが出来ない…諦めて壁際に行くと背中を丸めて体を小さくして座る。

こんなところは久しぶりだった…

落ち着いて気を失う前の事を思い出すと…

そうだ、ジャックと男達を追っていて…ジャックが逃げろって言うから走ってたら捕まったんだ…ジャックは無事かな。

『ジャック…』

聞こえるかもわからないが声をかけると…

『エイト!無事か!?』

ジャックの声が聞こえ、いつもの声にほっとする。

『ジャック、うん!大丈夫だよ…なんか部屋の中に閉じ込められてるけど…』

『何かされたのか?』

『ううん、袋に入れられてたから。でも…』

『でもどうした!』

『カバンが無いの…取られちゃったのかもしれない』

『な、なんだ…』

ジャックがほっとしたような声がする。

『今、ラルクとそっちに向かっているから大人しく待ってろよ』

『うん!』

エイトはジャックと話せた事とラルク師匠もいると聞いてポロッと涙が零れた…

するとその涙がじいちゃんがくれた腕輪に落ちてしまった…


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