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第二十六話「ゾッテ村・一日目」
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夕食も終え、俺がまったりとしていたところに、盗賊の男達がやって来て俺に話を持ちかけてきた。
「旦那、頼みやす!俺達を旦那の奴隷にしてくだせえ!!」
「「お願いしやす!!」」
盗賊達は深々と頭を下げて懇願する。
要するに、詰め所に突き出さずに囲って欲しいという事だ。
悪いが、俺にその気はない。
何が悲しくてこんな汚らしい男どもの世話をしてらやねばならんのか。
確かに男手は増えて助かるが、別に足りなくて困っていたわけでもない。
俺達のパーティーに加わりたいなら、少なくともエミィくらい可愛くなければ話にならない。
「悪いけどそれは出来ないよ」
俺は、悩む素振りも見せずに即答する。
変に期待させても面倒だしな。
「そこを何とか!」
俺の返事は彼らも予想していたらしく、特別落胆する様子もなく、食らいついてきた。
「ダメダメ。俺、これ以上パーティーメンバー増やすつもりないし。しかも、むさい男とか論外だよ」
彼らも根っからの悪人ではない事はこの数日でわかっていたが、それとこれとは話は別だ。
「ねえ、サフィア」
「ん?どうした?」
俺と盗賊達との会話にマリンが割り込んで来た。
マリンの事だから最後まで静観しているかと思ったが、意外だ。
「むさい男じゃなく、綺麗な女性ならメンバーを増やしていくつもりなのかしら?」
あー、そこに食いつきましたか。
微笑んでいるのに、目が笑ってないのは何故なんです?
ほんのちょっと本音が溢れただけじゃないですか。もう、こわいなあ。
とりあえずここは何とか切り抜けよう。
「マリンやエミィより魅力的な女性なら考えてもいいけどね」
「旦那、そんな女はそうそういるもんじゃねえですよ」
「ああ。わかってるさ」
おお、盗賊Aが素晴らしいアシストを決めやがった。
なかなかやるじゃないか。
「そ、そんなのそこら中にいるでしょ」
「いやいや、そんな事ないよ」
「そ、そう?」
「ああ」
うむ、マリンはチョロくていいな。
「でも旦那、もしいたら、第三夫人ですかい?」
「綺麗な正妻に、可愛らしい第二夫人もいて、また更にもう一人とは羨ましい!」
「え、正妻って……」
「第二夫人……」
おい、盗賊B、C、お前らもわかってるな!
一見、幼女にしか見えないエミィの乙女心にもちゃんと気を使っているあたり、抜け目がないな!
どうしよう、こんなフォローの出来る奴なら手元に置いておくのも案外悪くは……
「で、あっしらの奴隷の件なんですが」
「うん。しないよ?」
と、ちょっと揺らいだりもしたけども、もちろんNOだ。それとこれとは話が別なのだ。
「そ、そんなあ!!」
その後も盗賊の三人から奴隷にしてくれと、しつこく迫られたが、俺はとにかくそれを拒否した。
最終的には彼らは渋々と諦め、肩を落としてトボトボと帰っていった。
ちょっと可哀想だけど仕方ないよね。
そして翌日、俺達はゾッテ村へと到着した。
◇
「結局、逃げちゃったみたいね」
「そうみたいだね」
ようやくゾッテ村にたどり着いた俺達であったが、気づけば、いつの間にかあの盗賊三人の姿が消えていた。
それに気付いたのは、村の入り口で身分確認と積荷の検査を受けていた時だ。
道中は俺が御者で、マリンとエミィは絵本の読み聞かせをしていたので、完全にノーマークだった。
門兵の話によれば、盗賊などの犯罪行為を犯した者は、ギフトカードの称号欄に賞罰の記載がなされるらしい。
盗賊達三人は、正門での身分確認の際に罪を知られるのを恐れて逃げ出したのだろうと言うことだ。
「まあ、仕方ないさ」
「随分あっさりしてるわね」
「色々弱い部分があるだけで、それほど悪い奴じゃなかったしね」
