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「じゃあ名前付けてあげないと…」

エイトは獣をじっと見つめる。

「じいちゃん、なんて名前にするの?」

「ん?名前か…そうだなぁ…」

カズキはチラッと黒狼を見ると

(お前、名はあるのか?)

『まだない…つけてもらう前に…襲われたから…』

(じゃあエイトにつけてもらうんだ)

「グルッ!」

『このガキにか!』

ピキッ…

(ガキじゃない…エイトだ…)

カズキが黒狼を睨むと…黒狼はサッと伏せをした。

「エイト、お前が名前をつけてやるんだきっとどんな名前でも喜ぶぞ~」

カズキは笑ってエイトの頭を撫でると

「僕でいいの?」

エイトが獣を見つめると仕方なさそうにふいっと横を向かれる…

そんな獣をエイトはじっと見つめた…黒狼もエイトの視線に負けて目を合わせると…

「ジャック…」

「ジャック?」

カズキが聞き返すとエイトは頷いて

「僕もじいちゃんとナナミにエイトって名前もらったの!だから一緒の数の名前だよ!」

エイトが嬉しそうにジャックを見つめる。

「ジャックって…11(じゅういち)か!」

「うん!じいちゃんが教えてくれたトランプの中のジャックだよ」

「さすがエイトだな!いい名前だ」

カズキが笑ってエイトを撫でると

(どうだ?ジャック)

ニヤッと笑って黒狼を見る。

『悪くない…』

カズキはニヤッと笑うと

「よし、エイトジャックにここの家を案内してやってくれ。そのまま顔を洗ってくるんだそしたら飯を食うぞ!」

「うん!ジャック行こう!」

エイトはジャックに笑いかけるとこっちだよ!と手招きする…

ジャックはしょうがなさそうにエイトの後を追った…

その様子をカズキは微笑まそうに眺めていた。

「ジャック、ここが手洗い場だよ!ジャックは水を出せないから水を出したかったら僕に言ってね!」

エイトは水を出すと桶にに入れてジャックの前に置いてやる。

ジャックはペロッと出された水を飲むと…

『美味い…』

水の美味しさに驚く…

「ふふ…美味しいよね!この水はじいちゃんが深く、深く井戸を掘って下の下層から水を引いてるんだって…僕はよく分からないけど…だから美味しいんだよ、じいちゃんは凄いでしょ!」

誇らしそうにカズキの 話をする。

『よく分からんがここの水は美味い。こいつに言えばいつでも飲めるって事だな』

ジャックは夢中で水を飲んだ。

「次はお風呂場だよ、汚れたらここで身体を洗うんだよ!今日の夜は一緒に入ろうね!僕がジャックの事洗ってあげるね」

エイトはジャックに抱きつくと

『こいつはすぐにくっ付くなぁ…俺が怖くないのか?嫌じゃ無いのか?』

ジャックは疑わしそうにエイトを見つめた…。
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