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動揺しているエイトの変わりにラルクが飯をよそってくれる。
「エイトの作った飯はいい匂いで美味そうだな」
震えるエイトに手を添えて器を持たせると
「ほら食え。自分が作ったんだろ?」
口元まで器を持ってやる。
「うん…」
エイトはスープをチビっと飲むとホッと息をはく…暖かいスープが冷えた体を温めてくれた。
エイトの様子にラルクもスープを飲むと
「美味いなぁ!さすがナナミの息子だな」
そう言われてエイトにも少し笑みが戻る。
「だがこんな事で怖がってるようじゃエイトはギルドには入れないかもなぁ」
心配そうに言うと
「えっ…」
エイトが不安そうにラルクをみると
「お前は少し優し過ぎるな、いいか?依頼によっては相手を殺さないといけないものもある…それでもお前はできるのか?」
「そ、それは悪い事をした人なんだよね?」
「ああ、そうだ…」
全てではないが…
だがそれはエイトには言わないでおく
「なら…大丈夫…僕だって…」
できるとラルクを見上げると…
「まぁ…すぐにはそんな依頼は無いがな。俺だって好きこのんで殺しはしないし、しばらくはそんな依頼は受けさせないから安心しろ」
エイトはそう聞いてホッとすると
「でもその前にお前は力加減を覚えないとな…下手したら本当に相手を殺しちまいそうだ」
「もっとゆっくりやればよかったの?」
「いや、それじゃ駄目だ。素早く直前で緩める感じだな」
ラルクは持っていたスプーンを素早くエイトにぶつけると
コツンッ
見た目に反して軽く頭に感触が走る。
「当てる済んでて緩めることだ。次はこれを意識してみろ」
「わかった!」
エイトはガツガツとスープを食べ終えると焼き終えた肉を持ってくる。
「はい!ラルクおじさんこれも食べて!そしたら剣の稽古してよ」
エイトはジャックにも肉を用意してやると自分の分をさっさと食べる。
元気になったエイトの様子にラルクは苦笑して肉を食べると…
「美味っ!」
もっとゆっくり味わいたかったが、エイトにせがまれて早く食べ終えるとエイトにちょうど良さそうな木の棒を探す。
「じゃあコレで打ってこい」
ラルクは細い枝を持つと構えた。
「いいか、この細い枝を折らないように打ち込んでみろ」
自分の持つ木の棒の半分くらいの太さの棒に打ち込むと…
ボキッ!
あっさりと枝が折れてしまう。
「あっ!」
「全然駄目だ、強すぎる!」
ラルクがまた同じくらいの枝を掴むとエイトが打ち込む…二人はジャックが腹いっぱいになり気持ちよく眠るなかひたすら稽古を続けていた。
「エイトの作った飯はいい匂いで美味そうだな」
震えるエイトに手を添えて器を持たせると
「ほら食え。自分が作ったんだろ?」
口元まで器を持ってやる。
「うん…」
エイトはスープをチビっと飲むとホッと息をはく…暖かいスープが冷えた体を温めてくれた。
エイトの様子にラルクもスープを飲むと
「美味いなぁ!さすがナナミの息子だな」
そう言われてエイトにも少し笑みが戻る。
「だがこんな事で怖がってるようじゃエイトはギルドには入れないかもなぁ」
心配そうに言うと
「えっ…」
エイトが不安そうにラルクをみると
「お前は少し優し過ぎるな、いいか?依頼によっては相手を殺さないといけないものもある…それでもお前はできるのか?」
「そ、それは悪い事をした人なんだよね?」
「ああ、そうだ…」
全てではないが…
だがそれはエイトには言わないでおく
「なら…大丈夫…僕だって…」
できるとラルクを見上げると…
「まぁ…すぐにはそんな依頼は無いがな。俺だって好きこのんで殺しはしないし、しばらくはそんな依頼は受けさせないから安心しろ」
エイトはそう聞いてホッとすると
「でもその前にお前は力加減を覚えないとな…下手したら本当に相手を殺しちまいそうだ」
「もっとゆっくりやればよかったの?」
「いや、それじゃ駄目だ。素早く直前で緩める感じだな」
ラルクは持っていたスプーンを素早くエイトにぶつけると
コツンッ
見た目に反して軽く頭に感触が走る。
「当てる済んでて緩めることだ。次はこれを意識してみろ」
「わかった!」
エイトはガツガツとスープを食べ終えると焼き終えた肉を持ってくる。
「はい!ラルクおじさんこれも食べて!そしたら剣の稽古してよ」
エイトはジャックにも肉を用意してやると自分の分をさっさと食べる。
元気になったエイトの様子にラルクは苦笑して肉を食べると…
「美味っ!」
もっとゆっくり味わいたかったが、エイトにせがまれて早く食べ終えるとエイトにちょうど良さそうな木の棒を探す。
「じゃあコレで打ってこい」
ラルクは細い枝を持つと構えた。
「いいか、この細い枝を折らないように打ち込んでみろ」
自分の持つ木の棒の半分くらいの太さの棒に打ち込むと…
ボキッ!
あっさりと枝が折れてしまう。
「あっ!」
「全然駄目だ、強すぎる!」
ラルクがまた同じくらいの枝を掴むとエイトが打ち込む…二人はジャックが腹いっぱいになり気持ちよく眠るなかひたすら稽古を続けていた。
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