いや、盗賊をしていたんだから悪い奴なんだが、少しでも関わり合いを持つと情というのは芽生えてしまうものだ。
それに、俺の『契約魔術』によって盗賊行為は出来なくなっているし、俺達への敵対行動や余計な事を言ったりする事も無いはずだ。
「サフィアがいいなら別にいいけど、お人好しもほどほどにしておきなさいよ」
「ああ。わかってるよ」
そうしていつもの三人に戻った俺達は、正門を通ってからすぐのところにある、門前宿屋に到着した。
何をするにも、まずは寝床を確保してからだ。
まあ、確保といってもこの村には宿屋はここくらいしかないし、部屋が満室になってそうな程忙しそうにも見えない。
というか、久々の客だと歓迎された。
普段、この店の人たちはどうやって生計を立てているのだろうか。
「一部屋一泊で銀貨四枚だ。食事は付かないけど、うちの料理茶屋で食事を取ってくれるなら飲み物をサービスさせてもらうよ。うちの料理はちょっとばかし値は張るが、王都で修行を積んだ料理人が作っているから、味の方は保証するよ」
受付に行くと、少しふっくらとした笑顔の素敵なおばちゃんが色々と説明してくれる。
どうやら、こちらが収入源のようだ。
たしかに、ベイク村の宿屋もそんな感じだった気がする。
俺達は二部屋三日分の代金、金貨二枚と銀貨四枚を渡し、部屋の鍵を受け取った。
◇
俺達は荷物を置き、村を一通り見て回る事にした。
実際に旅の準備をするのは明日からだ。
その前に、何がどこに売っているのかとか、その辺を確認しておく。
「意外と広いのね」
「ベイク村と比べるとね」
と言うか、ベイク村が特に小さいだけで、この村の規模は村としては平均的なものだ。
とは言っても、そのほとんどが田畑なので、実際には大して変わらないと言えば変わらない。
強いて言えば、村としての作物の収穫量が違うくらいだ。
「あとは、武具屋と冒険者ギルドの出張所があるくらいかな」
「あるんだ、冒険者ギルド!」
「おぉぉ!」
「登録は出来ないけどね」
この村の冒険者ギルドは、主要な町と町を繋ぐ情報網の中継地としての役割で設置されており、ギルドとしては必要最低限の業務しか行っていない。
いくら国からの補助金が出るからとは言え、ギルドも慈善事業ではない。人の集まらない場所ではギルドも成り立たないのだ。
「まあ、登録は出来ないけど、それ以外は普通の冒険者ギルドだよ」
「ふーん」
「お腹減ったでシュ」
冒険者登録が出来ないとわかると一気に興味を無くす二人。
意外にも、二人とも冒険者には興味があったようだ。俺もあるけどさ。
「そうだな。見て回りながら、どこか食事処があれば寄ろうか」
その日はそのまま村中を見て回り、陽が落ちる前に宿に戻ることにした。
今日のうちに、明日以降の予定を立てておこう。
「スゥ……スゥ……」
歩き疲れたのかエミィはすでに夢の中だ。
ほとんど俺の背中か、肩車だったので歩き疲れる事は無いはずだが。
「気疲れね。このまま寝かせておきましょ」
「そうだな」
マリンがエミィから聞いた話によると、妖精族の王族であったエミィは、妖精の森から外へはほとんど出る事がなかったそうだ。
妖精族自体が他種族に対して排他的な民族であり、外交に関してもほぼ鎖国的な状態であったためだ。
外の情報は、その森の精霊から知識として与えられるらしい。
肉体を持たずに眠っていた間の1500年の知識も、肉体を得た際に精霊から与えられて持ってはいるらしいが、聞くのと見るのとでは全く違うらしい。
そりゃそうだろう。
その為、今のエミィは見るもの全てが新鮮で、驚きと感動の連続なのだという。
なるほど。
エミィのリアクションがいちいち大げさだったのはそういう事か。
そりゃ、気疲れもするか。
俺だってちょっとくたびれてるくらいだし。
「エミィには無理させちゃったかな?」
「ううん、きっと大丈夫よ。」
「そうか?」
「ええ。幸せそうだもの」
