41 / 177
41.
しおりを挟む安心したように腕の中で眠るエイトを抱きながらカズキはジャックとラルクの元に戻ってくると…
「仲直りしたのか?」
ラルクが苦笑しながら聞いてくる。
「ああ…」
カズキが寝ているエイトを膝に抱きながらラルクのそばに座ると、エイトの寝顔をみて頭を撫でる。
「俺と一緒がいいんだと…」
嬉しそうに笑っていると
「どう見てもそうだろ?何を見てたんだよ」
ラルクが呆れるとジャックもそうだと頷く。
「い、いや…あんまりにも楽しそうに村の事とかお前の事を話すから…やっぱり色んな人と関わって育った方がいいのかと思って…」
「そりゃそうだろ!理想は色んな奴らと関わりをもって社会を学んで大人になるもんだ、お前とナナミと少人数の人と暮らしてるエイトは社会には適応してないと思うぞ」
「こんなにいい子なのに…」
カズキが項垂れると
「それはわかってる。しかしあまりに素直で周りを信じすぎてるぞ、それに戦闘に関してだけは桁違いに他の子より優れてる…アンバランスすぎるんだよ」
「だ、だが…外で生きるならあれくらい戦えないと…」
「ならそれなりに外の奴らに合わせられる悪知恵も与えてやれよ」
「エイトにそんなことを教えられるわけないだろ!」
カズキが言い返すと
「じゃあずっとここで閉鎖的に暮らせばいい、だがな今はまだガキだからいいが大人になったらこのままじゃいられないぞ」
「じゃあどうすれば…」
「お前達が町に住めばいい」
ラルクが提案するとカズキが顔を顰める。
「そんなことをすればすぐにでも国の奴らが俺達を捕まえに来るだろ。そうなりゃエイトにも何かされるかもしれん…それだけは許さん」
「それだけど…よかったら俺たちの町に来ないか?ある程度身を隠せるしお前達の身柄を隠しながら暮らして行ける環境はあるぞ」
「…なんか用意がいいな…なんでそんなことを環境があるんだ」
カズキがじっとラルクを見つめると。
「元からお前達が住めるように整えてたんだよ…やっぱりお前達が隠れて暮らすなんて納得出来ないからな」
「ラルク…」
「シエルも町でお前達が来るの待ってるんだぜ」
ラルクが笑うと
「シエルも?お前達…あの日からずっと動いていてくれたのか…」
カズキが驚くと、ラルクはきまり悪そう顔を逸らす。
「お前が俺達を逃がしてくれたんだろ、それにやっぱり国王の奴らは許せん…このままではこの国は終わる」
「どうでもいい、こんな世界終わればいいさ」
カズキがふんと笑うと
「でもそんな終わった世界でエイトは生きていかなきゃならないんだぞ」
ラルクの言葉にカズキはハッとして幸せそうに眠るエイトの寝顔を見つめた。
「仲直りしたのか?」
ラルクが苦笑しながら聞いてくる。
「ああ…」
カズキが寝ているエイトを膝に抱きながらラルクのそばに座ると、エイトの寝顔をみて頭を撫でる。
「俺と一緒がいいんだと…」
嬉しそうに笑っていると
「どう見てもそうだろ?何を見てたんだよ」
ラルクが呆れるとジャックもそうだと頷く。
「い、いや…あんまりにも楽しそうに村の事とかお前の事を話すから…やっぱり色んな人と関わって育った方がいいのかと思って…」
「そりゃそうだろ!理想は色んな奴らと関わりをもって社会を学んで大人になるもんだ、お前とナナミと少人数の人と暮らしてるエイトは社会には適応してないと思うぞ」
「こんなにいい子なのに…」
カズキが項垂れると
「それはわかってる。しかしあまりに素直で周りを信じすぎてるぞ、それに戦闘に関してだけは桁違いに他の子より優れてる…アンバランスすぎるんだよ」
「だ、だが…外で生きるならあれくらい戦えないと…」
「ならそれなりに外の奴らに合わせられる悪知恵も与えてやれよ」
「エイトにそんなことを教えられるわけないだろ!」
カズキが言い返すと
「じゃあずっとここで閉鎖的に暮らせばいい、だがな今はまだガキだからいいが大人になったらこのままじゃいられないぞ」
「じゃあどうすれば…」
「お前達が町に住めばいい」
ラルクが提案するとカズキが顔を顰める。
「そんなことをすればすぐにでも国の奴らが俺達を捕まえに来るだろ。そうなりゃエイトにも何かされるかもしれん…それだけは許さん」
「それだけど…よかったら俺たちの町に来ないか?ある程度身を隠せるしお前達の身柄を隠しながら暮らして行ける環境はあるぞ」
「…なんか用意がいいな…なんでそんなことを環境があるんだ」
カズキがじっとラルクを見つめると。
「元からお前達が住めるように整えてたんだよ…やっぱりお前達が隠れて暮らすなんて納得出来ないからな」
「ラルク…」
「シエルも町でお前達が来るの待ってるんだぜ」
ラルクが笑うと
「シエルも?お前達…あの日からずっと動いていてくれたのか…」
カズキが驚くと、ラルクはきまり悪そう顔を逸らす。
「お前が俺達を逃がしてくれたんだろ、それにやっぱり国王の奴らは許せん…このままではこの国は終わる」
「どうでもいい、こんな世界終わればいいさ」
カズキがふんと笑うと
「でもそんな終わった世界でエイトは生きていかなきゃならないんだぞ」
ラルクの言葉にカズキはハッとして幸せそうに眠るエイトの寝顔を見つめた。
1
お気に入りに追加
2,050
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜
九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます!
って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。
ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。
転移初日からゴブリンの群れが襲来する。
和也はどうやって生き残るのだろうか。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる