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はち
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カズキは長い冒険の旅の末魔王を無事討伐すると城へと戻ってきた。
城下ではカズキ達を讃えようと多くの人達が集まり盛大に迎えた。
「すげぇなぁ…」
「なんか…怖いわ」
カズキが人々の城までと続く道を唖然としながら通って行く…後ろでは仲間のナナミが不安そうに続き、フール、ラルクがブスっと顔を顰めていた。
「気に食わん…送り出す時はこんな子供が何が出来ると言ってたくせに…」
「全くだ!」
二人の言葉に…
「お前らだって最初は『このガキが勇者だと!』って文句言ってたじゃないか」
カズキが笑って言うと
「それは!まだカズキの事をよく知らなかったからだ…今は…誰よりも頼りにしてる」
フールがふいっと顔を背けて言うと
「ありがとな、俺もフールの事ずっと頼りにしてたぜ。お前らがいなきゃ魔王を倒せなかったよ」
「よく言うぜ!ほぼカズキ一人で倒しただろうが!」
ラルクが言うと
「だが…助かった。本当にお前らのおかげだよ」
ラルクはカズキとナナミを見つめた。
「ここに来た時はどうなると思ったけど…これで終わったな…」
カズキはナナミを見る
「これで…私達帰れるんだよね?」
ナナミがカズキをみて聞くと
「ああ、そう言う話だ…ようやくナナミを返してやれる…」
カズキがぼそっと呟いた…。
「そうか…カズキ達は帰っちまうのか…」
ラルクが寂しそうに言うと
「なんだ?ラルクもやっぱり寂しいんじゃないか!」
フールがラルクを押すと
「うるさい!…でもそれがお前達の願いだもんな、俺は笑って送り出してやる!」
「ありがとフール、ラルク」
ナナミが笑ってお礼を言うと
「じゃあサッサと王様に報告してカズキ達を帰して貰おうぜ!そんでもって俺達はたっぷりと褒美を貰うんだ!」
「そうだな!カズキ達が無事帰れたら…ラルク二人で飲み明かそぜ!」
フールとラルクは寂しさを紛らわすように笑いながら人の道を歩いていった…
城につくと迎えにきた従者達に連れられ王の間へと連れていかれる。
王の間では上段の椅子に深々と王が腰掛けカズキ達を待っていた…
カズキ達は並んで膝をつき頭を下げると
「この度魔王を見事討ち取ってきたと報告を受けたが…勇者間違いないか?」
王様がカズキに問いかけると
「間違いありません」
「「「「おおー!」」」」
大臣達から歓声が上がる!
「よくやった!今夜はゆっくりと休まれよ。後日祝いのパーティーを開く!それまで城で好きに過ごすがよい」
王の言葉に…
「ありがたいお言葉ですが…俺…私達は約束通り元の世界に戻りたいと思います…」
カズキが頭を下げながら言うと…大臣や従者達がざわつき出した…。
「それの事だがな…まだ準備が整っていない…もうしばらくここにいて体を休めるがよい」
王の言葉にカズキは顔をあげた。
「話が違います!魔王を倒せば直ぐにでも帰すと約束しましたよね!」
「おい!言葉がすぎるぞ!」
王のそばにいた護衛が声を荒らげると
「うるさい!」
カズキが殺気を飛ばした、すると護衛がガクッと膝を付きそのまま気絶して前へと倒れ込む。
「隊長!」
近くにいた兵士が駆け寄ると…
「この国の部隊長を一瞬で…」
大臣達に緊張が走った。
カズキは立ち上がると
「王様、帰してくれますよね?」
カズキは王を睨みつけた…
城下ではカズキ達を讃えようと多くの人達が集まり盛大に迎えた。
「すげぇなぁ…」
「なんか…怖いわ」
カズキが人々の城までと続く道を唖然としながら通って行く…後ろでは仲間のナナミが不安そうに続き、フール、ラルクがブスっと顔を顰めていた。
「気に食わん…送り出す時はこんな子供が何が出来ると言ってたくせに…」
「全くだ!」
二人の言葉に…
「お前らだって最初は『このガキが勇者だと!』って文句言ってたじゃないか」
カズキが笑って言うと
「それは!まだカズキの事をよく知らなかったからだ…今は…誰よりも頼りにしてる」
フールがふいっと顔を背けて言うと
「ありがとな、俺もフールの事ずっと頼りにしてたぜ。お前らがいなきゃ魔王を倒せなかったよ」
「よく言うぜ!ほぼカズキ一人で倒しただろうが!」
ラルクが言うと
「だが…助かった。本当にお前らのおかげだよ」
ラルクはカズキとナナミを見つめた。
「ここに来た時はどうなると思ったけど…これで終わったな…」
カズキはナナミを見る
「これで…私達帰れるんだよね?」
ナナミがカズキをみて聞くと
「ああ、そう言う話だ…ようやくナナミを返してやれる…」
カズキがぼそっと呟いた…。
「そうか…カズキ達は帰っちまうのか…」
ラルクが寂しそうに言うと
「なんだ?ラルクもやっぱり寂しいんじゃないか!」
フールがラルクを押すと
「うるさい!…でもそれがお前達の願いだもんな、俺は笑って送り出してやる!」
「ありがとフール、ラルク」
ナナミが笑ってお礼を言うと
「じゃあサッサと王様に報告してカズキ達を帰して貰おうぜ!そんでもって俺達はたっぷりと褒美を貰うんだ!」
「そうだな!カズキ達が無事帰れたら…ラルク二人で飲み明かそぜ!」
フールとラルクは寂しさを紛らわすように笑いながら人の道を歩いていった…
城につくと迎えにきた従者達に連れられ王の間へと連れていかれる。
王の間では上段の椅子に深々と王が腰掛けカズキ達を待っていた…
カズキ達は並んで膝をつき頭を下げると
「この度魔王を見事討ち取ってきたと報告を受けたが…勇者間違いないか?」
王様がカズキに問いかけると
「間違いありません」
「「「「おおー!」」」」
大臣達から歓声が上がる!
「よくやった!今夜はゆっくりと休まれよ。後日祝いのパーティーを開く!それまで城で好きに過ごすがよい」
王の言葉に…
「ありがたいお言葉ですが…俺…私達は約束通り元の世界に戻りたいと思います…」
カズキが頭を下げながら言うと…大臣や従者達がざわつき出した…。
「それの事だがな…まだ準備が整っていない…もうしばらくここにいて体を休めるがよい」
王の言葉にカズキは顔をあげた。
「話が違います!魔王を倒せば直ぐにでも帰すと約束しましたよね!」
「おい!言葉がすぎるぞ!」
王のそばにいた護衛が声を荒らげると
「うるさい!」
カズキが殺気を飛ばした、すると護衛がガクッと膝を付きそのまま気絶して前へと倒れ込む。
「隊長!」
近くにいた兵士が駆け寄ると…
「この国の部隊長を一瞬で…」
大臣達に緊張が走った。
カズキは立ち上がると
「王様、帰してくれますよね?」
カズキは王を睨みつけた…
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