マリンはそう言って俺に微笑みかけた。
幸せねえ。
まあ、幸せそうだな。
俺は顔を後ろに回し、背中で眠るエミィの顔を見てそう思った。
「旦那、頼みやす!俺達を旦那の奴隷にしてくだせえ!!」
「「お願いしやす!!」」
盗賊達は深々と頭を下げて懇願する。
要するに、詰め所に突き出さずに囲って欲しいという事だ。
悪いが、俺にその気はない。
何が悲しくてこんな汚らしい男どもの世話をしてらやねばならんのか。
確かに男手は増えて助かるが、別に足りなくて困っていたわけでもない。
俺達のパーティーに加わりたいなら、少なくともエミィくらい可愛くなければ話にならない。
「悪いけどそれは出来ないよ」
俺は、悩む素振りも見せずに即答する。
変に期待させても面倒だしな。
「そこを何とか!」
俺の返事は彼らも予想していたらしく、特別落胆する様子もなく、食らいついてきた。
「ダメダメ。俺、これ以上パーティーメンバー増やすつもりないし。しかも、むさい男とか論外だよ」
彼らも根っからの悪人ではない事はこの数日でわかっていたが、それとこれとは話は別だ。
「ねえ、サフィア」
「ん?どうした?」
俺と盗賊達との会話にマリンが割り込んで来た。
マリンの事だから最後まで静観しているかと思ったが、意外だ。
「むさい男じゃなく、綺麗な女性ならメンバーを増やしていくつもりなのかしら?」
あー、そこに食いつきましたか。
微笑んでいるのに、目が笑ってないのは何故なんです?
ほんのちょっと本音が溢れただけじゃないですか。もう、こわいなあ。
とりあえずここは何とか切り抜けよう。
「マリンやエミィより魅力的な女性なら考えてもいいけどね」
「旦那、そんな女はそうそういるもんじゃねえですよ」
「ああ。わかってるさ」
おお、盗賊Aが素晴らしいアシストを決めやがった。
なかなかやるじゃないか。
「そ、そんなのそこら中にいるでしょ」
「いやいや、そんな事ないよ」
「そ、そう?」
「ああ」
うむ、マリンはチョロくていいな。
「でも旦那、もしいたら、第三夫人ですかい?」
「綺麗な正妻に、可愛らしい第二夫人もいて、また更にもう一人とは羨ましい!」
「え、正妻って……」
「第二夫人……」
おい、盗賊B、C、お前らもわかってるな!
一見、幼女にしか見えないエミィの乙女心にもちゃんと気を使っているあたり、抜け目がないな!
どうしよう、こんなフォローの出来る奴なら手元に置いておくのも案外悪くは……
「で、あっしらの奴隷の件なんですが」
「うん。しないよ?」
と、ちょっと揺らいだりもしたけども、もちろんNOだ。それとこれとは話が別なのだ。
「そ、そんなあ!!」
その後も盗賊の三人から奴隷にしてくれと、しつこく迫られたが、俺はとにかくそれを拒否した。
最終的には彼らは渋々と諦め、肩を落としてトボトボと帰っていった。
ちょっと可哀想だけど仕方ないよね。
そして翌日、俺達はゾッテ村へと到着した。
◇
「結局、逃げちゃったみたいね」
「そうみたいだね」
ようやくゾッテ村にたどり着いた俺達であったが、気づけば、いつの間にかあの盗賊三人の姿が消えていた。
それに気付いたのは、村の入り口で身分確認と積荷の検査を受けていた時だ。
道中は俺が御者で、マリンとエミィは絵本の読み聞かせをしていたので、完全にノーマークだった。
門兵の話によれば、盗賊などの犯罪行為を犯した者は、ギフトカードの称号欄に賞罰の記載がなされるらしい。
盗賊達三人は、正門での身分確認の際に罪を知られるのを恐れて逃げ出したのだろうと言うことだ。
「まあ、仕方ないさ」
「随分あっさりしてるわね」
「色々弱い部分があるだけで、それほど悪い奴じゃなかったしね」
いや、盗賊をしていたんだから悪い奴なんだが、少しでも関わり合いを持つと情というのは芽生えてしまうものだ。
それに、俺の『契約魔術』によって盗賊行為は出来なくなっているし、俺達への敵対行動や余計な事を言ったりする事も無いはずだ。
