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「お前らみたいなのが何人来ようと変わんねぇよ!」
ラルクは襲ってくる男達を赤子の手をひねるように片付けていく。
見ると同じ所に綺麗に飛ばされた男達が山積みになっていた…
最後の一人も軽く剣の柄で叩き服を引っ掛けて放り投げる。
「さてエイトはどうかな?」
ラルクはエイトとジャックに目を向けると…
「な、なんで捕まらないんだ!」
盗賊のお頭がエイトを捕まえようと追いかけるがエイトはヒラヒラと華麗にステップを踏んで逃げている。
「おじさん…もっと本気でやってよ。それじゃつまんない…」
エイトが退屈な鬼ごっこにガッカリしていると
「この糞ガキが!」
殺さないようにしていた盗賊が構うもんかと剣を抜いた!
「あっ!打ち合いだね!」
エイトは木の枝を構えると
「そんな木の枝叩き切ってくれる!」
盗賊が大きく振りかぶるとエイト目掛けて剣を振り下ろした!
エイトは木の枝で受け止めようと両手で木の枝を持つと…
「エイト!」
ラルクがそれは不味いと駆け寄ろうとする!
「大丈夫だ!」
するとジャックがラルクに声をかけた。
ラルクが踏みとどまると…エイトは盗賊の剣をいなして避ける。
当然木の枝には軽い傷がつく程度だった。
「な、なんでただの木が切れない!?」
盗賊が体勢を整えようとすると…
「隙あり!」
エイトはピョンと跳ねると盗賊の左肩目掛けて木の枝を振り下ろした!
ゴキッ!
「ぎゃー!」
骨の折れる音が響くと、盗賊がのたうち回る。
「えっ…」
エイトは盗賊の暴れ回る姿に怯えて木の枝を離してしまった…
「エイト大丈夫か?」
ラルクは様子がおかしいエイトに駆け寄りながらうるさい盗賊に手刀をかまして静かにさせる。
すぐにエイトの様子を見るが怪我をした様子はなかった…ラルクが無事な様子に安心する。
「どうした?」
唖然と震えながら自分の手を見つめるエイトに声をかけると
「ぼ、ぼく…あんなに強くやるつもりじゃ…あの人あんなに弱いと思わなくて…」
「はっ?」
「ど、どうしよう…あのおじさん…死んじゃった?」
怯えるようにラルクにしがみつく。
「大丈夫だよ、あんな程度の怪我で死ぬわけないだろ?唾でもつけときゃすぐ治るよ」
「嘘…骨が折れたらずっと痛いもん…」
エイトはお腹を抑えて自分の骨が折れた時の痛みを思い出す。
「そうか…そりゃいやな事を思い出させちまったな…」
ラルクが優しくエイトの頭を撫でると
「でも人はそのくらいじゃ死なん。エイトだってわかってるだろ?」
「う、うん…」
心配そうに倒れてる男を見ると
「大丈夫だ、死んでないよ。それに別に死んでも問題ないだろ?」
ジャックが邪魔だとばかりに男に噛み付くとラルクが作った山に放り投げた。
「で、でも…人は殺したくないな…」
エイトが弱々しくつぶやくと
「エイトもいつか殺す覚悟だけはしておけよ」
「殺す覚悟…」
「相手は殺す気できてるんだ。そいつらは死ぬ覚悟があると言うことだ…魔物だってそうだろ?」
「うん…」
「魔物でもわかることを人がわからないわけないだろ?そんな奴らは獣以下だ」
「うん…」
「だからって無闇に殺すことはないがな」
最後は軽く笑って言うと
「さぁ運動もして腹もいい感じに減ったな!早速食べよう!」
ラルクは明るく声をかけるとエイトがコクンと頷いた。
ラルクは襲ってくる男達を赤子の手をひねるように片付けていく。
見ると同じ所に綺麗に飛ばされた男達が山積みになっていた…
最後の一人も軽く剣の柄で叩き服を引っ掛けて放り投げる。
「さてエイトはどうかな?」
ラルクはエイトとジャックに目を向けると…
「な、なんで捕まらないんだ!」
盗賊のお頭がエイトを捕まえようと追いかけるがエイトはヒラヒラと華麗にステップを踏んで逃げている。
「おじさん…もっと本気でやってよ。それじゃつまんない…」
エイトが退屈な鬼ごっこにガッカリしていると
「この糞ガキが!」
殺さないようにしていた盗賊が構うもんかと剣を抜いた!
「あっ!打ち合いだね!」
エイトは木の枝を構えると
「そんな木の枝叩き切ってくれる!」
盗賊が大きく振りかぶるとエイト目掛けて剣を振り下ろした!
エイトは木の枝で受け止めようと両手で木の枝を持つと…
「エイト!」
ラルクがそれは不味いと駆け寄ろうとする!
「大丈夫だ!」
するとジャックがラルクに声をかけた。
ラルクが踏みとどまると…エイトは盗賊の剣をいなして避ける。
当然木の枝には軽い傷がつく程度だった。
「な、なんでただの木が切れない!?」
盗賊が体勢を整えようとすると…
「隙あり!」
エイトはピョンと跳ねると盗賊の左肩目掛けて木の枝を振り下ろした!
ゴキッ!
「ぎゃー!」
骨の折れる音が響くと、盗賊がのたうち回る。
「えっ…」
エイトは盗賊の暴れ回る姿に怯えて木の枝を離してしまった…
「エイト大丈夫か?」
ラルクは様子がおかしいエイトに駆け寄りながらうるさい盗賊に手刀をかまして静かにさせる。
すぐにエイトの様子を見るが怪我をした様子はなかった…ラルクが無事な様子に安心する。
「どうした?」
唖然と震えながら自分の手を見つめるエイトに声をかけると
「ぼ、ぼく…あんなに強くやるつもりじゃ…あの人あんなに弱いと思わなくて…」
「はっ?」
「ど、どうしよう…あのおじさん…死んじゃった?」
怯えるようにラルクにしがみつく。
「大丈夫だよ、あんな程度の怪我で死ぬわけないだろ?唾でもつけときゃすぐ治るよ」
「嘘…骨が折れたらずっと痛いもん…」
エイトはお腹を抑えて自分の骨が折れた時の痛みを思い出す。
「そうか…そりゃいやな事を思い出させちまったな…」
ラルクが優しくエイトの頭を撫でると
「でも人はそのくらいじゃ死なん。エイトだってわかってるだろ?」
「う、うん…」
心配そうに倒れてる男を見ると
「大丈夫だ、死んでないよ。それに別に死んでも問題ないだろ?」
ジャックが邪魔だとばかりに男に噛み付くとラルクが作った山に放り投げた。
「で、でも…人は殺したくないな…」
エイトが弱々しくつぶやくと
「エイトもいつか殺す覚悟だけはしておけよ」
「殺す覚悟…」
「相手は殺す気できてるんだ。そいつらは死ぬ覚悟があると言うことだ…魔物だってそうだろ?」
「うん…」
「魔物でもわかることを人がわからないわけないだろ?そんな奴らは獣以下だ」
「うん…」
「だからって無闇に殺すことはないがな」
最後は軽く笑って言うと
「さぁ運動もして腹もいい感じに減ったな!早速食べよう!」
ラルクは明るく声をかけるとエイトがコクンと頷いた。
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