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次の日の朝、朝食を食べ終えるとラルクがエイトに話しかけた…

「俺は今から隣町の近くの依頼を受けに行く、エイト興味があるなら一緒に連れて行ってやるぞ?」

ラルクの言葉にエイトが顔を輝かせるがふっと顔を曇らせカズキ達に視線を送る。

カズキとナナミは笑顔でエイトを見つめていた…エイトがどうしようかと迷っている姿に見えないように手をギュッと握りしめる。

「エイトの好きにしていいんだぞ…」

寂しさを隠して優しく呟く。

「エイトが行きたいなら行ってきなさい。そして何時でも戻ってきていいんだからね」

カズキとナナミの言葉にエイトは嬉しそうに頷いた!

「ジャックは連れて行ってもいい?」

エイトがカズキに聞いてみると

「もちろんだ!ジャックが一緒ならエイトも寂しくないもんな」

「やった!ジャック一緒に行こうね!」

「なんだ?どこに行くんだ?」

ジャックはご飯に夢中で話を聞いていなかったようだ。

「ラルクおじさんと隣町に行くんだよ!ジャックは僕と一緒に言ってくれる?」

「ふーん…」

ジャックの素っ気ない返事にエイトは顔を曇らせる。

「えっ…ジャックはカズキ達と残りたい?なら…僕一人で…」

ガックリと肩を落とすと

「し、しょうがないからお前と行ってやる!カズキからもお前の面倒を見るように言われてるからな!」

しょうがなさそうに答えると…

「ジャック…尻尾振りすぎじゃね?」

エイトに嬉しそうに抱きつかれてジャックは顔を逸らしながらも尻尾をはち切れんばかりに振っていた。

「ふたりで居てくれるなら少し安心ね」

ナナミがカズキの腕にそっと手を添える。

「そうだな…」

(ジャック…エイトを頼むぞ)

ピクッ!

ジャックは耳を立てると

(任せろ、しっかりと見ておく!)

ラルクはさっさと用意を終えてエイトが来るのを待っていると…

「ラルクおじさんお待たせー!」

カバン一つでエイトがジャックと駆け寄って来た。

「なんだ?お前荷物はそれだけか?」

カズキやナナミがあれもこれもと持たせると思っていたラルクは拍子抜けする。

あいつらもさすがにそこまでしないか…

自分の考えに苦笑していると

「エイト!これも持っていけ!」

カズキが質素な腕輪をエイトに付けた。

「エイト!これも持っていきなさい!」

今度はナナミが大量の食材を持ってきた。

「ナナミ…そんなに持って行けるかよ。それに腐っちまう」

「あら、大丈夫よ」

ナナミはそう言うとエイトのカバンに食材を次々にしまった…

「はっ?」

どう見ても入らない量がエイトのカバンの中に消えていく。

「まさか…それ…」

「ああ、あのお前らと行った城で拾った魔道具をちょっと改良したんだ。少し汚いのが気に食わないが」

カズキがエイトのカバンをパンパンと叩き汚れを払う。

ラルクがじっとカバンを見つめているとエイトの腕に付けた木製のバングルに注目する…

「まさかそれもか?」

恐る恐るエイトの手を取りバングルを見ると

「いやこれはナナミと一緒に作ったオリジナルだ、エイトを守ってくれるようにな」

見ると変哲もない物に見えるが…触れて見るが何ともない…

気のせいか…

ラルクはホッと息をはいた。
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