「サフィアがいいなら別にいいけど、お人好しもほどほどにしておきなさいよ」
「ああ。わかってるよ」
そうしていつもの三人に戻った俺達は、正門を通ってからすぐのところにある、門前宿屋に到着した。
何をするにも、まずは寝床を確保してからだ。
まあ、確保といってもこの村には宿屋はここくらいしかないし、部屋が満室になってそうな程忙しそうにも見えない。
というか、久々の客だと歓迎された。
普段、この店の人たちはどうやって生計を立てているのだろうか。
「一部屋一泊で銀貨四枚だ。食事は付かないけど、うちの料理茶屋で食事を取ってくれるなら飲み物をサービスさせてもらうよ。うちの料理はちょっとばかし値は張るが、王都で修行を積んだ料理人が作っているから、味の方は保証するよ」
受付に行くと、少しふっくらとした笑顔の素敵なおばちゃんが色々と説明してくれる。
どうやら、こちらが収入源のようだ。
たしかに、ベイク村の宿屋もそんな感じだった気がする。
俺達は二部屋三日分の代金、金貨二枚と銀貨四枚を渡し、部屋の鍵を受け取った。
◇
俺達は荷物を置き、村を一通り見て回る事にした。
実際に旅の準備をするのは明日からだ。
その前に、何がどこに売っているのかとか、その辺を確認しておく。
「意外と広いのね」
「ベイク村と比べるとね」
と言うか、ベイク村が特に小さいだけで、この村の規模は村としては平均的なものだ。
とは言っても、そのほとんどが田畑なので、実際には大して変わらないと言えば変わらない。
強いて言えば、村としての作物の収穫量が違うくらいだ。
「あとは、武具屋と冒険者ギルドの出張所があるくらいかな」
「あるんだ、冒険者ギルド!」
「おぉぉ!」
「登録は出来ないけどね」
この村の冒険者ギルドは、主要な町と町を繋ぐ情報網の中継地としての役割で設置されており、ギルドとしては必要最低限の業務しか行っていない。
いくら国からの補助金が出るからとは言え、ギルドも慈善事業ではない。人の集まらない場所ではギルドも成り立たないのだ。
「まあ、登録は出来ないけど、それ以外は普通の冒険者ギルドだよ」
「ふーん」
「お腹減ったでシュ」
冒険者登録が出来ないとわかると一気に興味を無くす二人。
意外にも、二人とも冒険者には興味があったようだ。俺もあるけどさ。
「そうだな。見て回りながら、どこか食事処があれば寄ろうか」
その日はそのまま村中を見て回り、陽が落ちる前に宿に戻ることにした。
今日のうちに、明日以降の予定を立てておこう。
「スゥ……スゥ……」
歩き疲れたのかエミィはすでに夢の中だ。
ほとんど俺の背中か、肩車だったので歩き疲れる事は無いはずだが。
「気疲れね。このまま寝かせておきましょ」
「そうだな」
マリンがエミィから聞いた話によると、妖精族の王族であったエミィは、妖精の森から外へはほとんど出る事がなかったそうだ。
妖精族自体が他種族に対して排他的な民族であり、外交に関してもほぼ鎖国的な状態であったためだ。
外の情報は、その森の精霊から知識として与えられるらしい。
肉体を持たずに眠っていた間の1500年の知識も、肉体を得た際に精霊から与えられて持ってはいるらしいが、聞くのと見るのとでは全く違うらしい。
そりゃそうだろう。
その為、今のエミィは見るもの全てが新鮮で、驚きと感動の連続なのだという。
なるほど。
エミィのリアクションがいちいち大げさだったのはそういう事か。
そりゃ、気疲れもするか。
俺だってちょっとくたびれてるくらいだし。
「エミィには無理させちゃったかな?」
「ううん、きっと大丈夫よ。」
「そうか?」
「ええ。幸せそうだもの」
マリンはそう言って俺に微笑みかけた。
幸せねえ。
まあ、幸せそうだな。
俺は顔を後ろに回し、背中で眠るエミィの顔を見てそう思った。
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